赤ちゃんの歯の生える時期と、虫歯から守るために気をつけたいことのタイトル画像
公開 2015年05月19日  

赤ちゃんの歯の生える時期と、虫歯から守るために気をつけたいこと

793 View

泣いて、おっぱいやミルクを飲んで、眠る……の繰り返しだった生後間もない赤ちゃんに、やがて、前歯が生え始めます。お母さんやお父さんにとっては宝石のように見える、かわいらしい赤ちゃんの歯。歯はどのように生えていき、虫歯から守るためにはどんなことが必要なのでしょうか? 


赤ちゃんの歯の生える時期

子どもの発達全般と同じように、歯の生え方にも個人差が大きいものですが、大まかに見て、各部位の乳歯が生え始める時期があります。



・生後6ヵ月以降:前歯が生え始める。

・1歳前~1歳代前半:前歯8本がそろってくる。

・1歳半前後:奥歯が生え始める。

赤ちゃんの歯の生える時期と、虫歯から守るために気をつけたいことの画像1

歯みがきはいつから?

歯が生えてくると気になってくるのが「歯みがきはいつから?」という疑問。乳歯の前歯の生え始めは、よだれの量も豊富で、母乳やミルクを洗い流してくれるそうです。歯みがきはまだしなくて大丈夫ですが、お口の中をきれいにするという習慣づけのために、授乳後に、湿らせたガーゼなどでおそうじをしてあげてもいいでしょう。



離乳食のあとに湯冷ましを飲む習慣をつけてあげると、お口のそうじになります。湯冷ましを飲ませる時は、スプーンを使ったり、多少こぼれてしまってもコップで飲ませる方が、口の中がすっきりします。

虫歯を防ぐには?

そして、お口の中の掃除の習慣づけも大切ですが、歯の生え始めから2歳代ぐらいまでは特に、虫歯の原因であるミュータンス菌の口内への侵入を防ぎましょう!虫歯は、「ミュータンス菌」が大人から赤ちゃんに感染することでできてしまいます。



ミュータンス菌は以下のような性質を持っています。

・唾液を介して感染します。

・一度感染すると、一生口の中から排除できません。

・完全に排除することはできないが、うがいや歯磨きで減らすことはできます。

ミュータンス菌の感染を防ぐには?

ミュータンス菌の感染を少しでも防ぐには以下の点に注意してください。



・かわいさのあまりの過剰なキスはNGです!

・スプーンや食器に、その子以外の人の唾液がつかないようにしましょう。

・離乳食の味見、温度見のときもスプーンを別にしましょう。

・赤ちゃんと日常的に接する家族も、虫歯を治しておきましょう。

虫歯のできにくい歯にするために

初めての歯が生えてきてから2歳半ぐらいまでの間の感染に徹底的に注意しましょう。その頃を過ぎると、他の菌が口の中に入ってくることもグンと増えるため、ミュータンス菌が口の中に入りづらくなるそうです。特に、ミュータンス菌の大好物である、甘いものを控えることがおすすめです。



また、口の中の食べ物の滞在時間を減らしましょう。甘くないからといって、ソフトせんべいなどをダラダラ食べるのも好ましくありません。最後に、汚れを流してくれる唾液の量は、寝ている間は減ってしまうので、寝る前の歯磨きは欠かさないようにしましょう。

「かむこと」と「歯並び」の関係

奥歯は、最初はみんな斜めに生えてくるそうです。その奥歯をまっすぐにしていくために欠かせないのが、「よくかむ」こと。離乳食期から、あごや歯を使う食べ方を経験できるように、食材のやわらかさや固さに気を払ってあげましょう。



また、歯と歯の間が空いている「すきっ歯」を気にするママたちも多いようですが、逆にすきっ歯でいいのだそうです。キツキツに詰まって乳歯が生えてきているということは、その後に永久歯が生えてくるのに十分なスペースが足りないこともあるのです。



こうして見てくると、赤ちゃんの時期のお口の中の環境が、その後の人生のお口の中の健康を左右するといっても過言ではないようです。赤ちゃんの歯、守りながら育ててあげたいですね。



※「虫歯」、「かむことと歯並びの関係」については、2012年度函館市子育てアドバイザー養成講座の中で、歯科衛生士養成学校の先生から伺ったお話を参考にまとめました。

Share!