わたしの長所は自他ともに認める“ポジティブ”です。
就職時の面接でもアピールしたほど。笑
でも、ポジティブだけではやっていけないのが育児というもの。ネガティブはもちろん、それらでは説明できない様々なことを感じながら日々を過ごしています。
今回お話ししたいのは、次女の出産時のことです。
超ポジティブなわたしが突然ネガティブに。2人目出産で抱えた不安<第三回投稿コンテスト NO.42>
18,464 View自他ともに認めるポジティブ思考の「りお」さん。第2子の出産直前、予期せぬトラブルでネガティブになってしまったのですが…。
長女が2歳を迎えた頃に妊娠がわかりました。
子どもが2人になる喜び・楽しみと、2人の子どもを育てられるのかという漠然とした不安。
でも、2人目を希望していたので、喜びの方が大きかったです。
つわりは食べつわりで、食べていれば不快なく過ごせました。
長女がイヤイヤ期にさしかかっていたものの、主人の協力もあり妊娠中は大きなトラブルなく経過しました。
長女のときと同様に、里帰り出産で予定日の2週間前に隣県に帰省する予定となっていました。
予定日の3週間前の検診で
「子宮口が柔らかくなってきているから陣痛が来たらすぐ生まれるかも。内診でもあまり刺激しないようにするね。」
と主治医から話がありました。
【経産婦は第一子の半分くらいの時間で生まれることが多い】
と聞いていたので、すでに臨月に入っておりいつ生まれてもおかしくない時期ではありましたが、『そんなに早く出てくるの?』と内心焦っていました。
しかしすぐに産気づくことはなく、無事に長女とともに里帰りできあとはそのときを待つのみとなりました。
長女の出産時は、陣痛間隔が5分となりいよいよ我慢できずに病院に行ったら5時間半で生まれました。
予定日より1週間ほど早かったです。
もういつ生まれてもおかしくない時期。
長女より時期的にも、時間的にも早く生まれてくることが予想されています(と主治医や助産師と話すたびに言われていました)。
けれど予想に反してなかなか産気づきません(予定日まで10日あるのでおかしくないのですが・笑)。
そして予定日3日前の未明、とうとうじわじわ痛みがやってきました。
まだ我慢できるけど…、もう間隔は7分。
朝でもいいかと思い寝ようとするけど眠れないくらいの微妙な痛み。
何よりも「陣痛が来たらすぐに生まれるよ!」の一言が後押しとなり、病院に行くことにしました。
内診の結果、子宮口2cm。
「本格的な陣痛が来たらすぐに生まれるよ!」と助産師さんは早々に分娩台の準備、痛いながらも余裕がある私はまだ主人と雑談していました。
「何かあったらコールしてね」と、分娩室を後にされました。
時折助産師さんや産婦人科の先生が入れ代わり立ち代わり様子を見に来てくれました。
そのたびに「もうちょっとしたらするっと生まれるよ」。
その言葉を信じて、徐々に強くなる痛みに耐えていました。
思い通りに出産できると思ってはいないものの、ここまでスピード出産を示唆されるとなかなかお産が進まないことにだんだんイライラしてきました。
正午が過ぎた頃、昼食を出されるもほぼ食べられませんでした。子宮口が7cmになったこともあり、そろそろ分娩台に上がろうかとなりました。
分娩台で内診してもらうと、赤ちゃんが反対に回旋して頭が骨盤に引っかかっていることが判明。
反対に回ってもらわないと出てこられない、と助産師さんから説明がありました。
そして逆子体操の要領で、頭がいい位置に向くように四つ這いで陣痛に耐えていました(クッションを利用しているので逆子体操ほどハードな体勢ではありません)。
しかし一向に頭は回りません。
ほぼ1分おきに陣痛がきている中、陣痛中は痛いと叫び(笑)、痛みが落ち着いているときには眠ってしまうような状況になってきました。
陣痛に耐えている間はいろんなことを考えました。
『長女はおばあちゃんと2人で大丈夫かな。』
『主人は(もう何時間も腰をさすり続けてくれていて)大丈夫かな。何も言わずしんどいね、ごめん。』
しかし他者を思いやる余裕はほぼなく、脳内思考の9割5分は
『(赤ちゃんに対して)なんで反対回ってるの!』
『(付き添ってくれてる助産師さんに)パソコンばっかり見てないでお尻押さえるの手伝って!』
『もうお腹切ってもらった方が楽かな…。』
『早くこの状況から解放して!』
やっぱり、「早く生まれる」と言われていたこともあり、思いのほか長くなった陣痛はしんどいものでした。
ストレスは相当。
脳内思考の半分くらいは口に出てしまっていたと思います(苦笑)。
そんな中、よぎってしまったのが
『こんな痛い思いをさせられて、これからこの子をちゃんと愛せるのかな…?』
【陣痛の間は赤ちゃんも痛い中、頑張っている。】
【頭の形を変えてまで生まれてこようと頑張っている。】
【無事に生まれてこれないいのちもあるのだから、元気に生まれてこられるだけで奇跡。ありがとう。】
妊娠中の母親教室で聞いた、陣痛中というしんどいイメージのものをポジティブに変えてくれる言葉。
長女出産時はそれで乗り切れましたが、今回はそれよりも痛みに耐えるストレスが勝ってしまいました。
これからもっと自分の思うようにならなくてストレスを抱えること、たくさんあるし、そもそも育児というものが自分の思うようになるわけがないのだけれど、
そのたびに『(長女と比べて)あなたのお産はしんどかったものね』と、ことあるごとに押し付けてしまわないだろうかと…。
とても不安な気持ちになりました。そしてそんなことを考えてしまった自分にとても悲しくなりました。
赤ちゃんの向きが治らないまま、子宮口は全開に。
主治医の判断で、人工的に破水させてお産を進めることに。
いきむとどんどんお産が進み、10回といきまないうちに無事に生まれてきました。
産声を聞いて、「終わった…」正直にそう思いました。
無事に生まれてきた安堵よりも、陣痛が終わった開放感の方がはるかに大きかったです。
長女の産声を聞いたときは号泣しましたが、今回は産声を聞いても泣きませんでした。
助産師さんが赤ちゃんを抱っこさせてくれました。
頭が骨盤に引っかかっていた証、おでこの左側は赤くなっていました。
『なんで反対回ってたの。しんどかったよ。でも、無事に元気に生まれてきてくれてよかった。』
自然と、涙は流れました。
主人が写真を撮ってくれました。
意識していなかったのですが、自然と笑顔になっていました。
一生懸命泣いている次女とは対照的に。
その写真を何度見返しても、見返さなくても、この子の出産時のこと、考えていたことは鮮明に思い出されます。
そして、そのときの不安とは正反対に、しっかり愛せています。かわいくて仕方ないです(爆笑)。
長女にもそれは伝わっているようです。何でも真似したがりの長女。目に見て長女が次女を愛しているのが伝わってきます。
きっとわたしが次女を愛しているのも、周りの目に見て伝わっていると思います。
(ライター:りお)
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