運動会、春の登山、夏祭り、クリスマス、お正月の餅つき……。
子どもたちが小さいうちは、親がイベントに参加するのは喜んでくれるので、保育園の頃は、可能な限り役員に立候補していました。
保育園のお祭りで、子どもたちのヒーローになった私
3,879 View仕事が忙しいと、つい敬遠しがちな保育園の役員ですが、これがやってみたらけっこう楽しい。先生や他の親御さんとも仲良くなれるし、意外に貴重な経験ができたりもするんです。
出典:http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10250000496保育園のイベントは親の出番も頻繁!
役員になったはいいけど……。劇のキャスティングで問題発生!
毎年夏祭りでは、年長クラスの親たちによる「ゴレンジャーショー」が恒例なんです。
レッド、ブルー、グリーン、イエロー、ピンクのレンジャー衣装に身を包んだパパやママが、悪者の衣装に身を包んだパパたちをやっつける。脚本から演出、出演まで親たちによる手作りの劇を披露していました。
年長クラスの役員代表だったので、張り切っていた私。
他の役員ママが作ってくれた脚本をもとに、セリフを決め、場面ごとに合う音楽を用意するなど、着々と準備を進めていきました。
難関はキャスティング。無理やりではなく、楽しむ気持ちで引き受けてもらいたいと思っていました。
割とピッタリするレンジャーの衣装は、ママたちにとってはちょっと恥ずかしいこともあり、これまではパパが引き受けることが多かったレンジャーや悪者。ピンクレンジャーになったパパは胸に詰め物をしたりしていました。
だけど、ピンクを細身のパパにお願いしたところ、そのうちのママから、「パパがピンクレンジャーをするかも……と子どもにちらっと話したら、『キモイ』と言われた」と聞いたのです。
「やっぱり、パパにピンクは気の毒かなぁ……」
そんな感情の裏で、何か私の中でムクムクと湧き上がってくるものがありました。
「やってもいいんじゃない?ピンク」「ていうか、むしろやってみたいかもしれない……」
高校の時に、創作ダンスの授業でステージ上でワカメになり切ったこともある私。才能は別にして、目立つことはそんなに嫌いではなかったのです。
結果、私はもう一人のママを誘って、レンジャーになることにしました。
いつか見たテレビのレンジャーと同じ、イエローとピンクが女性です。
もう一人のママがイエロー。昔やっていた新体操を活かして、リボンを使って敵を翻弄する華麗なるレンジャーです。
最初にピンクをお願いしていた細身のパパには、ダンスが得意なかっこいいレッドを再依頼。
ピンクは私。特に得意なものがないので、料理好きなレンジャーという設定で、エプロンをつけ、おたまを武器に持つことにしました。
キャスティングが決まればみんなノリノリで、練習にもずいぶんと熱が入りました。
内容は……あまりないので割愛しますが、初めは敵対していたレンジャーと悪者が、すったもんだの末に仲良くなって一緒に歌を歌って終わる……というお話。
初めは、仕事終わりの練習で疲れた様子も見せていたパパたちですが、次第に練習に熱が入り、楽しい雰囲気になってきました。
何度か練習を重ね、とうとう夏祭り当日。
ついに本番!!一番楽しんでいたのはパパママかも?
こっそりと衣装を身に着け、子どもたちに見つからないように隠れて待つ時の緊張感!!
音楽が鳴り始めて、レンジャーが一人ずつ飛び跳ねながらハイテンションで登場です。
「子どもたちに喜んでもらえたら」という気持ちで始めたけど、ふたを開けてみるとそれぞれ、びっくりするほど弾けていました。
以前は送り迎えでたまに挨拶する程度、もしくは全く知らなかったパパやママと、いっときでも部活動のような楽しい時間が持てました。
〇〇ちゃんのママ、パパというより、もっと分かり合えたようでとても充実した気持ちになれました。
レンジャーの仮面から透けて見える子どもたちの顔が笑っています。握手を求められ、調子に乗って戻ってくる頃には汗だく。やり切った充実感がありました。
思ったよりも、自分自身がとても楽しかった!
娘も「あれ、実はおママだったんだよね、ピンク」と話す時、とても嬉しそうなのです。
彼女にとっても、普段の母親とは別の顔が見れたことは、良い思い出になったようでした。
保育園の役員も、楽しめばいい思い出に
働いている親にとって、保育園の役員なんて「忙しいし、疲れているからおっくうだな……」と感じてしまうのも自然なこと。
それでも、「ちょっとやってみたいな」と思ったら、無理のない範囲で引き受けてみてもいい。
もしも全部はできなくても、一生懸命やっていれば誰も責めたりしないはず。
何でも一度きりの経験なら、やるからには楽しみたい。
そんな親の姿が、子どもたちの記憶の片隅に残ればいいなと思うのです。
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