コノビーで連載がヒットし、7月25日に書籍が発売された「本当の頑張らない育児」。
作品中では、0歳の子どもがいる主人公の“私”とその夫、それぞれの視点で家事育児の悩みや葛藤、喜びが描かれていました。
私にとっての「本当の頑張らない育児」を考えて気づいた大切なこと
7,663 View7/22(日)に開催した『パパ・ママでわたしにとっての「本当の頑張らない育児」を語ろう!』のイベントレポートをお届けします!
私も、知人に紹介してもらい連載中に読んでいました。
5歳と1歳の二人の男の子を持つパパ視点からすると、前半のパパが育児参加していないストーリーは、身に覚えがありすぎて読み進めることが辛く…(笑)、後半のパパとママでチーム育児を実現してくストーリーは、とても心が温まりました。
自然と、「こんなステキな育児を、私もぜひ真似したい!」と思いました。
しかし、ここで正直に言います。
「素敵なエピソード過ぎて、こんなの私には真似できません!!」とも思いました。
特に漫画に出てくるパパの性格が「素直」で「謙虚」すぎて、ダメパパなわたしにとって、あなたは聖人なのかと(笑)。
そうして私は、「本当の頑張らない育児を実現するために、漫画のパパの真似を頑張ってする」という「頑張らないために頑張らねば!」の無限ループに入り込むことに。。。
そんな風に悶々と悩んでいたところ、今回のイベントレポートのお声がけをもらいました。
「まさに私に必要なのはこれだ!」と思って、『パパ・ママでわたしにとっての「本当の頑張らない育児」を語ろう!』に参加してきました。
自分の「頑張ってしまっている」を見つける
7月22日、イベント会場である株式会社CAMPFIREさんのオフィスには、12家族13名のパパ・ママと、11名の子どもたちが集まり、温かな雰囲気の中イベントがスタートしました。
進行をするコノビー編集部の三田村さんのこんな話から会はスタートします。
「あなたにとって、“頑張る”ってどういう状態ですか?
例えば、自分の毎日の歯磨きは、頑張らなくてもできる人がほとんどだと思うのですが、「ゾウの絵を描くことは?」と聞かれると、得意な人と不得意な人で、意見が分かれると思うんです。
こんな風に、同じ作業でも人によって『頑張らなくてもできること』と『頑張ればできること』は違います。
さらに、同じ作業でも、人によって『やることで元気になる、楽しくなること』と『やることでしんどくなること』もあるんですよね。
このように、『わたしにとっては頑張ってやることでも、誰かにとっては頑張らないことかもしれない』ということを再確認することが、“本当の頑張らない”の一歩目になるんじゃないかなあと思っています。」
目の前の育児、家事は、「やりたいかどうか」よりも先に「やらないといけない」がきてしまうので、改めて「これって、私がやりたいことなんだろうか」なんて考えない…!!!
三田村さんの説明のあと、ワークシートに自分にとっての
・頑張らなくてもできること(得意)
・頑張ってやること(不得意・不慣れ)
・やることで元気になる、楽しくなる(好きなこと)
・やることでしんどくなる(嫌いなこと)
を書き込んでいったのですが、そこでも改めて、「私って何が得意なんだっけ?」とすぐに答えられないことに気づかされました。
その後、書いたシートを基に対話をする時間へ。
「ゴミ捨てって、他にやってくれる人がいないから何にも考えずにやっていたけど、実は嫌々やっていたかも?」
「保育園のお迎えは、時間に余裕があるときはうれしい時間だけど、時間が無い時は本当はつらいと思ってしまっているんです。」
などの声が聞かれ、自分の認識を改めたり、同じ作業でも条件が違うと感じ方が変わることなど、自分についての新たな発見がたくさん生まれているようでした。
話すことで、自分のことをもっと知ろう
ここから更に対話の時間は続き、自分の気付きを互いに共有していきました。
その中で印象的だったのが、洗濯が嫌いで疲れると話をしていた一人の方が、
「共感してくれる人がいることで、自分だけが苦しんでいるんじゃないと安心したし、得意な人が「私は洗濯が好きだし、全然苦にならなからやれてるんだよ」と言っているのを聞いて、頑張らなくても出来るからこそ、うまくできることがあるんだと気付かせてもらった。自分一人でもやもや苦しんでいたことが、人に話してすっきりした」
とおっしゃっていたこと。
私自身も、自分の出来ていないことばかりに目がいってしまい、「漫画のなかの“夫”のような素敵なパパにはなれない」と思っていましたが、話をすることで、誰にだって不得意なことや嫌々やっていることがあって、完璧な人間はいないこと、自分だけが得意なことがあって、そこは自信をもっていいんだという事に気づき、心が楽になりました。
この「話をする・聞く」ということは、家庭でパートナーとも出来ることだと思ったので、早速、わが家でも定期的に実施してみることにします!!
