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公開 2019年11月28日  

「年中さんならできるはず」焦る気持ちに囚われ、我が子の成長を見逃しかけた

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幼稚園の教室に、一人で行くことができない次女。
「いつになったら一人で行けるようになるのかしら?」と、みんなと同じように笑顔でバイバイできないことにモヤモヤしてしまっていました。


次女も楽しみにしていた幼稚園!だけど…

次女が通っている幼稚園は、玄関を入った先に下駄箱があり、前方に階段があります。

親はわが子が上靴をしっかり履けているか確認し、二階まで上がっていく姿を見送って、バイバイをする。

それがこの幼稚園での暗黙のルールです。

年少の頃はたくさんの子どもたちが「ママー!いかないでぇぇ!!」と親を引き止めたり、「ようちえんいきたくないぃぃぃ!!」と、玄関で泣き叫ぶことも。

それがだんだん幼稚園に慣れてくると、次第に「ママいってきまーっす!」と得意げな顔で上靴をサッサと履くようになったり、泣かずに二階まで上がれるようになったりと、頼もしい成長の様子を見せるようになります。

長女も同じくこの幼稚園に通っていて、年少の初めての登園のときから泣かずに通い続けていました。

そのときお見送りについてきていた次女も「ねーねといっしょにようちえんいくー!」と、自分の幼稚園通いを楽しみにしていました。

そんな彼女でしたから、きっと泣かずに登園するんだろうなと思っていたのですが……。

ママ!お二階まできて!「うちの子だけ」一人で教室に向かえない

「マーマ!いっしょにきて!」

私の想像とは裏腹に、次女は年中になっても、一人で教室まで向かうことができませんでした。

「もう次女ちゃんは年中さんなんだから一人で行けるよ、ほら、お友達の○○ちゃんと一緒に行っておいで」

「やーだー……」

クスンクスンと泣き出してしまいます。

家を出る時は「きょうはね、きのうのギターのつづきつくるんだー」なんて張り切って靴を履いていたのに。

年少の頃は、当時年長だった長女が一緒に手をつないで二階まで連れて行ってくれていました。

でも今は一人。

「ママいってきまーす!」「はーいいってらっしゃーい!」と、笑顔で教室へ駆けていく周りの子をよそに、玄関先でめそめそしてしまう次女。

……このままで大丈夫なのだろうか。

年長になってもこの状態だったら?

小学生になったら、一人で登校できないのでは??

顔見知りの年少の子でさえ、入園したての頃はギャン泣きで、お母さんの手を離さずにいたけど、今はしっかり前を向いて階段を登っていきます。

でも次女だけは、玄関先から一人でどうしても行けない。

私の心は焦りと不安でいっぱいでした。

次女は頑張っている。見落としていた自分に気づく

幼稚園の玄関先で「一人で行っておいで」「やだー!」というやりとりがあると、必ず泣き出してしまう次女。

二階の教室まで一緒に行き、先生のもとまで送り届けるのが習慣になっていました。

私がはじめから付いていくと、とてもゴキゲンな次女。

玄関先で、「はーい次女ちゃん上靴はいてよー」と声をかけると、「はーい」と手慣れた様子で靴を履き替えます。

階段登りがまだおぼつかない長男(2歳)を支えつつ登っていると、次女が横からタタンとリズミカルに登り、頂上で私たちを待ち構えています。

そして先生のもとへ送ると、最初は私の足もとから離れずに恥ずかしそうにしながらも、教室内へ。

教室へ入ってしまえば、こちらを振り向かずに幼稚園の支度をもくもくと始めます。

先ほどまでは不安げだった表情も、覚悟をしたかのように凛々しくなりました。

お友達に「おはよー!」と声をかけられたら、恥ずかしがりつつも「おはよぉ」と、小さな声であいさつを返します。

家ではお調子ものだけれど、若干の人見知りなところがある次女。

そんな彼女がしっかり幼稚園での生活を送る様子は、私の目にとてもたくましく映りました。

教室まで一人で行けなかったのは、恥ずかしさの壁を乗り越えるサポートをして欲しかったのかもしれません。

次女は次女なりに、どんどん成長していっている。

そんな姿を見て、周りの子と必要以上に比べてしまっていたことを申し訳なく思いました。

次女のとびきりの笑顔で気付いたこと

そのあと、お外遊びの支度をした次女がお庭に出てきたのを、こっそりと見ていました。

「○○ちゃん!あっちでプリキュアごっこしよー!」と、お友達と手をつなぎ笑顔で駆けていく姿を見て、心の中でごちゃごちゃになっていた「不安」がほころぶ気がしました。

そうだった。

私は次女に、一人で階段を登って教室に行って欲しかったんじゃない。

私がそばにいなくても、お友達と笑顔で楽しく過ごして欲しかったんだと。

次女に対して、少しずつ私から離れて行動できるようになって欲しいと願っていました。

でもそれは「一人で教室に行くこと」ではなかったはず。

母親がそばにいない時でも、お友達や信頼できる仲間と、楽しく過ごして思いっきり遊んでほしい。

そんな希望を、周りの雰囲気に圧されて「一人で教室に行ってほしい」にすりかえてしまっていたようでした。

次女の気持ちや、次女のペースのことまで見えていなかった。

でも次女は次女なりに、寂しさや恥ずかしさと戦い、頑張っている。

私がやるべきことは、「一人で教室に行くこと」にこだわって、形ばかりの自立を促すことではない。

穏やかに見守って、つまずいたときにすかさずサポートすることだと、ようやく気づいたのです。

「子どもが頑張る姿」を見逃さない親でありたい

「幼稚園でのお見送りは年少の最初の頃だけで、あとは一人で行くことが自立への一歩となり、成長の証なのだ」

そんな幼稚園での暗黙ルールにとらわれて、次女ならではの成長を見逃してしまうところでした。

「次女より小さい子が出来ているのに」

「他の子は一人で行けるようになっているのに」

と、周りの様子を基準にしてしまっていました。

もしあのまま焦っていたら、次女は自分の気持ちを押さえ付けてガマンばかりを覚えてしまっていたかもしれません。

集団の中で生活する機会が、どんどん増えていく次女。

今でも、こんな風で大丈夫かしら?と焦ってしまう場面は、少なからずあります。

でも「こうあってほしい」という思いに囚われず、我が子ができるようになったこと、頑張っていることを見落とさないようにしたい。

子どもが、つらい気持ちを素直に表せられる環境を作ってあげたい。

大切なわが子の成長を、穏やかな気持ちで見守っていける親でありたいです。

※ この記事は2024年10月05日に再公開された記事です。

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