息子の幼稚園では、「あやとりパーティー」があります。
年長になってから引越で今の幼稚園に転園してきたので、最初で最後のパーティー参加です。
他のお友だちは年少のころからあやとりを始めているので、進んでいるお友だちは幼稚園で用意される冊子を次々にクリアしているといいます。
それに対して息子は、前の幼稚園ではあやとりにあまり親しんでこなかったのもあり、お姉ちゃんがあやとりをしていても興味を持ちませんでした。
なので、幼稚園で「あやとりパーティー」をすると聞いて、「息子にできるのかな」と心配になりました。
幼稚園から「あやとりがんばり表」とあやとりの冊子を渡され、練習をした日には、表に色を塗っていきます。
案の定、初めて参加する息子は先生から「あやとりの練習を頑張ってね」と声をかけられていました。
そのとき、「よーし!頑張ろう!」と思っていたのは私だけだったようです。
苦手を克服する瞬間をみた!あやとり特訓が息子にくれたもの
12,780 View息子の幼稚園では、あやとりに取り組みます。
「練習してね」と先生に言われていたのに全然やらない息子。「やる気もなさそうだし、やっぱりダメか…」と思いましたが、息子のあやとりはメキメキと上達していきました。子どもの苦手や不得意は親が決めてはいけないと、改めて気づかされた一件でした。
幼稚園から出た冬休みの宿題は、あやとり!
一向に進まない、あやとり。焦るのはママばかり!
そして始まった長期休み。
帰省する際も、あやとりを2〜3本持参して、あやとり練習表を進めていこうとしましたが、一向に練習は進みません。
ようやく基本の形ができたと思っても、一つの形を覚えるのに時間がかかりすぎます。
やっと覚えたと思い、「ひとりでやってごらん」と言ってもうまく作ることができません。
そのうちに「恐竜だぁ!」とか「パンツ!」など、まったく違うものを自分のひらめきで作って、そしてあやとりに飽きてしまいます。
そうなると、「もうちょっと頑張ろう!」と私が言っても、おばあちゃんやおじいちゃんが「もう一回見せて」と言っても、もうダメです。
いったん集中力とやる気が切れてしまうと、もう続きません。
先生に「練習頑張ってね」と言われたのにと、私自身に焦りが出てしまい、何度も「もうちょっと頑張ろう!」と言っては、息子にイヤな思いをさせていたのかなと今では思います。
よみがえる、私自身の子どものころの記憶
というのも、私自身、思い出したくない子どものころの記憶があります。
私の場合は、絵なのですが。
幼稚園のとき、クラスのみんなで絵を描いていました。
よくある風景画で、私はなんとなく真ん中に太陽と雨のように降り注ぐ太陽の光を描いたのですが、それを一人のお友だちに「何それ?」と言われました。
私は「太陽の光だよ」というと、その友だちは、「変なの!」と一言。
太陽の光は見えないし、お友だちにとっては素直な感想だったのでしょう。
悪気もなかったのだと思います。
でも、私にとって、そのできごとはとてもショックで、それ以来、絵を描くことがキライに、苦手になってしまいました。
そういうことがあったので、考え過ぎかなと思いつつ、息子もほかのお友だちよりあやとりができなかったり、できなくてモタモタしていたりすると、何かイヤなことを言われないかなと心配していたのです。
あやとりがキライになったり、自信ややる気をなくしたりしないだろうか、幼稚園がキライにならないだろうかと心配ばかりしていました。
私のように、幼稚園でイヤな思い出が残らないようにと。
長期休みが明けて思わずビックリ!なんと、あやとりが得意に!
半ば、あきらめのなか、始まった新学期。
幼稚園では毎日、あやとりに取り組む時間があります。
「大丈夫かな」と、ただただ心配していた私でしたが、なんだか帰ってくるたび、息子の様子が違ってきました。
「ママ、見てーっ!」と、毎日毎日、できるあやとりのレパートリーが増えていくのです。
家にいるときも、テレビを見ながら、おやつを食べながらと、ずーっとあやとりをしています。
そして、いくつもいくつもあやとりを覚えていったある日のこと。
息子が幼稚園から帰ってくると、大事そうに賞状を見せてくれました。
そこには、息子の名前と「あやとりはかせ」と書いてありました。
私もうれしくてすぐに「すごいね」といっぱいほめてあげました。
息子もうれしいのか、ニコニコ、ちょっと誇らしげです。
そこからさらにあやとりをたくさん覚え、最終的には「あやとりだいはかせ」の称号をもらった息子。
パパにも「たいしたもんだ!」とほめられ、あんなに心配していたのに、短い期間に頑張ったんだなと家族もビックリの結果となりました。
子どもの可能性は無限大!困難に立ち向かうパワーを信じよう!
あやとりという小さなことではありますが、息子がそんなに頑張れるとは、正直思いませんでした。
あとで先生に聞くと、分からないところを先生やお友だちに何度も見てもらったり、やり方を聞いて教わったりしていたそうです。
最後までクラスのお友だちと一緒に一生懸命練習をしていたそうです。
「苦手なんだな」とか「興味ないのかな」とこちらが思い込んで、勝手にヤキモキしていただけでした。
息子は、あやとりという課題に自分で向き合い、真剣に取り組み、自分の努力で解決していたのです。
あやとりがあんなにできなかったのに、あれだけたくさんの技ができるようになるなんて、本当に頑張ったんだなと、その集中力とやる気に脱帽でした!
親が心配しなくても、子どもにはさまざまな困難に打ち勝つ力、未来を切り開く力は備わっているんだなと、大げさかもしれませんが、実感したできごとでもありました。
心配してヤキモキし過ぎてもダメ、子どもを信じて見守ることも大切だと思い知りました。
息子は卒園した今でも、ひもを見ると輪っかを作ってあやとりで何かしらを作っています。
そして、あやとりをしながら「〇〇を作ってあげようか?」が口ぐせです(笑)。
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