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公開 2017年06月26日  

「おとうちゃん、きょうたのしかったね」娘が教えてくれた“大切なこと”の話。

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ツイッタ―で大人気“あおむろひろゆきさん”の書籍「新米おとうちゃんと小さな怪獣」。全6回に分けて、エピソードをご紹介します。5つ目のお話は「子どもと過ごす日々」について。


エピソード5「いつか終わってしまうこの日々について」


妻が妊娠しまして、
つわりでなかなか動けないこともあり、
子どもと二人きりで
過ごす時間が増えてきました。

慣れないことばかりで
毎日てんやわんやしています。

ケチャップライスを作れば
真っ黒になってしまうし、
掃除をしてもきれいにしたところから
おもちゃで荒らされていきます。

買い物帰りに両手に荷物を抱えたまま、
子どもが蛙を観察しているのを
見守ることもありました。

延々と続く石拾いも、
子どもが納得するまでやらせないと
泣いてしまうので、
ひたすら待つしかありません。

そんな毎日を過ごすうちに
気持ちの余裕もなくなり、
感情的に子どもを叱る場面も増えてしまいました。


ある週末、とても天気が良かったので、
大急ぎでお弁当を作って、
公園でレジャーシートを広げて
二人でごはんを食べました。

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気が付くとまわりでも
たくさんの家族がごはんを食べていて、
それぞれが色とりどりの
美味しそうなお弁当を広げて
楽しそうにしています。

それに比べると随分とみすぼらしい
お弁当を食べる我が子に対して、
なんとも申し訳ない気持ちになりました。


その日の夜、寝かしつけの時に
あれこれ振り返って反省し、
考えごとをしながら天井を見つめていると、

子どもが突然
「おとうちゃん」と話しかけてきます。

「ん~?」と返事すると、ニコニコしながら
「おとうちゃん、きょうたのしかったね」
と言われて、ハッとさせられました。


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「こうえん、たのしかったね」

「ボールあそび、たのしかったね」

「おみずでばしゃばしゃしたの、
たのしかったね」

「いっしょにアイスたべにいったの、
たのしかったね」

「おかいもの、たのしかったね」

ひとつひとつの出来事を思い返しながら
言葉を紡いでゆく姿を見て、
大人げなくもワーッと泣いてしまいました。

まる一日一緒にいたはずなのに、
全然気づけていなかった。

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自分の余裕のなさから
子どもが楽しんでいる姿を
たくさん見落としてしまっていました。

これじゃあ、おとうちゃん失格です。

せわしなく過ぎていく日々。

何が正解なのか分からない中で、
私たちは様々な選択を迫られます。

そしてその選択に自信のない私はいつも、
自分を責めてしまう。

そこに光を当ててくれるのは、
いつだって子どもです。

子どもにとって何が幸せなのかは
私たちが決めることじゃなくて、
子ども自身が決めること。

あれこれ思い悩む前に、
まずは子どもがどんな表情をしているか
しっかりと見守るべきでした。


子どものそばで生活できる時期は、
いつか必ず終わってしまいます。

それがあと何年なのかは分からないけれど、
おとうちゃんは子どもが
ひとり立ちするその日まで、
その幸せにしっかりと
寄り添っていこうと思いました。






***

嬉しい。悲しい。楽しい。幸せ。

大人も子どもも、
自分の気持ちは自分自身が
一番よく分かっているのかもしれない。

皆さんの目の前にいるお子さんは
今、どんな表情をしていますか?






このお話が収録されている、
「新米おとうちゃんと小さな怪獣」は
こちらから購入できます。

(編集:コノビー編集部 三輪ひかり)

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