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公開 2018年11月07日  

立会い出産を経て、実母が初めて口にした「本当の気持ち」<投稿コンテストNo.62>

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里帰り出産をしたゆもちさん。実母に立ち合ってもらったことをきっかけに、今までの母娘関係に変化が生じてきたと言います。母になって改めて感じるようになったこととは……?


>【第一話】から読む


私が第一子を授かったのは4年前です。

両家の実家が遠方で

初めての出産に不安があったので

実家へ里帰り出産する事にしました。


自宅から片道5時間。

当然主人は出産に立ち会う事は出来ず

実母が立ち会ってくれました。


本陣痛が始まってから3時間のスピード出産でしたが

泣き、叫び、吐き、笑い、かなり取り乱しました。

その様子をずっと側で見て

一緒笑い、泣き、励ましながら付き添ってくれた母は

赤ちゃんが生まれた瞬間、私以上に大泣きし

「よく頑張った!立派や!元気な子や!よく頑張った!」

と、ひたすらに私を褒めてくれました。

それはもう恥かしくなるくらい

何度も何度も褒めくれました。


退院して実家にお世話になって暫く

親戚のお姉さんがお祝いに来てくれました

お姉さんには娘が2人、息子が1人います。

暫く会話をしてから私は

授乳の為、リビングに隣接する和室へ移動しました。

すると

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普段、愛情表現の苦手な実母から

初めてはっきり「娘が大事」だと言われた事に

授乳しながら思わず泣いてしまいました。


出産は命懸けのもの。

私自身はただ我が子に会いたい一心でしたが、

母にとっては、孫が生まれる喜びの前に

「我が子を失うかもしれない」という恐怖との戦いだったんだな…

それを側で見るのは辛かっただろうな…と、

母の気持ちを思うと更に涙がこみ上げてきました。


私は母を尊敬していますが

特別仲が良かった訳ではありません。

学生の時も、就職してからも

親元を離れていましたが、普段は連絡を取らず

年に1、2回帰省するだけでした。

しかし、出産に立ち会ってもらい

母の気持ちを聞けたことで、距離がグッと縮まり

今ではまめに連絡を取り合っています!

時には「娘」として甘えさせてもらい

時には「親」として対等に相談し合ったり

とてもいい関係になりました。



子どが生まれてからというもの

あらゆる場面で

「命に代えてもこの子達を守る」と思う事があります。

正直、子どもを授かる前は臭いセリフだと思っていました。

しかし、親になると、本心からそう思えます。


もし万が一の場面に遭遇した場合

私は母として、迷わず命を差し出すでしょう。


しかしその前に、私は娘として

万が一が起こらないように全力を尽くさないといけない

とも思うようになりました。

「我が子を失いたくない」という気持ちは

我が子がいくつになろうとも

全ての親が思う事。

私は日々全力で我が子を守りながら

全力で、母より長生きしなければ……と思うのです。


長男が生まれる瞬間

無我夢中で掴んだ

震える母の手を想いながら……。


・ライター:ゆもち


※ この記事は2024年05月06日に再公開された記事です。

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連載「第一回 記事投稿コンテスト 『出産』」 #62
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