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公開 2019年12月29日  

お散歩前に、上の子がイヤイヤ発動!汗だくからの、感動の展開<第三回投稿コンテスト NO.23>

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当時4歳の娘さんと、2歳で双子の息子さんたちを連れて、お散歩に行こうとしたかりんさん。娘さんの「イヤイヤ」にから始まった、ある日の「エモい」お話です。



“ひめ”は早産で3月生まれ。

同学年の子より丸々1年分、成長がゆっくり。

同学年のお友達と同じようにできないことが多い。

学年は2つ下だけど、年子の双子の弟たちがわちゃわちゃしている毎日の中で、我慢がいっぱい。

気持ちを言葉にして伝えるのは、まだまだ難しくて…保育所でも家でも、大きな声を出したりと不安定。

仕事に子育て。

日々、生活するだけで精一杯。

私は何にもしてあげられてない。

ゆっくりと一緒に成長していきたい、そんな気持ちとは真逆の慌ただしい生活。

長女“ひめ”4歳。双子の弟“たろ”と“じろ”2歳ときのことです。


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この日も、家の中で遊べることは、一通り遊びつくしてしまい…さて、お散歩にでも。

お散歩に行くときは、必ず手をつなぐことがこのころの我が家のお約束。

ところが…やっぱりというか、そうですよね、というか。

ここのところ、おへそが曲がりやすく、先に言われてしまったことは、素直に行動に移すことが難しい“ひめ”は、案の定。

「おててはつながないの!ぜったいに…」

…はあぁ。

そうですよねーと思いつつ、さて、どうしたものか。

私の横には、すでにお散歩行く気まんまんの“たろ”と“じろ”が。

ほっぺを真っ赤にして、目をきらきらさせて、私を見上げている。

ここで「おててつなげないなら、お散歩、中止!」は、ありえない。

こんなに楽しみにしているお散歩。

自分たちはお約束通り手をつないで、靴だって頑張ってはいた“たろ”と“じろ”。

きっと“ひめ”だって、手をつなぎたくない気分ではあるかもしれないけど(言っちゃっただけで、別につないでもいいのかもしれないけど)お散歩には行きたいはず。

そして、なにより…

(3人の気持ちを壊したくない気持ちも、もちろん本当だけど)

…このタイミングで中止を聞いた“たろ”と“じろ”の落胆ぶり、そして荒れ狂いぶりを想像しただけで、フォローする自信のかけらもない私のためにも、なんとか、お約束を守る線は越えない状態で気持ち良くお散歩に出発したい!!


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このころの“ひめ”は、かなり頑固で言い出したことは、納得しないと絶対にやらない。

私にとって恐怖の「ぜったいに…」

このタイミングで、出ましたか。

あまり、アイデアがたっぷり詰まっているとも言いがたい私の頭の中で、なんとか折衷案をひねり出して。

おもちゃ箱から、なわとびを2本取り出して大きな輪っかを作り

私「電車で行くひとー?」

たろ・じろ「はーい!」

ひめ「電車、好きなの、“たろ”と“じろ”でしょ」――だめか

指人形つきの手袋を出してきて

私「“ひめ”はこれはめてから、おててつなぐ?」

ひめ「……」

両手を後ろで組んで、体を左右に振る。――これもだめね

敵ながら、あっぱれというか、私のアイデアの乏しさというか。

そんなこんなで、非常にもたもたしていると“たろ”と“じろ”の様子に変化が。

まずい!このままでは、ご機嫌な2人まで、ぐずりだす気配。

…あ、そういえば、“ひめ”は最近、お姉さん心をくすぐると、積極的にお手伝いしてくれるなぁと思い出し、よし!だめもとで。



私「お散歩さ、ママは“じろ”を守るから、“ひめ”はお姉さんだから“たろ”を守ってくれる?」

めちゃめちゃ小声で、秘密の相談みたいに。

すると、あっさり

「うん」

さっさと、自分から“たろ”の手をにぎり…

えー!いいの?めちゃくちゃ、手つないでるけど。

と心の中でつっこみつつ、とりあえず、なんとか無事にお散歩へ出発できました。


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“ひめ”と“たろ”。

その後ろを私と“じろ”。

狭い道路の端っこをゆっくりお散歩です。

すると、歩き始めてすぐに、歩道側を歩いていた“ひめ”が慌てて“たろ”の手を離し、反対の手を握り直して自分が車道側に。

(あれ?これって、もしかして、自分が車道側を歩いて、“たろ”を守ってくれてるってこと?…いやいや、偶然?車道側を歩きたい気分だったの?)

と思いつつ、家を出てすぐの道路は、道幅が狭い割には車の通りもそこそこあり、3人を無事お散歩させることに若干神経質になる場所だったため、口には出さずにお散歩続行。

安全な大きい通りに出たら、確認しようと思っていると、“ひめ”は誰に話しかけるわけでもなく「“たろ”ちゃん、車にひかれちゃったら困るから」と。

感動の嵐。

「車道側を歩きたい気分」じゃなかった!弟が車にひかれないように、お姉さんとして、きちんと守ってくれてたんだ!

優しい気持ち・お姉さんとしての自覚がちゃあんと育っているんだなぁと成長をかみしめつつ、大通りに出たら、いっぱいほめてあげようと…私はうるうるしつつ、車に目を光らせつつ“ひめ”のちぃさい背中を見て歩いていました。

すると、さらに小さな声で“ひめ”がボソッと一言

「“ひめ”ちゃんだって、ひかれちゃったら困るんだけど」


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限界です。

涙腺崩壊。

嬉しいやら、おかしいやら。

そして、なにより…愛しい。

自分の感情がぐるぐるになってしまい、思わず、お散歩ストップ。

あんまり安全な道じゃないのに、端っこで小さくなって3人をぎゅーっとしてしまいました。

この子たちは、確実に成長していってくれている。

今の私は足りないとこだらけ。

このままでいいの?

不安や反省、落ち込むことも多いけれど……

ちょっとだけ、肩の荷がおりたようなそんな気持ちでいっぱいになりました。



(ライター:かりん)


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※ この記事は2024年11月19日に再公開された記事です。

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