私は、現在4歳になる娘がいます。
今回のお話は「娘が初めて歩いた日のお話」です。
産まれたばかりの新生児時代の娘は、よく泣く子で泣き始めた時は私より、里帰り出産で実家に居た間は私の母の抱っこの方で落ち着く子でした。
あまり母乳は飲まない子で、ミルクを幸せそうに沢山飲む子でした。
私の抱っこより祖母の抱っこ、母乳よりミルク…。
今でこそ笑い話にしていますが、当時の自分は
「娘に母親として認識されていないのではないのだろうか?」
「本当はこの子の母親ではなかったのではないだろうか?」
元々のネガティブな性格と産後の鬱っぽさもありそう考えていました。
口にしてしまうと本当にそうなってしまう気がしたので、誰にも言えずに一人で抱えていきました。
自信がなかった0歳育児。待ち望んだ「1人歩き」より嬉しかったこと<第三回投稿コンテスト NO.19>
7,089 View現在4歳の娘さんを育てられている、さいたまさとさん。娘さんが初めて歩いた日の感動は、ただ単に、成長に対する喜びだけではなかったそうです。
生後3ヶ月を過ぎ、ちょこちょこ子育て支援センターにも行くようになりました。
本来私は、あんまりアクティブな性格ではないのですが、支援センターでの娘は物凄く機嫌よく、他のママさんにも笑顔を振りまいていました。
家に1日いれば、泣き通すこともあり、人見知りもほとんどすることはなかったので、支援センターには定期的に行くようになりました。
抱っこは、あまり好きではなく特に抱っこ紐を凄く嫌がる子だったので、移動はもっぱらベビーカー。
「抱っこ大好きで抱っこじゃないとダメなのよ~」と困った顔をして話すママさんがなんだか少しだけ羨ましかったです。
いつしか私は
「もしかしたら、本当は娘は間違って私の所にきてしまった子で、いつか本当の母親が迎えに来るかもしれないから、その時までにしっかりこの子を育てていかなければ!」
と思うようになりました(今にして思えば、かなり無理のある現実逃避でした。)
寝返り、ハイハイ、つかまり立ちが他の同じ月齢の子よりものんびりで、皆でつかまり立ちをしてる写真の中うちの娘だけ後ろで私が支えてるという写真が残っていて、自分自身が他人と自分を比べては自分の至らなさや不甲斐なさにへこむことが多かったので、子育てに関しては「他の子に比べてうちの子は…」という考えはしないようにしようと心に決めてはいたものの、こうして写真で見てしまうとなんともいえない気持ちになりました。
それでも基本的には「娘がやりたいと思わないなら、無理にやらせる必要はないけど、『こういうこともできるようになる』というアシストはする」という方針の元娘の機嫌のいい時に少しずつサポートしていきました。
ところがある日とある歩きはじめが早かった娘さんを持つママに「娘ちゃんが歩かないのは、ママの努力が足らないせいだよ」と言われて物凄く落ち込みました。
それでも「うんしょー よいしょー」と言いながらお尻でいずりばいをしている娘を見ながら「そうだよ、なんか喋る方は他の子より流暢だし、この子はこの子なりに一生懸命成長してるんだから、きっと大丈夫!」と思うようにしました。
そして1歳前に壁に手をついてつたい歩きができるようになりました。
そして、これまで通り機嫌のいい時に歩く練習をしながらのんびり歩きはじめるのを待っていた、丁度1歳3ヶ月を迎えた日、伝い歩きをしていたはずの娘がゆっくりと私に近づいてきました。
私に近づくには壁を伝わずに歩けないと近づけない所にいたので、最初は、驚いて声が思うように出ませんでした。
もう一度それを確認したくて少し後ずさって「おいで…」と声をかけるとゆっくり足を踏み出して1、2歩ゆっくりと歩きました。
「凄いね!!頑張ったね…。」
頭を沢山撫でて娘が歩き始めたことを褒めました。
娘が歩き始めた事も勿論嬉しかったのですが、私に向かって歩いてくれた事が娘はちゃんと私を親としてみていてくれた事が、ずっと自分の中で燻っていた「娘に母親として認識されていないのではないのだろうか?」という思いを消す力がありました。
この娘の「はじめてのいっぽ」の思い出は、私の心の支えで「どんなに周りと比べて成長が遅くても焦らず根気強く見守っていれば、いつかできるようになる」という自信にもなりました。
その後娘は、抱っこやハグも大好きになり、離れたところで両腕を広げて「おいでー」と呼べば、笑顔で走って抱きついてこようとするし、抱っこも15kgを超え抱っこがしんどくなってきた今でも「まま、『だいすき』して」と巧妙に抱っこをねだる様になりました。
---抱っこしても泣き止まないからあまり積極的に抱っこをあまりしなかった。 ---
そんなちょっとした罪悪感もあり、今日も「ママ大好き」に負けて抱っこ継続中です。
(ライター:さいたまさと)
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