第一子が生まれたあと引っ越しをしたので、第二子出産はまたイチからの産院選び。
前回出産時のトラブルに肝を冷やした経験から、万全を期した設備のある大きな総合病院を選びました。
私は第二子の出産には「セミオープンシステム」を利用。
セミオープンシステムは、基本的に妊娠中は近くの婦人科のみあるような病院で検診を受け、時々総合病院に出向き、出産は総合病院でできる仕組みです。
病院に到着してまず、分娩室の多さにびっくり。
それぞれの分娩室の前には札が掛かっていて、お産中の人がいる場合はひと目でわかるようになっています。
しかし、このときは看護師さんの「空いている」の言葉通り、入っている札が見えたのも一部屋だけ。
廊下は静かでした。
中庭があったのを思い出して、爽やかな風を感じるために……痛みに耐え、歩みを進めます。
(色んな理由ですごい顔)
午前中は痛みをしのぎつつ、のろのろと敷地内を歩き回りました。
午後になって若干、陣痛間隔が短くなってきたため、陣痛室に移動。
しかし、そこで娘の寝かしつけを頑張る展開に。
イミガワカラナイヨ(白目)。
15時過ぎ、急にお産が進み始めました。
せっかく寝そうだった娘をうめき声で起こしてしまい「無駄無駄無駄ァァァ!!!」の声が脳裏にこだま……した気がします。
ナースコールして車椅子に乗せられ、移動します。
するとなんと……
明け方はあんなに静かだった分娩室前の廊下に、沢山のうめき声&叫び声が響いているーーーーー!!!
これが噂に聞く潮の満ち引き!?
ズラッと並ぶ分娩室の多くに「使用中」の札がかかっているのが目に入りました。
私も運びこまれ、次々にお医者さんや助産師さんが来てくれます。
が、なんか妙に入れ替わりが激しい。
あっ……これ……
人手少なめ?
GWが関係するのか、混み合っている陣痛室のせいなのか。
しかも途中、緊急事態らしき連絡を受け慌てて走って退室する看護師さんも。
ほぼ一人の看護師さんに見守られる私。
最初から感じてたんだけど……経過の悪くない経産婦だと、急にお産が進むこと意外は心配されず、「だいたいわかるよね?」って思われてる感がすごいある!!
「なぜかお産のプロに信頼されている感」には勇気づけられました。
そう……私は経産婦……頑張るしかない……!
ちなみにこの時私はいきみ逃しのために頻繁に姿勢を変えていました。
その度に「す、みませ、ん」と発していたら助産師さんが「姿勢を変えることは赤ちゃんの回旋を助けると言われていますから私達のことは気にしないで大丈夫ですよ」と声をかけてくれました。救われる思い……。
しかし、
「全開大まであと少しだよ!9cmかな~~!」と言われたタイミングで、痛恨のミスが災いすることに……。
補足すると、実は私、出掛けに誤ってペットボトル用のストローを置いて来てしまったんです。
ペットボトルは近くにある。
しかし、四つん這いなう。
立会いとは言え夫は目が不自由なので、ペットボトルの蓋を開けてと頼むなら「ベッドの位置からペットボトルの場所まで詳細な位置の説明をリアルタイムで細かく説明」しなければならない……。
そんな細かい言語化能力はすでに失っている!!!
もうすぐ子宮口全開大、看護師さんは一人……
やるしか……ないっ!!!
という判断でした。
たまたま入室してきた看護師さんがいたので、娘と夫はアテンドされて出て行き、そこからお産がぐん!と進み、わずか数分で息子が誕生しました。
久しぶりの新生児の小ささ、柔らかさ、可愛さは圧倒的……!!
が、結果的に陣痛の波が来た時、気兼ねなく声を上げられたし良かったと思います(汗)。
事前に「娘が驚いたり怖がる様子があれば、早々に立会い出産は見送ろう」と話していました。
娘は全然そんな様子がなかったので最終段階まで一緒にいたものの……
私の方が気を使っていたのかも。
少しして夫と娘が呼ばれて戻って来、夫は立合いできなくて少し残念そう。
生まれる瞬間を収めるつもりだったビデオカメラで、生まれたての息子の様子と「羊膜もキレイだよ~」と見せてもらった胎盤の様子を収めました。
看護師さんが羊膜を広げて見せてくれ、この中に入ってるんだよーと。
やっぱり、お産が立て込んで人手が足りなかったんだと思う!!!
病棟までそんなに長い移動ではないとは言え、看護師さんがたった一人で。
重い車椅子の私とベビーコットに細心の注意を払いながら、少~~~しずつ移動してくれました。
病棟に入ってすぐのところに面会スペースがあり、面会時間内だったのでかなり沢山の人がいました。
当然ながら「金のがちょう行列」は注目の的に……。
当時は恥ずかしいやら、そもそも「娘と離れる初めての夜」を思って悲しいやらだったのですが、今思うとシュール(笑)。
いい思い出です。
息子のほわほわの頬を何度も撫で、二人目の子が生まれた喜びを噛み締めて夜を過ごしました。
チャンスがあれば、もう一人産みたいなぁ。
ちなみに、病棟には「あれ!?ここ昭和のベビーブームかな!?」というほど沢山の赤ちゃんがいて、改めてスタッフの方々の奮闘を感じました。
ライター:中川マナ