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公開 2020年01月21日  

「育児楽しくない」追い詰められたママを救った、息子の魔法<第三回投稿コンテスト NO.61>

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2人目出産後、上の子が赤ちゃん返り。育児が苦痛になってしまったという、ミドリママさん。そんなママを救ったのは、他でもない赤ちゃん返り真っ只中の息子でした。



息子を出産したとき、私は「この子を悲しませる事は絶対にしない」そう心に誓った。

初めての育児で戸惑うこともあったが、それでも息子の成長を一日一日と見れることが、何よりも幸せで、どんなに大変な夜泣きも大変とすら思っていなかった。

息子が歩けるようになってからは二人で毎日お出かけして、近くの公園を散歩して回ったりした。

息子のヨチヨチ歩きがたまらなく可愛くて、天気のいい日は決まって外遊びをしていた。

息子自身も外遊びが大好きで、公園でのお気に入りは砂場遊びと滑り台で、洋服が泥だらけになるまで遊んでいた。


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「育児ってなんて楽しいのだろう。」

本当に心からそう思っていた。

しかし、二人目妊娠して本格的に悪阻が始まってからというもの、息子と遊ぶことが大変になっていき、家遊びが多くなってきてしまった。

外で遊びたい盛りだった息子にとっては、苦痛だったと思う。

それでもできる限り調子のいい日はなるべく外に出たが、外気の匂い悪阻が酷かったので、中々思うようには外遊びが出来なかった。



その後、下の娘が生まれてからも、突然現れた赤ちゃんに自分の場所を取られたと感じたのか、究極の赤ちゃん返りが始まった。

娘のベビーベットで寝始めたり、哺乳瓶をくわえ出したり、今までできていた着替えや食事も、自分でやろうとはしなくなってしまった。

全て息子なりの抵抗だったのだろう。

息子をなるべく優先にしてきたつもりだったが、息子にとってはもっとママを独占したかったのかもしれない。

しかし現実、パパは仕事が忙しく毎日息子と娘と私の3人で過ごす中、息子だけに集中することはできなかった。


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さらに新生児を連れての外出は大変で、買い物すらままならない状態だった。

私自身も初めての二人育児とワンオペ育児で心身ともに疲れがたまってしまい、娘が生後半年過ぎたあたりから、徐々に育児に対して余裕がなくなってきてしまった。

そして遂には、あんなに楽しんでいた育児に対して

「育児楽しくない」

と思うほどまで、追い詰められてしまったのだ。



そんなある日突然、3歳の息子の前で何故だか理由は分からないが、何か糸がプツリと切れたように、涙が出て止まらなくなってしまった時があった。

そんな私を見て、側にいた息子が驚いた様子で私に言った。

「ママ、虫さんが入っちゃったの?だから泣いてるの?」

私がよく読んであげていた絵本の一説に「虫が入ると大人が怒ってしまう」という話があった。

きっとそのことを思い出していったのだろう。

その言葉を聞いて、私は

「ごめんね。そうみたい・・・。」

というと息子は私の目の前に立ち

「僕が魔法で治すよ!」

と言ってくれた。



そして息子なりに呪文を唱えて一生懸命私を虫から解放しようとしてくれている姿が、とても愛らしかった。

こんなに弱いママなのに、こんなに立派に育っている息子がとても誇らしく思えた瞬間だった。

息子の魔法が効いたのか、私の涙は一気に笑いへと変わり

「本当だ。もう治っちゃった。ありがとう」

と息子を抱きしめた。

「そうでしょ」

と誇らしげにいう息子が可愛くて仕方なかった。

まだまだ小さいと思っていた息子は、しっかりと成長していると感じた。

赤ちゃん返りしていると思っていたけど、こんなにもお兄ちゃんになってきたんだね。


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娘が生まれてから、息子に我慢ばかりさせているのではないか、と自己嫌悪の毎日だったが、ちゃんと愛情は伝わっていたのだ、と思えた。

育児は山あり谷ありで、楽しい時もあれば苦しい時もある。

だけど子供の成長こそが私の喜びであることに変わりはない。息子は優しくて、しっかりと成長している。

それを知れただけで、母になれてよかったと思えた。

そして息子がかけてくれた魔法は未だ効果を発揮している。


(ライター:ミドリママ)


※ この記事は2024年09月16日に再公開された記事です。

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