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公開 2019年05月12日  

シングルマザーだった実母に、いま一番感謝していること。

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私は小学校の頃、よくケガをしました。
働いていた母は、学校から電話があるとすぐに病院まで駆けつけてくれました。
叱ることなく笑顔で迎えてくれる母を見て安心したのを覚えています。


ケガばかりして、母に心配をかけていた子どもの頃


私の子どもたちは二人とも小学生になり、毎日元気にすごしています。

そんな子どもたちを見ていると、ふと自分が子どもだった頃を思い出します。

小学生の頃の私は、ケガばかりしていました。

学校の休み時間や登下校時に切り傷や擦り傷を作るのは日常茶飯事で、傷口を縫う、骨を折るなんてこともありました。

そのたびに、母は学校から連絡を受け、病院に駆けつけてくれました。

母にしてみたら、どんなにケガをしてもこりないおてんばな私を、さぞ心配していたことだろうと思います。

でも私は、「またやってしまった」という申し訳ない気持ちがありつつも、母の姿を見て何度安堵したことか。

ケガをして心細くなったときに、すぐに笑顔で迎えに来てくれることが私は嬉しかったのです。



周囲の心ない言葉に悔しい思いをしていた母


私が幼い頃に、父が病気で亡くなりました。

そのため、母はずっと働きながら私たち姉弟を育ててくれました。

いわゆるシングルマザーです。

母が働き始めた頃は、女性が子どもを預けて働くということ、父親がいないということが、今よりずっと良く思われていない時代でした。

大きくなってから母に聞いたのですが、看護師さんに「子どもを放っておいて、どういうつもりなのかしら」などと陰で言われてしまうこともあったそうです。

周囲の偏見に苦い思いをしながらも、女手一つで育ててくれた当時のことを

「悲しみに暮れている暇はなかった。私がやらないと、という気持ちでいっぱいだった」

と母は言います。


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私の記憶に残る、いつも笑顔で頼もしい母


そのような強い思いがあった母は、私たちには少しも弱音を吐きませんでした。

そして自分のことよりも、いつも子どものことを考えてくれていました。

何より私たちにいつも笑顔で接してくれていました。

おかげで父がいない寂しさや不安を感じることもなく、幼少期を過ごせたように思います。

ケガをしたときは病院に駆けつけてくれ、学校の行事にも積極的に参加してくれた母。

子どもの頃は当たり前のように思っていましたが、毎日のごはんも、学校の行事に参加することも、日常の様々なことがシングルマザーだった母にすれば、とても大変なことだったろうと思います。


子どもにはできるだけ笑顔でいること


自分自身が母になり、今さらですが母の苦労に気付くことが何と多いことか。

母のようには、とてもじゃないですがまだまだなれません。

でも、あの頃自分がしてもらったように、まずはいつでも笑顔でいようと決めています。

子どもが不安になっている時、病気や悲しいことがあった時、私が笑顔でいれば少しでも子どもの不安が和らぐと思うからです。

とはいえ、まだまだ子どもに対して怒ってしまうことも、不安な気持ちを見せてしまうこともあります。

そんな時には、何度も学校や病院に駆けつけてきてくれた母の笑顔を思い出すようにしています。

少しでも、尊敬する母に近付けるように……。

今は離れていて、なかなか会うことができませんが、母の日には感謝の気持ちを込めて、笑顔で「ありがとう」を送りたいと思います。




※ この記事は2024年10月01日に再公開された記事です。

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