ちょっと心がホッとする。今1番読みたい育児書!ぐりとぐらの中川李枝子『子どもはみんな問題児。』のタイトル画像
公開 2015年05月24日  

ちょっと心がホッとする。今1番読みたい育児書!ぐりとぐらの中川李枝子『子どもはみんな問題児。』

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『ぐりとぐら』 『いやいやえん』 『そらいろのたね』など、子どもに向けた絵本やおはなしの作り手、中川李枝子さんの育児エッセイをご案内します。いま、いちばん読みたい育児書です。

出典:http://www.instagram24.com/tag/%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AF%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E5%95%8F%E9%A1%8C%E5%85%90

ぐりとぐらの中川李枝子&山脇百合子 姉妹コンビの絵本

『ぐりとぐら』 『いやいやえん』。タイトルを聞いただけで「あぁ、あれ!」と表紙が思い浮かび、子どもだった頃にタイムスリップしてしまう人は多いのではないでしょうか。中川李枝子さんがおはなしを書き、妹の山脇百合子さんが絵を描いた姉妹コンビの絵本は数多く出版され、長く愛されているロングセラー作品です。



わたしも子どもの頃に読んだ『いやいやえん』のことは忘れられません。おもしろかった!という印象はあるものの、それよりも強烈だったのが「怖さ」です。しげるが先生に言われたことを守らず、くろい山に行ってしまい、鬼に会うこと…いやいやえんにいるおばあさんのちょっと大きな頭…。



でも怖さと同じくらい親近感もありました。わたしも幼稚園でしげると同じばら組、ほし組だったのです。深緑色のクレヨンでいたずら書きのあるこの本は、年数が経過してヤケやシミもありますが、いまでも大切に持っています。

タイトルにほっとする育児書

さて、今年(2015年)刊行されたのは、中川李枝子さんの子どもを持つおかあさんたちへのメッセージが込められた本。『子どもはみんな問題児。』 というタイトルになんだかほっとしますね。帯文に書かれているのは、「焦らないで、悩まないで、大丈夫。子どもは子どもらしいのがいちばんよ」。そして、本文はこんな章からはじまります。「どの子もみんなすばらしい問題児」。



子どもはいい子でなくちゃいけない。いい子でいてほしい。そんな思い込みが吹き飛び、目の前にいる子をしっかりと見て、いまの状態をたのしみたい。そんなふうに意識が変わるのではないでしょうか。

17年間の保育士経験から中川さんが子どもに教わったこと

中川さんは、専門学校卒業後すぐに主任保母(保育士)になり、園長が立ち上げたばかりの新しい保育園で4、5歳児と向き合います。たくましい子どもたちを何とか喜ばせたいとおはなしを作り、日本一の保育をすることをめざした経験や、ご自身の息子さんの育児経験に基づいた45のアドバイスが書かれています。



子どもをよく見てきた中で印象的なエピソード、おとなになった元園児から聞く当時の告白!などから、子どもは親が想像する以上にいろいろと見て、感じているし、賢い、偉いのだということがわかります。

お母さんたちへの願いは…

中川さんがお母さんたちへ伝えたいことの一部をご紹介しましょう。( )内は章のタイトルです。



★あなたの前にいる子どもから学んでください。(子どもはすばらしい先生です)



★困難なこと、いつもと違うことが生じたときは、子どもにきちんと説明するといいと思います。(いざという時、子どもは強い)



★母と子はとにかく一緒にいればいい、というものではありません。(24時間、一緒にいることはないのよ)



★心の傷には、優しい愛のひとことを。(心を傷つけたら、すぐ手当てをしてほしい)



★お母さんはじっくり子どもに向かい合うのと同じくらい、世の中に関心を持たなくちゃいけません。社会のいちばん先端に立っているのですから、児童憲章を知り、選挙にも行き、健康診断も欠かさない。ほかのお母さんから学ぶことも大事です。そうして自分も成長するのです。(おわりに)

子どもと一緒に本を読むためのアドバイス

わたしが特に印象深く読んだのは、「本は子どもと一緒に読むもの」という章です。読み聞かせがいい、というのはいろいろなところで言われていますが、中川さんは読み聞かせという言葉には「読んで聞かせる」「言って聞かせる」という感じがあって好きになれない。だから「子どもと一緒に読む」と表現しているそうです。

どの子も絵本や物語が大好き。一緒に読むには、親はどうしたらいいのか。子どもを知るために、母親を知るために、何を読んだらいいのか。簡潔にわかりやすく書かれているので、ぜひ参考にされてはいかがでしょうか。

もっと詳しく、具体的な本も知りたいという方にはエッセイ『絵本と私』がおすすめです。

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