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公開 2019年12月16日  

おっぱいをガマンする2歳娘を見て号泣。親子を成長させた「断乳」という試練

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テレビ番組のMCなどとして活躍しながら、3歳と1歳の姉妹のママとしても奮闘中のSHELLYさん。子どもとの向き合い方や、2人同時の「タンデム授乳」の苦労、転機となった「断乳」のエピソードなどを聞かせていただきました。


仕事に戻るタイミングは決めていなかった

―― 産後すぐにお仕事に戻られた印象ですが。

長女の出産のとき、ギリギリまでは働こうと思っていましたが、戻る時期は特に決めていませんでした。生まれてみたら、気持ちが変わるかもしれないと思って。ありがたいことに、事務所も番組スタッフさんも私の意思を尊重してくださいました。

私がMCを務める1番組だけ早めに復帰しましたが、収録日が少ない番組だったので助かりました。その他はおかげさまで、6カ月くらいかけて徐々に戻し、10カ月後には全てのレギュラー番組に復帰するという、ベストな段階を踏むことができました。


―― お仕事のとき、お子さんはどなたかに預けていますか?

上の子は幼稚園に、下の子も週3回だけ保育園に通っているので、自転車に乗せて私が送って行きます。お迎えも行けるときは行きますし、間に合わないときはお願いすることもあります。

あとは近くに住んでいる親戚が交代で家に来てくれます。身内という安心感もありますし、助かりますね。


―― 仕事に行くとき、お子さんに泣かれたりしませんか?

姉妹ともども1歳半くらいのときがピークで、下の子がちょうどその時期を脱したところです。
見てくれる親戚が家に来ると、私が仕事で出かけるのを察して泣きながら抱きついて来るんですよね。

そういうときはどんなに泣かれても、「夕飯のときには会えるよ」とか「今日は寝る時間には間に合わないけど寝た後に帰るからね」と、帰宅時間やマイナスの情報も正直に伝えるようにしています。

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理解できているかは分かりませんが、ごまかして伝えたり、何も言わずこっそり出て行ったりは絶対にしないようにしています。
子ども心に「だまされた」と感じたら、次から信頼してもらえなくなると思うので。約束した時間に帰ってくると分かれば落ち着いてくれますしね。

両立という考え方には違和感

―― 子育てと仕事の両立、バランスの取り方はどうされていますか?

「両立」という言葉には、正直とても違和感があるんです。
「子どもが2人いて、どちらも愛するのは大変じゃないですか?」と聞かれるのと同じくらいナンセンスに感じます。

私にとって仕事は、社会とつながる大切な空間で刺激でもあり、大人と会話をして、自分の考えを発信できるところ。

一方、子育ては家族とのつながりや絆をじっくり育てて温めるところで、自分が親から受け継いだものを子どもに伝えるもう一つの発信の場。
両方とも大切で、どちらが欠けても私はバランスを失うと思います。

産後数カ月は専業主婦でしたが、子どもとだけ接している時間は楽しいけれど正直つらくもありました。今でも週末3〜4日ずっと子どもと一緒にいると、かなり疲れてしまいますね(笑)。

専業主婦のお母さんたちは自分のための時間が少なく、人のために尽くす時間ばかりで、モチベーションを保つのは本当に大変だと思います。体力も精神力も必要。私からしたら「真の勇者」ですよ。


―― 仕事を再開したことで救われた部分もあるんでしょうか?

私の場合はそうですね。話の通じる大人のコミュニティで過ごすことで、発散できている部分はあります。周囲から刺激を受け、静かにものを考えたり、集中して何かに取り組むことで、本来の自分の人格を取り戻しているような気がします。

だからこそ「ただいま!」と笑顔で家に帰れるし、仕事で受けた恩恵を子どもに還元できていると思います。

だからと言って、仕事をしている間は子どものことを思い出さない訳でもないんです。常に頭の片隅に存在があるし、それが仕事の現場で生かされることもあります。子どもを生み、育てていることで武器が一つ増えたような感じです。

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―― ずっと家で子どもといることで煮詰まってしまうお母さんたちは多いですよね。

