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公開 2018年10月24日  

立ち会い夫が感じた、無痛分娩のメリット<投稿コンテストNo.25>

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第二子の出産を無痛分娩にしたという、こんぺい父さんご夫妻。
旦那さん側の気持ちが綴られています。
無痛分娩が気になっている方、ぜひ読んでいただきたいです。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=29968000224

>【第一話】から読む


「もうすぐですよ…ゆっくりゆっくり…」

そんな言葉が聞こえたような気がして、妻のいる分娩室の隣の分娩室の分娩台の上で目が覚めた。

深夜1時。

本来は分娩のためのスペースで、長女が寝返りをした時に下に落っこちないよう腕枕をしながら私は仮眠をとっていた。

破水によって予定外に早まった出産。

仮眠をとった言い訳になるが、翌日私には長女をいつも通り保育園に送り出す必要があったし、妻に必要な物資を届けるという任務もある。

妻が“命懸けの出産”をしている前後で、少し大げさかもしれないが、夫である私には“長女の命を繋ぐ”任務があるのだ。

分娩台の上に寝ている長女が寝返りをうたないか気にしつつも、妻がいる分娩室を覗くと、ちょうどこれから新しい家族の頭部がいよいよ出てこようかというタイミング。


それにしても、ここに至るまでの過程の穏やかなこと。

長女を寝かせるためとはいえ、自分も一緒に寝てしまうくらい拍子抜けしてしまっていた。

当然、医師や助産師は緊張をもって妻の出産を無事終えるべく職務にあたっているだろうし、妻も人生でたった2度目の出来事に気を張っているに違いない。

それでも、あの時とは比べ物にならないくらい静かに時が流れているように感じた。

無痛分娩って、こんなにも余裕度が違うのか。

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長女の出産のときは、普通分娩だった。

この時も、次女の出産時と同様、破水したのがきっかけで車を走らせ病院に駆け込んだ。

朝の4時過ぎだった。

破水したものの、お昼を過ぎても一向に陣痛が来る気配がない。

陣痛促進剤の投与が始まる。

徐々に陣痛が始まる。

陣痛が来るたびに妻は病棟に響き渡るくらい大きな呻き声をあげた。

が、なかなか本陣痛は来ない。

だらだらと続く陣痛に妻のいら立ちが募る。

それを受けて、陣痛が来た時に爪を立てて私の左腕をぎゅっと握る妻の手に力がこもる。

妻の身体とメンタルが徐々にボロボロになっていく。

それに併せて、私の腕もボロボロになっていった。



夫婦の願いとは裏腹に、深夜になってもなお、本陣痛が来る気配は無い。

同じく陣痛を迎えて病院に駆け込んだ隣の陣痛待機室の妊婦さんは次から次へと入れ替わっていった。

どんどんどんどん先を越されていく。

いつになったら終わるんだろう。

辛そうな妻のそばにいると、15分おきにやってくる陣痛の際にこぶしをお尻を作ってお尻を押してあげることしかできないことに何とも言えない無力感を覚えた。

そして、妻が“いつ終わるとも判らない激痛に蝕まれるれている”のが何より苦痛だった。

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結局、次女の出産において、妻は一度も呻くことも叫ぶこともなかった。

やはり体力の消耗も少なかったようで、長女の出産後と比べても元気だった。

無痛分娩だったお陰で、“とても快適な出産だった”というのは、あの日から1年経った今でも私たち夫婦の共通の認識になっている。



無痛分娩という選択肢は、まだまだ一般的にはなっていないと感じる。

大きな理由の1つとして、“普通分娩より費用がかかること”、そもそも“無痛分娩を選択できる病院が少ない・専門の麻酔医が少ない”といったコスト・ハード面の障壁はあると思う。


ただ、それ以上に“子どもはお腹を痛めて産むべきだ。

それでこそ産後に子どもに愛情を持って接することができる”とか、“無痛分娩だと母乳が出にくくなる。

母乳育児こそ正なのに”といった、“呪い”が多くの夫婦から無痛分娩という選択肢を奪っているのではないか。

無痛分娩という選択肢が存在しなかった前世代から植え付けられている根拠の薄い呪い。(ほかでもない、私たち夫婦もこの呪いを避けるべく、親には無痛分娩での出産だったことは今でも隠している)

この“呪い”に対する科学的根拠を持った正しい反論が用意され、また、広まることで、もっともっと無痛分娩が一般的な選択肢として浸透してほしいと思う。

ライター:こんぺい父さん


※ この記事は2024年11月26日に再公開された記事です。

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連載「第一回 記事投稿コンテスト 『出産』」 #25
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