【医師監修】赤ちゃんがわが家にやってきた!新生児のお世話と気をつけるべきこと
6,610 View初めての赤ちゃんを産んだばかりのママは、子育て初心者。起きることの1つ1つが、今まで経験した事のない、一大事です。
「どんな事に気を付けたら良いの?」「外出はいつからOK?」「ミルクや母乳のアレコレ」や「沐浴が上手にできない」など、新生児期間の育児に対する不安や悩みにおこたえします。<監修: すずきこどもクリニック 鈴木 幹啓院長>
新生児とは
生まれたばかりの赤ちゃんを「新生児』と呼びます。
その期間はとても短く、生後28日を経過すると「新生児」から「乳児」と呼び方も変化し、生後1年を過ぎると「幼児」と呼ばれる様になります。
また、生後7日未満の赤ちゃんを「早期新生児」と呼んだり、新生児期間を含む生まれてから小学校に上がるまでの期間を「乳幼児」と呼ぶ事もあり、人や場面で呼び方は多少異なります。
新生児の期間は?
母子保健法では出生からの経過期間により「新生児」と呼ばれる期間を、生後28日未内の乳児と定めています。
また、生後1ヶ月が過ぎると、赤ちゃんの栄養状態や発育、知能運動の発達をチェックする『乳児検診』や、赤ちゃんの誕生を祝い、健やかな成長を祈るお宮参りも行われます。
ちなみにお宮参りは男の子が生後31日目、女の子は生後32目が良いとされています。
『新生児期』が終わる生後28日前後が、赤ちゃんが出生後の環境に慣れ、成長を感じる一つの目安の期間と言えるかもしれません。
新生児の育児で気をつけたいこと
新生児期は生まれたばかりで、外の環境に慣れようとがんばっている時。
まだまだ体力がなく、免疫力も低いため、感染症にもかかりやすい時期です。
そんな新生児期に見られる症状や、特に注意が必要なことについてご紹介していきたいと思います。
新生児黄疸
『黄疸』とは皮膚や白目が黄色く見えることを意味し、新生児に表れやすい症状の1つです。
この症状は血液中の『ビリルビン』の値が高くなる事で起こり、まず最初に白眼が黄色くなり、次に皮膚が黄色くなります。
予定日頃に生まれた新生児の約半数以上が1週間以内に『黄疸』の症状を発症します。
一般的には生後2~3日頃から症状が見え始め、4~5日頃ピークになり、以後減少し、7~10日後には『黄疸』の症状は消えていきますので、特別な治療を行う必要はありません。
母乳を飲むと黄疸が長く続いてしまうことがあり、これを母乳性黄疸といいます。だからといって母乳がいけないわけではありません。
母乳育児でも1カ月くらいで黄疸はおさまると言われてます。
それ以上続く場合や、母乳育児でなくても、赤ちゃんに元気がなかったり、おっぱいや哺乳瓶を吸う力が弱い、白い便が出たなどが見られる場合は、病院に相談してみましょう。
SIDS(乳幼児突然死症候群)
『SIDS』は元気だった赤ちゃんが、窒息などの事故ではなく、眠っている間に突然死んでしまう病気で、平成29年では乳児期の死亡原因第4位となっています。
原因は解明されていませんが、以下の3つに気を付ける事で、発症率が低くなるという研究結果があります。
・うつぶせ寝を避け、あおむけに寝かせる
・出来るだけ母乳で育てる
・たばこをやめる
たばこに関しては、妊娠中の妊婦さんの喫煙が体内の赤ちゃんに影響を及ぼすことはもちろんですが、身近な人の喫煙や赤ちゃんのそばでの喫煙も影響を及ぼすので、日頃から喫煙者には協力を求めましょう。
便秘
新生児はほとんどの時間眠っているか、仰向けの姿勢で過ごしている為、運動不足により便秘になりやすい傾向です。
また、母乳よりも粉ミルクを飲む赤ちゃんのほうが便秘になりやすいと言われています。
ただ、赤ちゃんの場合、うんちの回数には個人差があり、1日に何回もする子もいれば、2~3日に1回しかしない子もいるので、『何日出ていないか』ではなく、
・下腹部の張り
・母乳やミルクを飲む量の減少
・機嫌の良し悪し
などから便秘かどうかを判断した方が良いでしょう。
また、うんちが固かったり、うんちをする時に苦しそうにしている場合も便秘の可能性がありますので、状態を観察する事も大切です。
乳児湿疹
『乳児湿疹』には『良性型』と『慢性型』の2タイプがあり、新生児の時期に現れる『新生児ざ瘡』の様に、2~3週間で消える物は『良性型』と呼ばれています。
対する『慢性型』の乳児湿疹は、アトピー性皮膚炎に変わる傾向があり、赤みが強い・くっつきあって盛り上がっている・台形状やリング状になる等の特徴があり、ほほや耳の前後・ひたい・あごにでき、その後胸や肩・腕に広がっていきます。
手で触るとざらざらしている、湿疹が4ヶ月を過ぎても治らない等の症状がある場合や、耳の前に早くから湿疹ができてくる子は慢性傾向があるため、注意が必要です。
その場合は、早めに病院で相談してみましょう。
新生児の沐浴の方法
生まれたばかりの赤ちゃんは体力がなく、長い間お湯につかると疲れてしまう為、3~5分を目安に沐浴するのが望ましいでしょう。
また、赤ちゃんにとって1番気持ちが良い温度は、羊水と同じ37~38度とされています。
適温が分かりにくい場合は、湯温計を使うと便利です。
沐浴中に耳や鼻にお湯が入ってしまった場合は、慌てず綿棒や布などでゆっくりふき取ってあげれば問題ありません。
母乳やミルクはどのくらいあげる?
『母乳』の場合は赤ちゃんが欲しがるだけ・欲しがるタイミングであげて大丈夫です。
『ミルク』の場合は母乳に比べて消化吸収が遅く、お腹がすきにくいので、適正量・時間を守って飲ませる必要があります。
基本的な目安は1日6~8回程度(3時間以上、間を空ける)とされています。
1日に与えるミルク量の目安は生後の週数・体重によっても違うため、各メーカーのミルクに記載されている使用量を見て使用して下さい。
ただ、新生児は哺乳力が弱く、1回に多くの量を飲めない事も珍しくないため、「何時間おきに飲ませなくてはいけない」「これだけの量を飲ませなくてはいけない」と思う必要はありません。
間隔や1日の回数はあくまでも目安なので、その子その子に合わせて調節してあげる事も大切です。
心配や不安も沢山あるけれど、何よりも今しかない時間を楽しむ事が大切!!
ここまで様々な事を紹介してきましたが、これはあくまでも一例。
初めてだらけの子育ては心配も不安もいっぱいですが、やっていく中で自分のやりやすい育児の方法を見つけるのがベストだと思います。
たった1ヶ月しかない新生児の期間。かわいい我が子の、今しかない瞬間をしっかり目に焼き付けて、思う存分、新生児育児を楽しんでくださいね。
【監修】鈴木 幹啓先生
<プロフィール>
日本小児科学会認定小児科専門医、すずきこどもクリニック院長を務める。
すずきこどもクリニック(https://www.suzukikodomo.jp/)
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