これは日本社会の問題でもありますよね。日本は「母たるもの」という理想のお母さん像が強すぎるような気がします。
シッターさんに預けるのも憚られるような空気がありますが、一度その価値観を手放して、「子どもはみんなで育てるもの」と考えたらどうかなって思うんです。

母乳かミルクかの論争もそうですよね。
完全母乳じゃなきゃ……と悩むお母さんもいるけれど、子どもたちが大人になったとき、「実は私、母乳じゃなくてミルクで育ったんだよね……」って真剣に悩むことは絶対にないですよね(笑)。

お母さんたちが自分自身を締め付けて、苦しまないようにしてほしいな。もっと自分の時間をもって、マッサージへ行ったり友達と映画を観たり、どんどんやったらいいと思います。もっと伸び伸びと楽しく、柔軟に子育てしていけるといいですよね。


―― 1人で抱え込み過ぎないようにしたいですね。

私も以前は、仕事のために子どもを預けている時間を、「私がやらなきゃいけないことをしていない時間」と思っていました。

でも私1人が子どもに与えられるものには限りがあります。私と一緒のときは私の100%を、他の人と一緒のときはその人の100%を受け取る。いろんな人の愛情や教育を受けたほうが、丸くて幅の広い人間に育つと思うんです。

信頼することでラクになれた

―― 預ける相手とご自身の子育ての考え方が違う場合はどうしていますか?

それはいろいろ思うところはありましたね。
たとえば「そのお菓子はまだ早いからあげないでほしい」とか「そういう場合は叱ってほしい」とか。
でも自分がどんなに理想を高く頑張っても、どんな人間になるかは本人次第ですよね。

他の人に甘やかされて一時的にわがままになったとしても、成長するにつれ「野菜を食べたほうが体調がいいな」とか「早く寝たほうが疲れが取れるな」とか、自分で気づいて修正される時期が来るんじゃないかと。

だから些細なことは気にしないようにしています。それよりも本人が毎日ワクワク・ドキドキして刺激を受けて笑っていることが大事だから。


―― 子どもを信頼する、ということでしょうか。

そうですね。でも最初からできていたわけではありません。

私も子どもを産んですぐの頃は、「こういう母親になりたい」とか「母親としてこうしたい」という理想像がありました。

でも私の理想通りの子育てをしてほしいという欲求や、それが心配だから人に預けられないというのは、全部私の問題だと気づいたんです。

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心配しなくても、長い目で見れば私の教えに多く影響を受けてくれるだろうし、子どもがいずれ自分で判断できるようになるはず。そうやって子どもを信頼すると同時に、自分自身の子育てや任せる相手のことも信頼しようと。

そう考えるようになったら、気持ちがとても楽になりました。


―― 人に預けるのも簡単ではないんですね。

最低限、子どもの命に関わることだけは伝えています。
たとえば、上の世代の方はおおらかなところがありますが、時代は変わっていることを伝え、「人混みでは絶対に1人にしないでください」としっかりお願いすることもあります。

あんまり細かいことを言っていると誰も預かってくれなくなるので(笑)、本当に命に関わることだけですけどね。

赤ちゃん期よりも面白くなってきた

―― 子育てをしていて楽しいと感じることは?

子どものできることが一つ一つ増えていくこと、昨日までできなかったことが急にできるようになることが本当に楽しいです。

下の子がだんだん話せるようになってきて、姉妹でやり取りしながら話しているのを見ると、「うわぁ“人”になっている!」と感動します。昨日まで赤ちゃんだったのに……と。

2人でふざけていても、ふざけるという発想があることに驚きます。ボケてみたり、笑わせようとしたり。この子って面白い子だったんだと新たな発見をすることも。その子らしさが少しずつ出てくるのが楽しいですね。

生まれたての赤ちゃんのかわいさも格別ですが、私は赤ちゃんから人になっていく幼児の頃が反応もあって面白くて好きです。

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―― 逆に大変なことはどんなことでしょうか?

