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公開 2020年01月24日  

息子が「はぐれたイワシ」と重なって…障害を受け入れられた日<第三回投稿コンテスト NO.68>

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わが子の発達の遅れを指摘され、受け入れられずにいた「はぐれ鰯」さん。ある場所で見た光景が、考えを変えるきっかけになったといいます。


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今から三年前、市の一歳半健診へ行った時のことです。

息子はとてもよく動く子供で、検査はスムーズに進みませんでした。

ようやく検査を済ませると、保健師さんに声をかけられ、別室へ案内されたのです。

そこで普段の息子の様子、成長の様子などを聞かれ・・・それが何を意味するのか、その時はよくわかりませんでした。

息子の発達の遅れを指摘されているのだと、気付いたのはしばらく経ってからです。

信じられませんでした。

寝返りも、ハイハイも、歩くのも、他の子よりも早かった息子・・・このまま順調に成長していくものだと、ずっと思っていたから。

―――でも、思えば息子はまだほとんど言葉が出ていない。

目も合いづらい。

呼んでも振り向かない。

突然、目の前の景色が崩れていくような気がしました。

障害があるかもしれない···?

嘘でしょう!

当然すぐには受け入れられません。 

毎日悩み、他の子と比べては自分を責める日が続きました。


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そんな気持ちのまま月日は流れ、息子は2歳の誕生日を迎えます。

誕生日当日、家族で水族館へ行った時のことです。

水槽の中で鰯の群れが泳いでいました。

その中で、何匹か群れからはぐれている鰯もいて・・・その姿が、なんとなく息子と重なったのです。

群れの鰯も、はぐれた鰯も、悠々と泳いでいました。

「たとえ群れからはぐれていても、同じ鰯なんだな···」そう思った時

不思議と頭に浮かんだのは

「息子が息子であることに、変わりはないんだ」

ということ。


どうして、息子を見る目が変わってしまったんだろう。

よく食べて遊んで、笑って・・・息子は何も変わっていないのに。

その日から

「人とは少し違うかもしれない。それでも、息子は息子なんだ」

そう思えるようになりました。


息子のちぃは今年で4歳。

お話はちょっぴり苦手ですが、素直で笑顔がとても可愛い子です。


(ライター:はぐれ鰯)


※ この記事は2024年11月14日に再公開された記事です。

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