0歳の予防接種はいつから?どの順番で?スケジュールを総チェック
4,592 View0歳からの予防接種は、ワクチンの数が多くて複雑。いつから、どんな順番で接種したらいいのか、スケジュールの組み方はどうしたらよいのか、悩みますよね。そこでこの記事では、定期と任意の違い、ワクチンの種類、副反応や同時接種についても解説します。また、予約が必要かどうかや当日の持ち物についても紹介します。
0歳児の予防接種はいつから?はじめは何を接種するの?
予防接種とは、病気に対する免疫をつけるために、 ワクチンを接種すること。
病気への感染を予防したり、病気にかかっても重い症状になることを防ぐことができます。
まずはいつから・何から始めるべきなのか、知っておきましょう。
病気にかかりやすい月齢に応じて接種する必要がある
赤ちゃんは、お腹にいるときにお母さんから様々な病気に対する免疫を受け継ぎますが、その免疫は徐々に失われてしまいます。
そのため、それぞれの予防接種を受ける時期は、免疫効果が減少する時期や感染症にかかりやすい月齢、かかってしまった時に重症化しやすい年齢などを考慮して考えられています。
例えば、百日ぜきの抗体は生まれて早い時期に、麻しん(はしか)の抗体は乳児期後半には失われてしまうとされています。
そのため、百日ぜきを含む4種混合ワクチンは生後3ヶ月、麻しんを含むMR(麻しん風しん混合)ワクチンは生後1歳ごろの接種が推奨されています。
適切な期間内に、すべてのワクチンを忘れず接種できるように、早めにスケジュールを立てることが重要です。
そのため、接種できる月齢・年齢になったら、できる限り早く接種するのがベストです。
早めにワクチン接種をスタートすれば、早い段階から病気を予防できますし、接種スケジュールにも余裕ができます。
【生後2ヶ月~】ヒブ+小児用肺炎球菌+B型肝炎からスタート
いつからワクチンが接種できるかというと、生後2ヶ月の誕生日からです。
最初に接種可能なのは、「ヒブ」「小児用肺炎球菌」「B型肝炎」の3つ。
さらに、任意の「ロタウイルス」も希望する場合は一緒に接種しましょう。
これらは、生後間もない赤ちゃんが感染すると重症化し、入院や命にかかわる可能性もある病気です。
2ヶ月になったらできるだけすぐに接種して、少しでも早く免疫をつけることが大切です。
最初の接種時期が遅れるとスケジュールがずれ込んでしまい、全て接種できなくなる可能性もあるので、できるだけ余裕を持ってスケジュールを組めると良いですね。
その後のスケジュールとしては、3ヶ月に「ヒブ」「小児用肺炎球菌」「B型肝炎」の2回目と「4種混合」の1回目を接種、4ヶ月で「ヒブ」「小児用肺炎球菌」の3回目と「4種混合」の2回目を接種。
さらに、5ヶ月以降に「4種混合」の3回目、5ヶ月~7ヶ月ごろにBCG、7~8ヶ月ごろに「B型肝炎」の3回目を接種するのが理想的です。
任意の「ロタウイルス」には、2回接種の「ロタリックス」と3回接種の「ロタテック」があります。定期の予防接種に加えて、2ヶ月で1回目、3ヶ月で2回目を接種し、「ロタテック」の場合は4ヶ月で3回目を接種します。
「ロタリックス」の場合は、接種終了が24週まで、「ロタテック」の場合は32週までと、厳密な接種時期の制限もあるので注意が必要です。
予防接種に事前予約は必要?時間帯はいつでもいいの?
早めに予約しておくのがのぞましい
0歳児の予防接種ができる、小児科や小児クリニックでの予防接種は、予約制のところがほとんどです。
早い段階に予約でいっぱいになることもあるので、なるべく余裕を持って予約しておきましょう。
たくさんありすぎて「どうスケジュールを組めばよいのかわからない」という時は、かかりつけの小児科医に相談すると良いでしょう。
今は予防接種のスケジュールを管理できるアプリなどもありますので、そういったものを利用するのも一つの手です。
「予防接種」「アプリ」などで検索してみてください。
接種後の体調悪化にも対応しやすい 午前中がベスト
予防接種を受ける時間帯は、午後よりも午前中がベストです。
後の章でも詳しく説明しますが、接種後「副反応」といって、発熱や腫れなど体調の変化がみられる場合があります。
まれに重い症状が出ることもあるので、その際に病院へすぐさま受診できることを考えると、なるべく早い時間帯がよいでしょう。
また、小児科によっては、「水曜日の午後」など、通常の診察は行わず、予防接種のみに対応する時間を設けているところもあります。
さまざまな病気で診察に来ている子どもたちと同じ待合室で過ごすことなく、病院での感染を防げるので、こういった予防接種専用の時間帯を利用するのもおすすめです。
予防接種には定期接種と任意接種がある
定期接種とは?
定期接種とは、「予防接種法」と呼ばれる予防接種の規則を決めた法律に書かれているワクチンのことです。
誰もが受けるべき予防接種とされ、接種にかかる費用は地方自治体から支払われるので、居住地の市町村内で受ける場合は無料で接種が可能です。
任意接種とは?
