ジブリ作品「死生観」って言いがち問題。『崖の上のポニョ』を幸せに観る方法

コノビーをご覧のみなさん初めまして。

このたび連載を掲載していただく事になったので、簡単に自己紹介をしたいと思います。

普段はブログやSNSで育児とジャニーズと映画についてかきつらねている私。

今回コノビーさんからお話を貰えたのが「育児中の方に向けた映画レビュー」。

しかも好きに書いていいと…。

いいのかい？コノビーさん…。

こちとら初恋の人が 、マイケルJフォックス（バックトゥザ・フューチャー）っつー筋金入りのオタクだぜ…？

しかも脳の構造がシンプルなので考察とか全然出来ないんだぜ？と思いながら楽しく書かせて頂きました！！

この作品、公開当時は映画館まで観に行ったんですよ。

好きな映画はノンフィクションやサイコサスペンス！

今よりだいぶ斜に構えて生きていた20歳の頃の私は、映画館から出て一杯やりました。

「ポニョと海が暗示するものとは？」

「なぜ街が海に沈んで、古代魚が泳いでいるのに登場人物は楽しげなのか？」

「乗り捨てられ荒れ果てた母親の車、走り回るご老人の意味するものは死後の世界なのか？」

正直疑問符しかない、面倒になった私。

という残念な結論のまま今に至っていました。

そんな「ポニョ」をレビューの為、私の脳の面白くない映画フォルダから引っ張り出しがらふと思い出した。

宮崎監督はポニョを「子供のための映画」と言っていなかったか？
もしかして…子供のために作られた映画をわざわざ考察するのは無粋なのでは……？

今では一児の母の私も、子供の頃には
「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」の冒険とファンタジーの世界に胸を躍らせていたじゃないか。

それが今じゃあ
「トトロってこのサイズで野生生物だとしたら相当獣臭そうだ」とか

「私がキキの母親だったら独り立ち阻止する為に家中の箒へし折るわ！」とか

思いながら鑑賞してるんですけど。

なんてこった！夢も希望もねぇや！せまりくる現実がすごい。

ここは宮崎監督のお言葉をシンプルに額面通り受け止めたい。

子供の世界は不思議と魔法と超展開があってこそ面白いのだ。

と言うわけで、鑑賞前にまずは「私は5歳児」という自己暗示から始める事に。

しかし！！

これが意外と難しい。

同じ年頃の子供を持つ親として、宗介の母「りさ」の破天荒っぷりにハラハラしてしまうし。

停電してるのを見て「そういえば、そろそろ非常用持出袋の中身点検しないと」とか考えちゃう。

それでも、久しぶりに観る「崖の上のポニョ」は

キラキラとした海の世界は眼を見張るほどに美しく

水しぶきや魚たちの丸っこいシルエットは可愛く親近感がわくし

フジモトが魔術の為に使う秘密の部屋には心が躍る。

子供の目線で見れば、破天荒なりさの行動も「こんな母親なら毎日が楽しそう」

ジブリ版の、人魚姫だという事を忘れずに鑑賞すると、海の中で息をしている人間の登場人物もすんなりと受け入れられるー！

人はなぜ、ジブリの物語に「リアル」と「メッセージ性」を求めてしまうのか…

なぜ結局全部「死後の世界のメタファー」としてしまうのか。

大人になってから公開された「崖の上のポニョ」。

今回改めて今まで気づかなかった魅力に気づけました。

最後に、一緒に観ていた娘に感想を聞いてみたら…

な…なんだってぇぇーーー！

あのヒョロっとしたシルエットに不健康そうな顔、陰キャっぽい位置付けで人嫌いな、どこを取ってもポニョ界随一の萌えでしかないフジモトが……？

我が子とは解釈違いになってしまいましたが、私は圧倒的なフジモト推し、ここは譲れない。

みなさんも是非5歳マインドでおやつ片手にレッツ「崖の上のポニョ」