「工夫できること」を探す
最後は、今までの話し合いで見えてきた自分の「得意/不得意、好き/嫌いな育児」から、「頑張らない育児」を実現するための工夫について話し合うことに。
イベント会場では、すでに「同じ作業でも、人によって頑張る程度が違う」ということが共通の認識となっていたので、
・まずは、パートナー同士で「お互いの得意/不得意」を話しあう
・洗濯の中でも苦手な「たたむ作業」だけを相手に依頼するなど、作業を細かく分けて特に苦手な部分だけでもパートナーに依頼する
など、育児をチームとして捉えるための具体的な工夫がたくさん出てきました。
また、どのグループも、「掃除はお掃除ロボットに任せたほうがいい」というような画一的な工夫ではなく、「掃除はわたしが好きだからやり続ける。でも、皿洗いは夫婦ともに苦手な作業だから、食器洗濯機を導入する」など、わたし(わたしたち家族)にあったオリジナルの工夫を考えられている所が印象的でした。
「本当の頑張らない育児」の中で描かれていた主人公と夫の変化も実は、この「好き/嫌い、得意/不得意・不慣れ」で考えると、わかりやすいんですよね。
「得意」かつ「好き」なことは、自分が大切にしたいこととして手放さない
漫画の中では、妹のアドバイスに従ってレトルトに挑戦したものの、もやもやが残った主人公。
得意かつ好きな料理はちゃんとやることを決めて、気持ちもスッキリ。
「得意」だけど「好きじゃない」ことは、簡単にすませる・やめてしまう
料理をすることは得意で好きなことだけど、炊き立てゴハンが好きなパートナーに対して、それほどこだわりのない主人公。
パートナーの理解が得られるのであれば、思い切って妥協してしまう選択肢もある。
「不得意・不慣れ」だけど「好き」なことは、無理せずやれる時に挑戦する。やる時間を作る
妹が遊びに来た際にアイシングクッキーに挑戦。
不慣れな作業、時間のかかる作業は、余裕がなければ今回は諦めるということも大切。
「不得意・不慣れ」な上に「好きではない」ことは、他の人に助けてもらう。
不得意な裁縫は、得意な妹にお願いした主人公。
自分が得意なことと、パートナーや知人が得意なことを、分業で互いにサポートしあえるようになると、育児は楽になる。
お互いに不得意かつ好きでない作業は、思い切ってアウトソースする事も一つの選択肢になる。(家事代行、ルンバ、など)
私たちにあった「頑張らない育児」のカタチ
もう一度、みんなでひとつの円になり、あっという間だった2時間を振り返りました。
多くの方から、「頑張らない育児」を実現するための土台として、
・自分のことを知る
・お互いのことを理解する
ことの大切さに気づいたという声や、
・相手のことを分かったつもりになっていた
・ちゃんと会話しないと相手のことは理解できないということが分かった
など、「パートナーと対話」をしていきたいという声が。
私もこの時間を通して、誰かを真似するのではなく、自分が「頑張らずにできること」「頑張ってしまっていること」をパートナーと理解しあい、補うことから、わたしたちにとっての頑張らない育児を見つけることが大切なのだということに気づかせてもらいました。
1.「好き/嫌い」「得意/不得意・不慣れ」から、わたしの「頑張ってしまっている」を見つける。
2.人と話すことで、自分のことがもっと分かるようになる。
3.チーム育児に挑戦して、あなたに合った「頑張らない育児」を実現する。
というステップをこれから、「わたしたちにあった本当の頑張らない育児」を見つけていくために大切にしていきたいと思います。
文:平野謙(一般社団法人Papa to Children 理事) / 編集:三輪ひかり
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