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公開 2019年12月25日  

兄弟が教えてくれた。一時保育で「いってきます」が必要なワケ<第三回投稿コンテスト NO.17>

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2歳の次男を一時保育に預けた際、泣くと困るからとこっそりと出てきてしまったにじいろさん。4歳の長男に「いってきます」は絶対に言わなきゃダメだ、と言われ…。子どもたちの意外な気持ちを知ることができたある日のできごとです。



我が家は4歳の長男と、2歳の次男の2人兄弟です。

地域の公立幼稚園が2年保育なので普段は2人とも家にいるのですが、用事や私のリフレッシュのために月に3~4回、保育園の一時預かりを利用しています。

時にはひとりだけ行かせることも…

先月は、来年に迫った長男の幼稚園入園の為の健康診断や制服採寸などがあり、次男だけ保育園に行ってもらう日がありました。

長男は毎回冷静に「バイバイ」ができますが、まだ2歳の次男は日によっていろいろです。

私に見向きもせず喜び勇んで教室に入っていく日もあれば、先生に抱かれて涙の別れを繰り広げる日もあります。

この日は私の足にしがみついて「いやんのーー」とぐずっていました。


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(今日はお兄ちゃんもいないし、可哀想だな。お兄ちゃんが帰っていくところは見ないほうが良いかな。)

そんな風に考えていた私の隣で、長男が次男の頭をなでながら言うのです。

「(次男)ちゃん、お兄ちゃんとお母さん、また迎えに来るから大丈夫やで。」

(おいおい、マジか!こっそり退場しようと思ってたのに!)

幸い次男はピンと来ていないのかちゃんと聞こえていなかったのか、特にショックを受けたような様子はありません。

「(長男)くん、そんなわざわざ知らせないであげて、このまま行こう」

長男に小さくそう伝え、先生に目配せとお辞儀をして、次男には特に声をかけずそのまま教室から出ました。


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さて、久しぶりの長男と2人の時間です。

4歳男児らしく激しい瞬間も増えてきましたが、基本的に賢くて優しい長男です。

我慢させていることも、寂しい思いをさせていることもたくさんあると思います。

(今日は1日優しくしてあげよう。幼稚園の用事の後には、2人でお茶でもしようかな♪)

そんなことを考えながら、長男と手をつないでルンルンしている私に、長男がポツリと聞くのです。

「お母さん、さっきどうして(次男)ちゃんに『行ってきます』って言ってあげなかったの?」

口調も表情も穏やかですが、長男の言葉の中に私を責めるようなニュアンスが含まれているのを感じます。



「だって、(次男)ちゃんはお兄ちゃんがいないってわかっていないのに、わざわざ知らせたら可哀想でしょう?寂しくなってしまうやん。」

そう答えた私に、少し困ったような表情で長男が続けます。

「でも、『行ってきます』って言ってくれなかったら、迎えに来てくれないかと思っちゃうから…」

(えっ!?そうなの??)

私の中に静かな衝撃が走ります。

「えっ、(長男)くん、お母さんが『行ってきます』って言うから、迎えに来てくれると思って安心して保育園行けるの?」

そう長男に尋ねてみると、

「うん、そう。」


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…そうだったんだ…

保育園に行きたいとか行きたくないとか、いろいろ言う時はあっても、毎回機嫌よくバイバイして、保育園では1日楽しく過ごし、機嫌よく帰ってきていたので、そんな風に考えているとは思いもよりませんでした。

これは私の想像に過ぎませんが、おそらく保育園では先生が泣く子に、「大丈夫よ、ママ『行ってきます』って言ってたでしょう?また『ただいま』って帰ってくるよ」

と声をかけてくれているのだと思います。



長男はそれを聞きながら自分の中で消化し、自分と私のやり取りにも当てはめていたのでしょう。

長男が保育園で楽しく過ごしているのは本当だと思います。

でも、きっと毎回少し不安な気持ちを抱えていたのかもしれません。

そして、その日ひとりで保育園に行かなければならない弟の気持ちに思いをはせて、「大丈夫だよ」と言ってあげたのでしょう。


なんていじらしい。

なんて賢い。

なんて…優しい…。


4歳児にそんなに深い思考があることに驚かされ、長男がそんなに成長していたなんて…と嬉しい反面少し寂しくもありました。

でもなにより、弟想いの優しい気持ちに感動して胸が震える思いでした。


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子どもも、目に見える表面上の感情だけではなく、もっと複雑で深い気持ちを抱えているんだと改めて気付かされた出来事でした。

それ以来保育園に送り出す時には、大げさに

「行ってきます!お母さんおうちのお仕事頑張るね!」

とハグしてほっぺにチューして別れを惜しみ、お迎えもできる限り一番乗りで行くようにしています。

「おかあさーん!」

と駆け寄ってくる息子たちが、これまで以上に愛おしく感じられる今日この頃です。


(ライター:にじいろ)


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※ この記事は2024年11月05日に再公開された記事です。

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