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公開 2018年11月01日  

「帝王切開は、立派なお産。」予定帝王切開で娘を出産し、感じたこと<投稿コンテストNo.41>

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赤ちゃんがこの方法を選んだのには、きっと理由がある。そう語るのは、予定帝王切開で娘さんを出産した、こっとんさんです。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10449000036

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皆さんにとっての「出産」は、どんなイメージですか?

スイカを鼻から出すような痛みや、長い陣痛。そんなイメージを思い浮かべる方が多いと思います。

妊娠中、同じようなイメージを持っていた私が実際に経験した出産は、「予定帝王切開」でした。

帝王切開は、立派なお産。


「逆子になってるね。」

仕事も産休に入り、予定日まで1ヶ月となった、12月半ばの検診。

コウノドリの主人公に似てるなぁとこっそり思っていた先生から、突然そう言われました。

「このままなおらないと、帝王切開だね。次回なおってなかったら、入院用の検査をしましょう。」

次の検診でも逆子判定。手術日の予約をすることに。

年明けが予定日だったのですが、病院のお正月休みの関係で、年内最後の平日に産むこととなりました。

突然年内になったことで慌ただしさはありましたが、日付がはっきり決まったことで、年末年始関係ない仕事の主人が休みを取ることができ、産んだあとにお世話になる予定だった実家の方も、受け入れ体制をバッチリ整えることができました。

帝王切開に決まったことに関しても、赤ちゃんが無事に生まれてくるならと、特にショックという訳ではありませんでした。

それなのに、病院の先生や助産師さんからしきりに言われたのは、

「まだ治るかもしれないよ」

「気を落とさないでね」

という言葉でした。

励まそうとしてくれたのだとはわかります。悪気がないのもわかります。

でも、その時の私は、

「帝王切開ってそんなに悪いことなのか?下から産まないとダメなのか?」

と、もんもんとしながらその言葉を聞いていました。


ネット上でも、帝王切開に対するマイナスなイメージは多く、下から産まないと母親になれないという考えを持っている人もいるのだと知りました。

そんなイメージを持っている人に、私が声を大にして伝えたいのは、

帝王切開、全く楽じゃないですよ!!!

ということです(笑)。


私の産んだ病院は、前日21時から絶食(飲み物はOK)、当日7:00以降は飲み物もNGで点滴スタート。

点滴をすれば大丈夫かと思いきや、喉は乾くしお腹も空くし……そのせいもあってか胃痛もスタート。

11:00過ぎ頃、手術室へ。

めっちゃ緊張。

手術服を脱がされ、背中と腰に麻酔を打つ。……意外と痛くない(笑)。

すごく痛いと聞いていたので拍子抜け。

採血する時くらいの痛みでした。


麻酔が効いているかチェックしてくれ、解剖されるカエルのような体制にされて、手術スタート。

何をやっているか全然見えず、痛みもありませんが、押されたりする感覚はある不思議な感じでした。

麻酔科医の方がとても良い人で、優しく世間話をしていてくれました。

20分程カチャカチャと音がしていたかと思うと、「そろそろ出ますよ」の声。

下半身だけバランスボールに乗って揺れているような感覚のあと、文字通りぽんっと赤ちゃんが出てきた感じがあり、直後に「おぎゃあ」と泣き声が聞こえました。

その声を聞いた瞬間、自然と涙腺が緩みました。

確かに自分から人が産まれたんだという、強い実感がわいてきました。

「自分から飛び出してきましたよ」

と、笑いながら助産師さんが見せてくれた娘は、思ったより大きくて、こんな子がお腹に入ってたのか……鼻が私にそっくり……と思った記憶があります。


実際には2682gとそこまで大きくはなく、あとでもう一度対面した時は小さかったのですが、あの瞬間はとても大きく見えました。今でも不思議です。


手術後の数日間は……本当にきつかったです。

寝返りなんて打てないし、貧血、胃痛、傷の痛み、後陣痛でどこが痛いのかわからないし、その上、回復のためにすぐに歩かないといけませんでした。

色んな痛みがすごくて熱まで出した程です。

あまりのしんどさに眠れない中、

「誰だよ、帝王切開楽とか言ったの……!」

と、毒づいておりました(笑)。

なんとか歩けるまでになった、退院前日。

退院前の診察で、帝王切開で良かったと思えた出来事がありました。

私は、年齢の割にはなかなか妊娠せず、あまりにもできないようなら病院に行こうかなぁと思っていた矢先の妊娠だったのですが、今回帝王切開になったことで、卵管が片方詰まっていることが判明したのです!

先生からは、

「もしかしたら二人目不妊になるかもしれません。ただ、今回たまたま切って実際に見れたので、対応はしやすいと思います。もしなかなか妊娠しなかったら言ってくださいね」

と、言われました。

動きにくいはずの臨月に突然逆子になった娘。

実は、なぜ逆子だったのか、最後まで分からなかったんです。

もしかしたら、お母さんに教える為に、わざと逆子になってくれたのかも。

そう思ったら涙が出てきました。

きっと、自分で選んでくれたのだと思います。


帝王切開になって、下から埋めないことで落ち込んでしまっているプレママさん、大丈夫です!

私は自然分娩を経験していませんが、痛みの一括払いが自然分娩、分割払いが帝王切開という認識をしています。

結局どっちも痛いんです。

出てくるところが下か上かって言いますが、 10センチも変わらないんです。

あなたはこれから、自然分娩の人と同じ痛みを、分割払いで体感するだけなんです。十分しんどいです(笑)。嫌でも母親になる実感がわきます(笑)。

そして、予定が組みやすかったり、心の準備ができたり、良いこともたくさんあります。

帝王切開は、立派なお産です。

赤ちゃんがこの方法を選んだのには、きっと理由があるんだと私は思います。

自信を持ってくださいね。

この記事で、帝王切開へのイメージが、少しでも変わりますように。


ライター:こっとん

※ この記事は2024年10月07日に再公開された記事です。

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