お手伝いは自立だけでないパワーがある!「2歳時に子ども用包丁をプレゼント」その3年後の話。
41,030 View思い切って2歳の娘に子ども包丁をプレゼントしたらどうなった!?お手伝いってこんなにいいことあるんです。
初めての包丁とエプロン 自分も家族の一員だという意識づけに
お手伝いには早いかと思いましたが、2歳の時に、エプロンと子ども用の包丁をプレゼント。
最初は怖々使っていましたが、後ろから手を包んで、包丁の持ち方や手の添え方を教えました。
お手伝いについては、
「あなたは大切な我が家の一員です。今は、パパやママがお家のことをやっているけれど、一緒にできるように練習しようね」
と声がけをしていました。
子どもは、一員として認められたのが誇らしかったようで、(あちこちたくさん汚し、いろいろなものを壊しながら)お手伝いを続けました。
忙殺される日々と主人の涙
その後は、火を使う以外の基本動作をいろいろ教えていきました。
キッチンに立ってその日のことをのんびり話しながら―。
実は、最初からこんなだったわけではありません。
マスコミと言う職業柄、徹夜続きで忙殺されて余裕をなくし、惣菜を買ったりすることも。ただ、主人はとにかく子どもに寄り添う人。
彼も激務でいよいよ手が回らなくなった時、
「今日、ママの手料理じゃないと食べたくないと言っていた。俺のことはいい、子どものことだけはどうかお願いします」
と、涙ながらに頭を下げられたのです。
情けなくて自分も涙が出ました。このころは、産前よりパフォ―マンスを上げなくては、と焦って仕事でも空回り。育児や家事もうまく回せず―。腹をくくり、大好きな仕事と育児のバランスを見直そうと決断しました。
「食べることは生きること」料理の時間を子育てにいろいろ活用
食育についていろいろ学ぶうち、食べるものは、身体をつくるだけでなく、脳の機能まで左右するのだと知りました。
そして
「食べることは生きること」
そんな基本的なことを改めて思い出したのです。
そんなわけで、あえて「毎日お弁当」の幼稚園を選びました。
家での食事は、夕飯作りの時に平行して常備菜を作り置き、家に「母の味」が常に置かれているよう自分なりに努力ました。
一緒に料理をする時は、時間はかかるけれど脳を育てるチャンスなんです。
まず、料理は「先を読みながら手を動かす」―これは、前頭前野が活発に働きます。
さらに「味、熱さ冷たさ、香り、食感などを確かめる」ことは、五感をフルに使うので脳のあらゆる領域がバランスよく刺激されます。私は旬の野菜や果物を調理しながら季節や行事を教えたり、食材を切った断面を見せたり、魚を触って観察してから一緒にさばいたりしました。
娘のリクエストで、いろいろな食材を水を張ったバスタブに入れ、どれが沈むか実験することもありました。
親子でキッチンに立つ時間は、色々な知識や経験を私から彼女につなぐ、大切なコミュニケーションの機会になっていたのです。
「私がつくってあげる!」と張り切った5歳の子の料理
3年ほど経った5歳のころ。私が肺炎で倒れてしまいました。
主人は仕事で不在。
食べに行く元気もなく、とにかくこの子に食べさせる何か簡単なものをつくらなければ‥とよろよろと起きましたが、高熱もあったのでふらふらでした。
そうしたら娘が突然
「私がつくってあげる!」
と言うではありませんか。
この時はすでに(もちろん一緒に)火も使っていましたが、
「ママは病気なんでしょう。だから座っていてね」
と私を制し、マイ包丁を取り出し、料理を始めました。
手や口を出したいのをぐっとこらえ、少し離れて見ていましたが、子どもっていつの間にか成長するんですね。「一緒じゃなければつくれない」と思っていたものを、次々につくり始めました。
かぼちゃのサラダ、きゅうりとわかめの酢の物、豚肉の生姜焼き、ゴーヤーチャンプルー、茄子の素揚げ、ご飯。
これ全部、5歳の娘がつくったものです。
いつの間に覚えたんだろう。
もちろん盛り付けも、味付けも完璧ではありませんが、「こんなに美味しい夕飯、今まで食べたことがないよ!」と気がつけば、熱のせいか鼻水と涙で顔はぐしゃぐしゃに。
「Aちゃん、これだーいすき!」
自分でつくった料理は、やっぱり美味しいみたい。
好き嫌いが少なくなったのも、お手伝いしたおかげですよね。
娘の場合は料理でしたが、「お手伝い」は想像以上にたくさんのこと、ものを得られます。
家族の一員という誇り、好奇心、責任感、達成感、人に施す気持ち‥。面倒でも、ちょっと遠回りになっても、「お手伝い」‥今日からちょこっとさせてみると、大きな発見があるかも知れませんね。
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