まいどおおきに、ベルギーで三姉妹を育てているさとえみです。
今回も、我が家のイクメン「以外の」イクメンのお話。
その日は土曜日で、娘たちが通う学校で誕生日パーティーがあったのです。
ベルギーの誕生日パーティーは、けっこう派手です。
幼稚園や小学校でもそれは同じで、クラスの仲の良い友達5〜20人を集めてパーティーを行うこともしばしばあります。
20人レベルの誕生日パーティーでは、自宅ではなく、子ども向けのプレイルームを貸しきったり、子ども向け施設のツアーを予約したりします。
今回の誕生日パーティーは、通っている学校を借りてクラス全員が呼ばれ、子どもも大人も勝手知ったる校庭でそれぞれエンジョイしていました。
親の参加は任意ではあるものの、送り迎えはどんなに近距離でも必須のベルギー。
その日迎えに来たのはパパが多く、パーティーの主催パパもフレンドリーな人だったため、にわかに「パパ友会=パパパーティー」の様相を呈していました。
ベルギーといえばビール、でもあります。
子どもの誕生日にビール?と思う方もいると思うのですが、そうです、ベルギーは昼間からでも子どもの誕生日でも、むしろ昼間だから子どもの誕生日だからこそ、ビールを飲むというお国柄でもあります。
なかば子どもそっちのけでビールを飲んでしゃべり続けるパパたちを見て、「けっこう雑やな」と思ってしまったことは否めない。
というか雑過ぎへんか!?とツッコミが膨らんできた頃、ある事件が起きました。
「クラスのやんちゃな男子に、言ったことをリピートされる」というやつを、パーティーの主役である女の子は受けてしまった。
日本でも古今東西多数発生する、典型的な『こどもっぽいいやがらせ』ですね。
なにせクラス全員を呼んだので、普段ソリの合わない子も参加していたもよう。
大人にとっては、一笑に付す(相手にしない)しかないこの事件。
しかし、その子のパパは違った。
お酒の勢いも手伝ってか、大げさに怒りを表し「警察に通報しよう!」と言い出したのである。
そして、どっと笑いで沸く一同。
ビールの入ったベルギー人はよく笑うけれど、ビールを飲んでいるのは大人のみ。
シラフの子どもにとって、それはベストアンサーなのか?
笑ったりして、逆に子ども心を傷つけたりはしないのか?
その後も特段警察に電話するそぶりすら見せずに、笑ってビールを飲むだけだが、本当にそれでええんか?
っていうかそろそろビール飲むのやめろおおおおおおお!!!
…と、ツッコミがマックスに達するかというその時。
さとうが目にしたものは…!
満足気な主役の子どもー!
まだ笑い続けるパパ友ー!
その後も普通に遊び続けるクラスメイトー!
とどこおりなくー
滞りなく平和に終わった誕生日パーティー!ハッピーバースデー!
さとうの心のツッコミもむなしく(まあ心でしたから)、その日集まった子どもや大人全員、笑顔で帰路に着いたのであった。
いろいろ考えさせられた誕生日パーティーでしたが、逆にこんな“雑な”パパでも、子どもの誕生日パーティーを主催しようという気持ちの下地があるのだから、やはりベルギーはイクメン大国である。
(なにせ、クラス全員を呼ぶというのは、よっぽどの気概がないとできない)
雑なイクメンもいれば、繊細なイクメンもいるだろう。
イクメン道の深淵を垣間見た気がするさとうであった。