世の中には2パターンのパパしか存在しない。育児に協力的なパパと、そうでないパパだ。
妻の希望もあり、里帰り出産という選択をとらなかった私たちは、ママさんと私の2人のマンパワーで、育児をしなければならないという状況にありました。
そんな中でしたので、前者のパパでありたいと願った私は、産後1ヶ月間、「時短テレワーク」という働き方を会社に申請をし、原則自宅勤務をしながら、家のサポートもするという働き方にチャレンジをしたのです。
1ヶ月という短い期間ではありますが、ママさんと赤ちゃんとそばにいながら、「私にできることってなんなんだろうか??」と思案を繰り返してきました。
そんな私が思う、「結局パパって何をすべきなんだろう?」の答えは、「ママのケアをすること」。
当たり前!!と思われると思いますが、あえて当たり前のことを声を大にして……今日はそのことを書いてみようと思うのです。
それは「生まれたての赤ちゃんにとっては、おっぱいこそが最大の生命源」だからです。
そしてパパはおっぱいをあげることができない。おっぱいはママさんにしかあげることができないのです。だから、パパはおっぱいをあげられるママさんのサポーターに徹するべきだというのが、私のシンプルな結論でした。
(※ミルクや混合など、母乳でなければならないことはもちろんないと思います。我が家でもミルクをあげるときもありましたし。
ただやっぱり母乳じゃないと飲まない、寝付かないなどの事態はやはりありました。
精神安定剤的な役割もあったようで、その意味でおっぱいこそがトッププライオリティだという前提でお話を進めさせていただきます。)
時短勤務していたとはいえ、どうしても夜中に仕事をしないといけないときもありました。
そんなとき何をやっても泣き止まない!寝付かない!というとき、寝ていたママを起こしてしまい、母乳で寝かしつけるということがあり。そんなとき私は痛感したのです。
「私には赤ちゃんのクレームに応えるための武器はないのだ」と。
赤ちゃんの最大のクレーム対応ができるのはママなのだと。赤ちゃんもそれを求めているのだと。だからこそ「ママのケア」こそがパパがやるべきミッションなのだと。
では何ができるか。私が思うこと、やったことは二つ。
【1】ママの睡眠時間を1分でも多くつくってあげること
【2】おっぱい以外の家事・育児をすべて巻き取ること
産後のママさんは2時間ごとに起こされてはおっぱいを提供しを繰り返すことに。必然、睡眠は分断……。これはもう逃れることのない、エンドレスの顧客対応、ブラック企業の労働である。
そんな中でパパにできること、それは可能なら「5時間ほど睡眠を定期的にとらせてあげること」だ。
そのためにクリアしなければならない問題が二つある。
一つは「2時間おきにおっぱい問題」。そして「寝ない問題」だ。
まず前者は、我が家では搾乳(orミルク)でクリアをしました。計画的に睡眠時間を取ってもらうために、赤ちゃんが起きたらあらかじめ冷凍しておいた搾乳を温め差し上げる。その間ママさんにはゆっくり長く睡眠をとってもらう。
そしてもうひとつ「寝ない問題」。
これはもう寝るまで付き合ってあげる、最悪寝なくても泣かないように付き合ってあげることでママさんの睡眠時間を確保することができる。
自分の睡眠時間は二の次となるときもあるわけだが、家庭ではパパさんのヒエラルキーは下位層なのだと、自覚して我慢するときは我慢しなければならない。
おっぱいという武器を持たない私たちパパの最大の貢献は、自明だが、「おっぱい以外」である。
ゴミ回収、ゴミ捨て、買い物、洗濯、洗濯たたみ、寝かしつけ、料理、食器洗い、おむつ替え、沐浴、など、「おっぱい以外」の全てだ。
そしてこの際、大事になってくるのは「家事と育児をそれぞれこなす」ではなく、「家事&育児を同時にさばく」ことだ。なぜなら赤ちゃんは私のお皿洗いが終わるまで静かに待ってはくれないからだ。
家事をやる、や、育児をやるという単発ではママの手を休ませることはできない。家事と育児を同時にこなす。これをやって初めてママさんをおっぱい以外から解放し、少し長い睡眠へと誘うことができるのだ。
上記の事を1ヶ月間なんとかかんとかこなしたのだが、振り返ると自身への負担もそう軽いものではなかったなと……。
ときにママさんからの「皿洗いが甘い!!」や「お風呂の掃除が甘い!」など高い要望が降ってきたりもするわけで、心身おだやかにずっと過ごせていたかというとそんなことはなかったです。
こうなると私も人間なので「いや私だって仕事もある中でここまでやってるんだから!」とか言いたくなることが多々あり、寸前まで言葉が出そうになることもありました。
しかしそんな時私はできる限り努めて冷静になるように心がけていました。
私とママさんは守備範囲が違うわけで、守備範囲が違う者同士で、俺は!私は!と主張しても意味がないなと思ったりするのです。
土俵が違う中で主張をしあっても何の問題も解決しないばかりか、限りある体力・気力を言い争いに費やしたりしてしまうことになるわけです。少しの余力も残しておきたい中で生産性が高い態度とは言えないなと。
そこで私たちが大事にしていたのは、「いつもありがとう」という労いの言葉です。
双方を敬いお互いに労いあうということ。どちらか一方が、だけではうまくいきません。また意識だけでも感情が優先されうまくいかないでしょう。
私たちは家族のルールを決め、毎週1回の家族会議の場を設け、必ず(強制的に必ずです!)冒頭でお互いを労いあうということを欠かさずにやっていました。
お互いが家庭や仕事などお互いの立場で上下の関係をつくるのではなく、ともに家族を築いていくパートナーであるという視点で、お互いがお互いを労いあうということ。
まさにこの関係性を創っていくことが、一番大事だったなと思います。
パパもママも親ですが、一人の弱い人間なので、これから出産を迎えられるご家族には、そこを認め合って尊重し合える関係性をぜひ大切にしていっていただけたらなぁと願っております。
ライター:亀井