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公開 2018年11月15日  

食欲に勝てない…。体重コントロールの大切さを実感したお産 <投稿コンテストNo.87>

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里帰りで美味しいご飯を食べ、病院で出されたご飯も美味しく食べ、体重が増加してしまったおくらさんの出産エピソードです。

出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10323000062

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私は体力になぜか自信がありました。

力仕事や動き回ることが多い職場で丸5年勤めてきたからです。

妊娠がわかってからも悪阻も軽い方でバリバリ仕事ができました。

おかげで体力向上!体重キープ!経過良好!諸先輩方にも「絶対安産だね!」と太鼓判をいただき「ポーンと産んできます!」などと言っては笑ってました。


後にその自信が私を苦しめることになりました。


産休に入ってすぐ、里帰り出産のため実家へと帰りました。

そこで私を待っていたのは、あらゆる家事からの解放です!

実母に甘えてありがたく私はただただ美味しいご飯を食べ、運動もせずただただ寝る。

そんな日々を送りました。


そして2週間後、妊婦検診へ。

体重が3㎏増加。

「これ以上増やさないようにね〜」と担当の美人先生がすこし苦笑い。

さすがに反省して家に帰った私ですが、この日の夕飯は大好きなカレーでした。皆まで言いません。


出産3日前。

39週の検診へ。

さらに2㎏増加。

先生と私の間に小さな沈黙が流れました、ごめんなさい…。

ただ子宮口は1cmで柔らかく、体重以外は順調でした。

あとは陣痛を待つだけに。

太ったけれど私には体力があるから大丈夫!まだそう思っていました。


出産2日前。

私は何を思ったのか急に思い立ち、陣痛ジンクスのスクワット20回を6セット、1日かけてやりました。


出産前日。

朝8時、起きるとおしるしが!すぐにお腹も張り始め、念のため陣痛カウントを開始。

すると間隔は15~40分とまばらながらも痛みが続きました。

いよいよ始まるのかとドキドキしつつ、夜までは心身共に余裕でした。

これくらいの痛みなら病院食食べられそう!と持参予定の大量のエネルギー補給ゼリーをたった1個だけに減らしました。

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出産当日。

0時過ぎにやっと間隔が7〜10分になったところで病院に電話をし、かけつけた旦那と病院に向かいました。

内診すると子宮口は4cm。

そのまま入院が決定し仮眠をとることになりましたが、痛みでなかなか寝つけませんでした。


6時頃起床。

細切れ睡眠の割にはすこしは休めました。

間隔は5分で再び内診。

すると子宮口は7cmに!もう産まれるんじゃない!?と私は大きな期待を胸にLDR室へと移動しました。

ですがやはりそんな簡単には産まれることはなく、時間だけが激痛と共に過ぎるだけでした…。


9時頃の内診で子宮口はまだ8cm、加えて赤ちゃんが降りて来ていないからと、ベッドから陣痛イスへと移動しました。

重力で降りてこさせる作戦です。

ですが、そこからあろうことか間隔が5〜10分と長くなってしまいました。

私は眠気もピークで体力は半分以下に。

旦那曰く何度もイスから崩れ落ちそうになっていたそうです。

それでも赤ちゃんが降りてくることを信じ、陣痛に耐え続けました。


気づけば12時になっていました。

間隔は5〜10分と一向に縮まる気配はありません。

昼ご飯は食べる気力もなく、旦那の胃袋へ消えて行きました。

代わりに例のエネルギー補給ゼリーを飲みました。

流動食万歳です。生き返った気分でした。

ただその1個だけでは全く満たされず、あのとき荷物から減らしたことは大大大失敗でした。

すぐ旦那に買い足しに行ってもらったものの、その間1人で痛みと戦い、余計に体力を使いました。


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そして再び内診。

子宮口は変わらず8cm、赤ちゃんも降りてきていない。

先生は微弱陣痛と判断し、「促進剤を打ちましょう」と旦那にも説明を始めました。

これ以上の痛みに耐えられなかった私は先生に「無痛分娩か帝王切開してくださいもう限界です…」とやっとの声で訴えかけるも「もうすこしだからね」とやんわり流され、旦那もためらいもなく同意書にすらすらサインしました。