任意接種とは、国が認めているものの「予防接種法」で規定されていないワクチンのことです。
接種に必要な費用は自己負担となります。一部の地方自治体では、その費用の一部または全額を助成してくれる場合もあります。
「定期接種だけ受けておけばいい」と考える方も多いかもしれませんが、任意接種だからといって、受けなくても大丈夫ということではありません。
任意接種でも、重い症状になったり後遺症を残したりする場合もあるので、どのワクチンを接種すべきか慎重に判断しましょう。
予防接種の同時接種はしていいの?
同時接種でもワクチンの効果に影響なし
「同時接種」とは、2種類以上の予防接種を同時に同じ接種者に対して行うことです。
0歳の予防接種は、種類も多く接種回数が15回以上になり、BCGやロタウイルスワクチンは生ワクチンのため、次の接種までは4週間あける必要があります。
そのため、1本ずつ受けるとすると、約5ヶ月間ほぼ毎週接種することになりますが、赤ちゃんの体調が毎回よいとは限らず、接種が遅れがちになり、決められた期間での接種が難しくなります。
そこで、推奨されている方法が「同時接種」。
日本小児科学会では、「ワクチンの同時接種は、日本の子どもたちをワクチンで予防できる病気から守るために必要な医療行為であると考える」としています。
複数のワクチンを同時に接種しても、それぞれのワクチンの効果に影響があったり、副反応の頻度が上がることはありません。
同時接種のメリット
同時接種のメリットとして、
・各ワクチンを効率よく接種できるため、早い段階で感染症の予防ができる
・接種率が向上し、接種忘れがなくなる
・何度も病院へ足を運ぶ必要がなく、保護者の経済的・時間的な負担が減る
ことなどが挙げられます。
同時接種で受ける場合の本数や組み合わせの制限はありません。
生ワクチンと生ワクチン、生ワクチンと不活化ワクチンの組み合わせも可能なので、かかりつけ医と相談し、効率的な接種スケジュールを立てましょう。
予防接種の副反応とは?
体に免疫ができる以外の反応=副反応
薬の主な作用を「主作用」といいますが、予防接種ワクチンの場合、主作用はワクチン接種によって体に感染症を防ぐ免疫ができることです。
それに対して、免疫ができる以外の反応のことを「副反応」といいます。
副反応の具体的な症状は?
副反応には、比較的軽いものから重いものまで、さまざまな症状が起こります。
軽いものとして具体的には、発熱、発疹、局所反応(腫れ、赤み、痛みなど)が挙げられます。
また、重いものとしては、アナフィキラシー(重いアレルギー反応)、急性脳炎、急性脳症、けいれん、急性散在性脳脊髄炎、ギランバレー症候群などがまれに起こる場合があります。
予防接種後はしばらくの間、接種した病院で何も体調に変わりが無いことを確認してから帰宅しましょう。
ワクチンの接種部位は清潔に保ち、当日はできるだけ安静に。
体調の急変に気を配り、異常な副反応や体調の悪化がみられる場合には、すぐに医師の診察を受けましょう。
予防接種当日の持ち物や服装は?
スムーズにワクチンの接種ができるよう、持ち物や服装にも気を配りたいですね。準備したい持ち物や服装をチェックしておきましょう。
予防接種日に準備したい持ち物
予防接種当日は、普段とは違う様子に赤ちゃんも疲れてしまうもの。長い待ち時間や赤ちゃんの体調の変化にも対応できるよう、持ち物はしっかりと準備していきたいですね。
当日の持ち物として、下記のものが挙げられます。
・保険証、母子手帳、診察券
・予防接種表
・オムツ、おしりふき
・ミルク、飲み物
・着替え
・タオル
・お気に入りのおもちゃや絵本など
予防接種当日は、朝から赤ちゃんの体調がよいか確認し、その日受けるワクチンの市町村からの通知やパンフレットをよく読んで、必要性や副反応を理解しておくことも大切です。
予防接種当日は脱ぎ着しやすい服装で
また、赤ちゃんの服装にも気を配りたいですね。
スムーズにワクチン接種できるように、脱ぎ着しやすい前開きの服がベストです。
肌着は、接種する腕が出しやすいようにノースリーブのものを選びましょう。
BCGの場合は、特に注意が必要。BCGワクチンは、細い9本の針を皮膚に押しつけるスタンプ方式で腕の外側の2ヶ所に接種します。
接種後、接種部位をしばらく乾燥させる必要があるので、肩だけ出しておけるノースリーブやタンクトップをセレクトしましょう。
髪の長いママは、接種部位に髪がかからないよう結んでいくようにしてください。
効率的な接種で、さまざまな感染症を防ごう
種類が多い0歳の予防接種。
たくさんあって大変ですが、ワクチンを接種することは、子どもや家族の病気を防ぐことにつながります。
余裕を持って予約し、さまざまな感染症から大切な子どもたちを守ってあげたいですね。
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