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公開 2019年10月24日  

言葉はなくても「なにかあった?」口ベタな夫婦が心を通わすための、ある習慣

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一日の終わり、私と夫のちょっと変わった習慣があります。
私たち夫婦には、欠かせない時間です。


「お薬タイム」が始まったきっかけ

私の夫はアトピーによるかゆみの症状があり、年中お肌がカサカサしています。

重度ではないのですが、毎日お薬を塗らないとカサカサが悪化してしまい、かゆみが増してしまうのです。

そんな夫と私には一日の終わり、つまり寝る前に「お薬タイム」という時間があり、私が夫の肌にお薬を塗るのです。

この習慣のはじまりは、まだ私達夫婦が結婚する前のお付き合いをしていたころから。

ある日、夫に「背中の届かないとこ、かゆいから薬を塗ってもらってもいい?」と頼まれました。

「オッケーいいよ!」と塗り、ついでに他の箇所も塗り始めたら、なんとなくそのまま習慣に。

その日から私は夫のお薬を塗る係に任命されました。

「今日はそんなにカサカサしてないから、弱めの薬で全身塗るよ」

「あ、ここ結構かゆい?ここは強めの薬を塗っておくね」

薬の種類やかゆみの程度まで分かるほど、「夫のかゆみ評論家」に成長する私。

まさか結婚したあとにも、この習慣が長く続くとは思ってもみませんでした。

自分で塗れる所も「ねえ、ここかゆい」……それでも私が塗る理由

お薬を塗る時間は、だいたい寝る前の午後11時ごろ。

リラックスしている状態で夫が布団に横たわり、お互いの一日のできごとを話しながら私がかゆそうな所を見つけて塗ります。

塗っているときに、「ねえ、ここかゆい」と言う夫が指さす場所が手の甲だったり、おでこだったりと、あきらかに自分で塗ったらすぐに済むような場所でも平気で指示してきます。

「いやいやいや、そこ自分で塗れるでしょ!?」

「なんか塗ってくれたほうが治りそうじゃあん!!」

ぶふっ、あははははと同時に笑い、ヒーヒー言いながら過ごすことも。

この何気ない、くだらないやりとりが、楽しくておかしいのです。

「なんかあった?」薬の塗り方で違和感に気づいた夫

ある晩、いつもどおり薬を塗る時間になったころ。

その日の私は、当時イヤイヤ期絶頂の次女と、まだ産まれたてで抱っこがメインの長男とのお世話でヘトヘトに疲れきっていました。

しかも、疲れのせいで次女に理不尽に怒ってしまったこともあり、心は罪悪感でいっぱいだったのです。

普段夫には、あまり昼間の育児の苦労話はしない私。

理不尽に怒ってしまうことはいけないことだと分かってはいる……けど、自分の感情のコントロールをうまく抑えることができない。

そんな自分にあらためて夫に指摘されたら、きっと立ち直れそうにありません。

「お薬塗るのめんどくさいな…早く終わらせよう…」と思いながらサッサと塗っていると、夫が

「どうした??」

と、聞いてきました。

私「え……?なんでそう聞くの?」

夫「いや、なんか塗り方がテキトーだったから」

バレてたか……。

……でも、私だって疲れてるし、塗ってあげてることにもっと感謝してくれてもいいんじゃないの?

と不満がふつふつと湧きあがってくるように。

ごめんごめんといいつつ、先ほどより丁寧に塗りなおしていると、

夫「どうした?なんかいやなことあった?」

テキトーだと言われてちょっとムッとしていた私だったけれど、夫が私の落ち込んでいる様子にいち早く気付き、心配してくれたことをとても嬉しく感じました。


さっきまで「感謝しなさいよ」なんて思ってたけど、優しさを先に出されるとダメだ……。

胸にグッと抱えていたものをもう抑えられないと感じ、思い切って昼間のことを話しました。

すると夫は「それは大変だったね」と昼間の苦労をねぎらってくれ、なにも否定することなくうんうんと聞いてくれました。

モヤモヤとイライラをお薬と一緒に夫に塗りたくる予定だったけど、夫のこうした態度のおかげで、癒しの時間に変わったのです。

お薬タイムのおかげでいつもの2人にもどることができる

お薬タイムは、お互いの弱みやつらさをさらけ出すことができ、自然なスキンシップも生まれ、この習慣ができたことはとても良かったと思います。

冗談を言いあって2人でヒーヒー笑いあったり、共通で好きなミスチルの話題で夢中になって語り合ったり、「母の顔」を少しだけ脱ぐことができる時間でもあったり。

ケンカや言い合いをしたときは、薬を塗らずにお互い寝床につくこともあるけど、でも次の日にはいつもの2人にもどって、薬を塗る時間が訪れます。

私も夫も、普段はなかなか自分の弱音や愚痴を吐けない性格ですが、この時間だけは心をオープンにすることができ、お互いをねぎらい合うことも。

お薬タイムは私たち夫婦にとって「愛情確認」の時間なのかもしれません。

※ この記事は2024年11月03日に再公開された記事です。

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