13時頃、無情にも促進剤投与開始。

10分もしないうちに効果は現れました。

それまでは「痛い…」と呟く程度でしたが「痛い痛い痛い!!!」と急に叫び始めるほどの激痛が走るようになりました。

そんな痛みに耐えてるときに、私の家族が「そろそろ産まれた?」とこぞってLDR室に現れました。

産まれてない!と怒りたいところでしたがそんな声も出ず、ひとまず帰ってもらいました。

するとそれまで旦那はずっと私の腰をさすり、手を握って優しく声かけしてくれていたのに、呑気な家族にあてられたのか「もうヒルナ○デス終わっちゃうよ〜」なんて声をかけてくるようになりました。

私だって早く産みたいわ!ふざけんな!と暴言をはきたいところでしたが、ここも声は出ず、両手に気持ちを代弁してもらいました。

旦那は指輪が食い込んで相当痛かったそうです。

伝わってよかったです。握力は健在。


14時頃、間隔は1~3分ほどで、もう泣く寸前でした。

そこで内診するとやっと子宮口はほぼ全開。

「もう赤ちゃん降りてきてるね!産もう!」先生のその声で、ベッドが分娩台へと形を変え、いよいよいきみ始めます。

「次の痛みきたら教えてね!」「声出さないよー!」「腰浮かさない!」「おへそ見てー!」「その調子!上手ですよー!」とたくさんの声が聞こえてくる中、頑張っていきむけれど、なかなか出てきませんでした。

呼吸を整える前に勝手にへたくそないきみをしたせいもあって、体力はほぼゼロに。酸素マスクまで取り付けられました。

さらに遠いところから「ホギャーホギャー!」と別の赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた途端、なんで私の子はでてきてくれないの?もう嫌だ、無理だ、と心までも折れかけました。


そんなとき、ひとりの助産師さんが横から私の背中に腕を入れて来ました。

「次私の腕を潰すように背中つけていきんで!」と言われました。

私の両手はすでに旦那の手からベッドサイドの持ち手に移っていたため、唯一の人の温もりにとても安心しました。

それからその通りに数回いきむとバシャン!と大きな音を立て破水しました。


そこからはあっという間。

みんなに励ましてもらいながら、最後はドュルン!と勢いよく赤ちゃんが出てきました。

3102gの元気な男の子でした。

やっと会えた我が子はずっしりと重く、温かかったです。


初めての出産は、ゴールが全く見えず辛い時間が多かったですが、達成感、安堵感、幸福感、感謝の気持ち、たくさんのものが辛い時間を包んでくれ、かけがえのない思い出として残りました。


そして改めて振り返って見て、出産は体力勝負だと身をもって実感しました。

私の場合、そもそも太りすぎて余分な脂肪がつき、運動もせず体力も低下したことで、お産が長引いたのだと思っています。


これから出産を控えている方には、余分に食べ過ぎず、自分の体力を過信せずにできる範囲で運動することを勧めます。

ぜひベストな状態で出産に挑んでいただきたいです。

そして、流動食は多めに持参することも強く勧めます!


ちなみに、最後まで立ち会ってくれた旦那は、後半私が苦しむ姿を見て泣いてしまったそうです。

滅多に泣かない旦那は「本当にお疲れ様、ありがとう。」と何度も言ってくれました。

私こそ感謝でいっぱいです。

今後はそんな優しい旦那と可愛い息子と笑顔溢れる家庭を築いていこうと思います。

ライター:おくら

※ この記事は2024年10月13日に再公開された記事です。

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連載「第一回 記事投稿コンテスト 『出産』」 #87
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