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公開 2020年01月30日  

次男妊娠中に要安静の診断…長男を想い、涙が止まらなくなった日<第三回投稿コンテスト NO.84>

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長男が2歳のとき、次男を妊娠したひろみわさん。大変ながらも喜びを感じていた妊婦生活でしたが、ある日、医師から安静を言い渡されます。突然の入院に、長男のことが気がかりでならなかったのです…。



私には4歳の長男(ひっひさん)と1歳の次男(おひなさん)がいます。

これは、次男を妊娠している時の話です。


長男が2歳になってすぐの頃、次男を妊娠していることがわかりました。

当時我が家は共働き。

私は仕事と家事の両立が思うようにできていないように感じたり、悪阻で体調が優れないことがありすべてが順調というわけではありませんでした。

それでも望んでやってきてくれた二人目の子。

嬉しくて仕方がない、大変なことでさえ嬉しい、という気持ちでした。

お腹の子も健診の度に「問題なく大きくなってくれていますね」とお墨付きをいただき、安心していました。


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しかし妊娠21週の時です。

その日はいつも通り仕事。

いつも通りの仕事内容。

でも、なんだか朝からお腹に違和感がありました。

「何だろう。いやな感じ。」

という気持ちを拭うことができず夕方に急きょ受診しました。

すると「子宮口が開きかけている。今の内に手術をして安静にした方がよい」との言葉が。

幸いにもかかりつけの産科は自分の勤務先である総合病院内だったので(私自身は整形外科外来の看護師として勤務していました)、そのまま入院。

頭では医師に言われたことを理解しているつもりでしたが、頭の中にあることは「長男の保育園のお迎え、行けなくなってしまった」「今朝『早くお迎えに来るからね』と約束したのに」「突然ママが帰ってこなくなって泣いてないかな、寂しい思いをしているのでは」など、長男のことばかりでした。

突然始まった入院生活。

写真や動画を見ては息子に対して申し訳ない気持ちや、会えないことが辛く泣いてばかりいました。

その間、私は家族から長男の様子を聞いたり、写真を見せてもらっていましたし、長男が会いに来てくれることもありました。

「長男は元気に過ごしている」「保育園にも頑張って通っている」とよいことばかりを聞いていたし、会いに来てくれた息子は帰り際にいつも「ママ、じゃあね!ちゃんと寝てるんだよ!」と言ってさっさと手を振り帰っていました。

「なんだ。私が思っていたよりも息子にとっては大したことではなかったのかな」と私が少し寂しく感じてしまうほどでした。


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そんな入院生活を経て退院しましたが、基本的には安静である必要があったので正期産に入るまでは私の実家に息子と二人でお世話になることになりました。

夫は仕事が休みの日に来てくれて一緒に過ごす、という生活です。

実家には私の両親、妹、弟が同居しており息子はのびのびと過ごしてくれているように見えましたが、やはり2歳。

まだまだママに甘えたいお年頃。

以前は当たり前のようにしていた抱っこも、お腹に負担がかからないように控える必要があったためできない。

これまで長男が日常的にしていたスキンシップを思う存分にできなくなってしまい、「赤ちゃんが産まれるまではできないんだ。ごめんね。その代わりねんねでギューしようね」と我慢させてしまうことがたくさんありました。

その度に「じゃあ赤ちゃんが産まれたらいっぱい抱っこしてね!」と明るく答えてくれる長男。

素直に受け入れてくれることをありがたいと思いながらも、申し訳ない気持ちは日に日に大きくなっていました。

また、大好きなパパともたまにしか遊ばせてあげられない。

私の都合で長男の生活場所が変わってしまった。

夫にも負担をかけている。

お腹の子を無事に出産するためと分かっていても、自分の不甲斐なさが嫌で仕方がないという気持ちになっていました。


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そんなある日、義母からたまたま「実はママの入院中、寝る前に『ママ、ママ』と長男が泣いて大変だった」「ママに会いに行くときには『バイバイする時に泣いたらママが困ってしまうから泣かずにバイバイしようね』と約束していた」「私に本当のことを伝えると心配で安心して入院していられないと思って黙っていた。またママと一緒に寝られるようになって長男が元気になったように見えるのでよかった」ということを聞き、私の長男への申し訳ない気持ちは最高潮へ。

「どんな気持ちで息子は会いに来てくれていたのだろう」「寂しいのは私だけと思っていたのが恥ずかしい」と。

そんな時でも私のそばで嬉しそうに遊ぶ長男を見て、ふと「ひっひさん、寂しい思いをたくさんさせてごめんね。パパともあまり会えなくてごめんね」と伝えました。

すると、それまでは無邪気に遊んでいた長男が目に涙をいっぱいに溜めて「大丈夫よ。ひっひ、寂しくないよ。」と言って私の頭を撫で、抱きしめてくれたのです。

寂しくないはずがない。

なのに、目に涙をいっぱい溜めて私を励ましてくれている。

2歳の長男にこんなにも大きな言葉をもらえるとは思っていなかったので、驚きやら感激やらで私の涙腺は崩壊し、長男を抱きしめてワンワン泣いてしまいました。

そのことに驚いた息子も一緒に泣き出すというおまけつきでしたが、「ママ泣かないの。ひっひが涙拭いてあげる」とティッシュペーパーで目をゴシゴシと拭いてくれる姿にまた感動。

そして極めつけの「ママ、ひっひがいるから大丈夫よ」との頼もしいお言葉まで。

長男の涙をいっぱいに溜めた表情、抱きしめてくれた感覚は今でもしっかりと覚えています。

きっと一生忘れることはないと思っています。


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あれから約1年半。

あの時お腹にいた次男はやんちゃ盛りで目が離せないようになってきました。

長男は4歳。

「おひなちゃん、靴下履かせてあげるからおいで!」と心強いお兄ちゃんになってきてくれています。

次男も長男のことが大好きで、よく2人で抱き合っています。

私は「ひっひ!おひな!早くしなさい!」と叫ぶ毎日。

日に日に『オカン化』が止まりません。

ついついツノが生えてしまう私ですが、あの時長男にもらった優しさを大切にしたいと思っています。


(ライター:ひろみわ)


※ この記事は2024年10月27日に再公開された記事です。

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