生まれたばかりの頃は子どもの生活リズムもなくて、お昼くらいまで寝てしまうこともありましたが……今では夜どんなに遅くても、必ず朝6〜7時には起きて食事も作ります。
おかげで睡眠不足で、常に眠いです。

4年前に妊娠してから、ずっと授乳が続きました。子どもから「もういい」と言われるまでおっぱいをあげたくて、次女が生まれた後もずっと2人にタンデム授乳といって、両胸で同時におっぱいをあげることを続けていました。

両胸で授乳をすると、本当に疲れるんですよ。体が乗っ取られるような感覚というか……今にも鬱になりそうでした。

結局ホルモンバランスの崩れもあって、精神的にも肉体的にも限界だと思い、上の子の断乳をすることにしたのですが、これまた親子にとって大変な関門でした。

断乳が親子で大きく成長するきっかけに

―― 卒乳や断乳で悩むお母さんたちは多いですよね。

私は何事もとことん調べて知識をつけて戦うタイプなので、授乳のこともかなり調べました。英語で書かれた記事もよく読みます。

ある記事によると、授乳に栄養的な意味があるのは1歳くらいまでで、1歳以降の授乳は「心の栄養」として、子どもやお母さんが欲している期間は続ければいい。でも、どちらかがストレスを感じるようになったら、それが止め時なのだと書かれていました。

その記事を読んだとき、「そうか、私にストレスがあるなら、止めてもいいんだ」と気持ちが楽になりました。私が我慢していることは、子どもにも伝わってしまう。それが分かって背中を押されました。

でも一方で「自分の勝手で長女からおっぱいを取り上げるのか」とも思ったり、いろんな感情が渦巻いて、行ったり来たりを繰り返した結果、断乳を決心しました。

断乳で悩むママの気持ちは痛いほどわかります。でも、たとえ授乳をやめても、愛情をかける方法は他にもいろいろあるので、あまり思い詰めないでほしいなと思います。


―― 具体的にどんな風に断乳を進めましたか?

2週間前から毎日カレンダーにバツをつけて、「この日におっぱいにバイバイしようね」「そろそろ終わるよ」と話し続けました。

当日の朝に「これが最後だよ」と言い聞かせて、「今日の夜はおっぱいなしで寝ようね」と。その日の夜は特別に、ミルクにはちみつを入れたものをあげましたが嫌だと返されました……。

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本を読んだり、歌を歌ったり、抱っこしたり、いろいろな手でなだめすかして。そのなかで彼女が私の胸を触ってきたんですけど、自分でハッと気づいて手を引いたんです。

それを見て「この子は我慢している。飲んじゃいけないってわかっているんだ」と。2歳の子どもが我慢している姿なんて初めて見て……長女が眠った後、私は号泣してしまいました。


―― 母としては切ないですね……。

でも子どもからおっぱいを奪うという意識に囚われがちですが、断乳というハードルを課したことで、大きなものを与えられたのかもと思います。
おっぱいを懸命に我慢して、彼女は大きく成長した。その後も「おっぱいバイバイだもんね」と私に言いに来たりして、その度にぎゅーっと抱きしめました。

そのまま授乳を続けていたら、彼女の成長の機会を奪っていたかもしれない。つらい思いは子どもを成長させるし、その機会を与えられるのも親だけです。

それまでは「してあげる」ばかりでしたが、あえて課題を子どもに与えるという親の責任を初めて感じました。断乳をきっかけに、ストレスを乗り越えることで子どもは成長するとわかり、子どものわがままを突っぱねたり、叱ること にも自信がつきました。

あの日の出来事は、子育ての中でも大きな経験でしたね。


プロフィール
SHELLY
1984年生まれ、神奈川県横浜市出身。スターダストプロモーション所属。
14歳の時にモデルデビューし、『CUTiE』『spring』『Zipper』などの雑誌にて活動。
現在は情報番組のキャスターやバラエティ番組などの司会としても活躍。唎酒師の資格も持つ。
2016年に第一子の女児、2018年に第二子の女児を出産。
日本テレビ『今夜くらべてみました』、日本テレビ『ヒルナンデス!』、AbemaTV『Wの悲喜劇』などに出演中。

※ この記事は2024年11月15日に再公開された記事です。

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