育児とは人間を育てるということ。迷いや不安を抱えるのは当たり前。しかし、昔から「育児が不安」と感じるママは果たして今ほど多かったのでしょうか。
私は、育児を不安に感じる人が増えた理由として、以下のようなことが関係していると思います。
なぜママは育児に不安を感じるのか?不安に感じる3つのポイント
26 View育児に不安を感じたことがないママはいないと思います。ほとんどの育児の不安は、「赤ちゃんについてわからない、マニュアル通りにいかない」「感情のモヤモヤを解決しにくい」から。ママが育児に不安を感じるポイントについて考えてみました。
出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28144083536なぜ、育児は不安なのか?
「赤ちゃんについてわからない」
少子化で、一生のうちに出産する子どもの数は1.43人(2013年厚生労働省合計特殊出生率より)と少なくなりました。そのため親せきや近所で赤ちゃんにふれあう機会も少なくなり、わからないからこそネットなどを通して情報を集め、マニュアル通りに行かないことにさらに不安を感じてしまう…ということ。
「感情のモヤモヤを解決しにくい」
ふたつめは「感情のモヤモヤを解決しにくい」こと。
赤ちゃんとの生活では、ママが感情を言語化する機会が少なくなります。その日に感じたことを言語化できないままでいるとモヤモヤが残り、ただ誰かに聞いてもらいたい。「うんうん」「なるほど」「大変だったね」と共感してもらえるだけで、モヤモヤした感情はぐっと少なくなります。
しかし、一番話を聴いてもらいたい相手であるパパは、男性として解決策やアドバイスをして結論を出そうとすることが多く、「話をちゃんと聞いてもらえない」つまり「きちんと感情を言語化できない」ままで過ごすことになってしまいがち。
社会の関係性が希薄になったこと
そして、社会の関係性が希薄になったことも「育児不安」を感じる理由として関係しているように思います。
「人間関係の中で安らいで生きたい」というのは人間の本能。
しかし、育児中は社会から疎外されたように感じてしまう。仕事仲間や友人と話をする機会も少なくなり、もし会うことがあっても興味のある会話の内容が変わって話題が合わない。近所関係は希薄で、会話はあいさつ程度…。
児童精神科医の佐々木正美先生は著書「こどもへのまなざし」の中でこのように書いています。
「なぜ現代のお母さんは育児不安を感じ育児が下手になったのか。それは人間関係が下手になったからだと思います」「育児の下手な母親というのは、ほとんどが孤独なのです」「孤独ということは、人間にとってそれ自体が存在の根源をゆるがされることですから健康ではいられなくなるのです」と。
株式会社LITALICOは、そのモットーとして、「障害は人ではなく、社会の側にある社会にある。障害をなくしていくことを通して多様な人が幸せになれる『人』が中心の社会をつくる」として、「人」の支援を大切にすることが社会に重要だとしています。
安心して育児ができる環境を
いつでも見守ってくれる人がいる。支えられている。親も夫もいつだって力になってくれるし、ゆっくり話を聴いてくれる。ご近所さんも助けてくれるし、育児の悩みを共感するママ友もいる。相談できる専門家も身近にいる…。
そのような「安心感」を日ごろ持って生活しているママはゆったりした気持ちで育児ができ、不安を感じにくいのではないでしょうか。「育児を不安に感じるママが増えている」これはママだけの問題ではなく、社会の課題なのではないかと私は考えています。
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