「サンタさんに手紙を書く」。
顔も居場所もわからないサンタさんに想いを伝えられる、唯一の方法です。
私がこれをはじめて意識したきっかけは、クリスマスに行くことになった家族旅行でした。
幼稚園年長の年、クリスマスに旅行に行けるワクワクと同時に、幼いわたしには気がかりが。
そう、「クリスマスイブの夜に家にいないと、サンタさんはどうなっちゃうの?」でした。
「家に来たのに誰もいなかったら、サンタさんはプレゼントを持ち帰っちゃうんじゃないの…?」そう不安を訴えるわたしに、母は「じゃあ、手紙を書いて置いておいたらいいんじゃない?」とアドバイスしました。
「そうか、手紙か」と納得したわたし。
幸いひらがなはかけたので、拙い字で「りょこうにいっています。プレゼントはおいておいてください」と書き置きをしました。
サンタを疑いはじめた我が子。「サンタ代行者」がひそかに決意したこと
7,193 Viewもうすぐクリスマス。小2の長男は、今年はじめてサンタさんに手紙を書きました。ほしいおもちゃを羅列している手紙を微笑ましく思いながら、思い出したのはわたしが書いたサンタさんへの手紙に返ってきた返事でした。
きっかけはクリスマスの家族旅行
サンタさんから返事が!
クリスマス旅行からワクワクして帰ってきたところ、ベッドの近くにプレゼントが置いてあるのを発見したわたし。
喜びと同時に、ほっとしたことを覚えています。
そして、隣には何と手紙が!
サンタさんからお返事が届いていたのです。
中身は英語。
今思い返すと、筆記体で書かれていました。
見慣れない文字に「うわあああ、本物のサンタさんだ…!」とテンションが上がったわたしは、母に「何て書いてあるの? 読める!?」とせがみました。
母は、「えー、お母さん、英語あんまり読めないんだけどなあ…」と困り顔をしながら、がんばって解読してくれました。
プレゼントを置いていくこと、旅行を楽しむように。
そういったことが書かれていたと記憶しています。
ただ、このあと、大切に置いておいたはずなのに、手紙はどこかに消えてしまいます。
母に聞いても、父に聞いても、一緒に手紙を喜んだ妹に聞いても、みんな「わからない」と答えます。
幼い私には、まるで雪のように消えた手紙が、さらにステキなものであるように感じられました。
サンタさんの手紙はどこに消えてしまったのでしょうか。
わたしがいくの間にかなくしてしまったのか、それともサンタさんが密かに持ち去ってしまったのか。
大人になった今でも、実は真相を確かめていないのです。
ちなみに、この年以降、「もしかして、サンタさんに事前にプレゼントのリクエストをしたら、ほしいものを持ってきてくれるのでは?」という考えに至り、毎年サンタさんに手紙を書くようになりました。
サンタさんはリクエストぴったりのものを持ってきてくれたり、惜しいものを持ってきてくれたり。
毎年「いつ来るかな?」「鈴の音、聴こえる?」とドキドキしながら妹と24日の夜を過ごしていたことを、今でも強く覚えています。
『サンタさん』の姿を見たのは、小学校5年生のイブ。
けれども、わたしは「見たよ」とは誰にも言わないまま、小学校卒業と共に、サンタさん来訪の終わりを迎えます。
もちろん、我が家のサンタクロースが誰だったのかは、知っています。
ただ、あの手紙の行方とサンタさんの正体について、ハッキリと話さないまま終わったがために、今でも子どもの頃のそわそわドキドキが残っている気がするのです。
サンタさんは、いないかもしれないけれど、いる。
そうした想いが強く残っています。
今度はわたしが返事を書こうかな
小2になった長男。
おもちゃ屋さんのダイレクトメールのなかに入っていたらしい「サンタさんに手紙を書いてみよう」というハガキを見つけ、親の知らぬ間に手紙をしたためていました。
周りの影響か、少しサンタさんの存在に疑いを抱いている節がある彼。
だからこそ、彼の手紙に英語で返事を書いてみようかな。
サンタ代行者として、昔とは違ったドキドキと楽しみを感じながら考えているところです。
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