2人目妊娠8ヶ月、久しぶりに終日オフとなった日曜日でした。
家族で遠出をした帰りの電車で、私は脚に違和感を感じました。
歩くときに脚を地面につくと、ズーンとした地味な痛みがあるのです。
「痛い!」というほどの激痛でもないけれど、うっかり早く歩くと背中全体まで響く。
今までにない不思議な痛みでした。
違和感を感じながらも家族と同じペースで歩いていましたが、痛みを感じ出してから1時間後には、足を引きずるようになっていました。
それでも楽観的に、「今日はちょっと歩きすぎたかな?」ぐらいに思っていました。
妊娠中の激しい腰痛! 剣山でランダムに引っかかれているような痛みの正体は…
3,512 View妊娠中にひどい腰痛になりました。妊娠中の腰痛=妊娠が要因と思っていたのですが…激痛に驚き、セカンドオピニオンを受けてわかった意外な原因とは。
妊娠8ヶ月目、足を引きずるほどの腰痛に
フリーランスのため、産休育休中は収入がなくなります。
「できる限り、ギリギリまで働きたい!」というのがその時の私の目標でした。
第2子のためか早いうちからお腹が随分大きくなっていましたが、毎日フルタイムで仕事をし、取材で遠出することも多々ありました。
週のうち何日かは深夜に帰宅することまで。
今思い返せば、もう少し自分を労わるべきだったのかもしれません。
翌日受診した近所の整形外科では、坐骨神経痛と診断が下りました。
大きくなったお腹でバランスをとるために無意識に背中を反らせてしまうことで、椎間板に負荷がかかってしまうのだとか。
産後に自然と治る場合もあれば、腰痛が残ってしまう場合もあるということでした。
「出産まではとにかく安静に、なるべく歩かずに過ごすこと。」ということで、帰宅後すぐに仕事を調整し、自宅で対応できるようにしました。
声をあげるほどの激痛が襲う!
その日の夜、腰をかばうために抱き枕を用意して眠りにつこうとしたところ……
「ギャッ!」
突如、声をあげるほどの激痛が。
盛ってませんよ?本当に「ギャッ!」と声をあげました。
それまでのズーンとした痛みとは別の、ピリピリキリキリした鋭い痛みがお尻から太ももの裏にかけてピキーン!と走ったのです。
え?
なに?
家族もびっくりしていましたが、誰よりも、声をあげた私本人がめちゃくちゃ驚きました。
その後は地獄でした。
この鋭い痛みが、間隔を縮めて繰り返し襲ってくるのです。
「ギャッ」
「ヒーッ」
「いたっ」
「やだー!」
「もうヤメて!」
文字で書くと冗談みたいでしょ?
例えるなら、体の表面を華道で使う剣山でランダムに引っかかれている感じでしょうか。
刺されるのではなく、やや深めに引っかかれる。
ときどき、剣山に混じって太めの針が1本スーッと刺さってスライドしていく感じもあります。
そんな痛みが、短い時は30秒に1度のハイペースで何度も何度も。
偏頭痛、親知らず、生理痛……
それまで体験したどんな痛みより鋭く……。
個人的には、帝王切開後の後腹よりも痛く感じました。
これはおかしい。
慌てて病院にかけこむと、痛みの正体は「帯状疱疹」でした。
お医者さん曰く、妊娠で免疫が下がっていると発症することがあるそう。
厄介なのは、発症したのが8ヶ月半ばだったということです。
一般的には、帯状疱疹は薬で治します。
ですが私は妊娠中。
抗ウィルス薬を使うかどうか選択を迫られました。
薬を使って早く治せなくても、我慢すれば治る。
そう考えた私は、薬をもらわずに帰りました。
自力で完治しようと決心したのです。
免疫を上げるためにしっかり食べて寝る。
ただそれだけ。
……なんて考えが非常に甘かったと思い知るのに時間はかかりませんでした。
眠れるわけがない!
日に日に痛みが増し、夜も昼も時間お構い無しに叫ぶ日々。
叫び疲れて寝落ちしても、激痛で起こされる。
さらに私を焦らせたのが、完治までの予想期間です。
自然治癒なら早くて3週間。長引けば1ヶ月かかると言われました。
お腹にいる間は胎児への感染リスクがないらしいのですが、出産時に感染してしまう可能性があるそう。
そのため、出産前の完治がのぞましい。
しかも、予想よりずっと痛くて、寝食満足にできない。これで免疫が上がるわけもなく……。
結局、帯状疱疹と診断されて1週間後に抗ウィルス薬を飲むことになりました。
服薬後は1週間で完治!
胎児へのリスクを考えてギリギリまで痛みを堪えていた私ですが、終わってみれば「早く薬に頼ればよかった!」という結果になりました。
悩んでいる間に疱疹はどんどん増えて、産後1年経った今でも下半身を中心に跡が残っています。
もちろん、薬を飲むリスクもあります。
同じように帯状疱疹になった友人は、自然治癒を選択して1週間ほどで完治したようです。
私が自然治癒で一向に良くならなかったのは、妊娠中にも関わらずハードワークを続けた結果なのかもしれないな……。
と、今になってそう反省しています。
妊娠中の不調だからといって、必ずしもそのせいでない場合もあるのだなと実感した出来事です。
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