「~~神話」は、そう名づけられただけで、信用ならないものという意味あいがこめられていますが、一方で、そういいたくなるほど、世間では根強い思いこみがあるということでもあって、しかも、そこになんの根拠もないというわけではない。
そこがややこしいところです。
「母性神話」「三歳児神話」はどこからきたの?
30,153 View『親になるまでの時間』(「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」115号・116号。ジャパンマニシスト社) より、厳選した4編をご紹介。
第3弾のテーマは「三歳児神話」「母性神話」です。
たとえば「母性神話」ですが、ここで「母性」ということばを、こどものありのままを受け入れて慈しむという意味でとれば、それを「神話」というわけにはいきません。
じっさい、人間の赤ちゃんはまったく無力で、自分でできることはほんとにかぎられていますから、哺乳〔ほにゅう〕にせよ排泄にせよ、睡眠にせよ移動にせよ、ほとんどのことを周囲にゆだねざるをえないわけで、周囲にそれを当然のこととしてひきうける心性がなければなりません。
それを母性というのは、あくまで比喩〔ひゆ〕の話であって、文字どおりに母親のみが担うということではなく、だれであれ、その種の母性の持ち主であればいいのです。
ただ、ここでさっそくただし書きを加えておかなければなりませんが、「こどものありのままを受け入れる」といっても、なんでもこどものいいなりになるということではなくて、生身の人間ですから、無理なことは無理で、たとえ相手が赤ちゃんでもすべてを受け入れてよいわけではありません。
そこのところは「適当に」ということが肝要。
そうでなければ文字どおりに「神話」になってしまいます。
「三歳児神話」というのも、「三つ子の魂、百まで」といわれるだけの根拠はあって、そのころには生まれ持った性分がはっきり見えるようになって、それがその後もそうそうかんたんには変わりません。
だけど、まちがっていけないのは、この性分は周囲が自由につくれるようなものではなくて、草花の育ちと同じように、人為を超えてできあがってくるものだということです。
まわりの人間にできるのは、育ちに必要なだけの光と肥料をほどこして、あとは楽しみながら待つことくらい。
過剰な期待をもって、無理なことをやってしまえば、かえって育ちがいびつになってしまいます。
人間も自然のひとつ。
それを人為で左右できるかのように思うことこそが、じつは「神話」の起源かもしれません。
(「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」115号『親になるまでの時間・前編』より)
※この記事に使用した画像は"写真AC"のものを使用しております。
「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」115号『親になるまでの時間・前編』
「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」116号『親になるまでの時間・後編』
1
胸に刻もう……5歳児が語る結婚条件があまりにも具体的でシビアすぎる。笑
コノビー名作集
2
追い詰められたママのイライラは、子どもに向かう。それを救ってくれたパパの言葉
とげとげ。
3
娘たちが優しい……!?パパへの”塩対応”が終わったのは、こんな理由がありました
コノビー名作集
4
「勝ち負け」へのこだわりがエグい…癇癪を笑顔にかえる画期的アイデア
いそめし ちかこ
とにかくやってみる!の尊さよ。息子きっかけで始めた石鹸生活で起きた変化
コノビー名作集
子どもの「大丈夫!」は時に疑うことも必要。検温したら、やっぱり熱があった!
コノビー名作集
「自分で自分の機嫌をとる」って大切……!突然“リフレッシュ方法迷子”になった話
コノビー名作集
何かと不自由な子連れおトイレ事情。こんな支援サービスが切実に欲しい…!
コノビー名作集
「ワーママの大変さ」を、パパが実感したのはこんな瞬間
なおたろー『育児戦隊 ごきげん夫婦』
子が夫に質問「ママのこと大好き?」聞き耳をたてていたら、嘘でしょ…?
なおたろー『育児戦隊 ごきげん夫婦』
座ったまま「ママ、お箸は~?」と聞く息子に、パパがひとこと。
なおたろー『育児戦隊 ごきげん夫婦』
思わずキュン…♡レストランで夫の対応に”惚れ直した”出来事
多喜ゆい