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公開 2020年02月06日  

イヤイヤ期にリングガールのミッション!果たして奇跡は起きたのか<第三回投稿コンテスト NO.106>

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娘がイヤイヤ期まっただ中に、リングガールをお願いできないか、と頼まれてしまったhanaさん。果たして奇跡は起きたのでしょうか…。



母が大切にしている写真の中のに、私がヒラヒラしたかわいいドレスを着てオシャレな帽子をかぶって、すまし顔で写っている写真があります。

父の兄妹の結婚式で花束贈呈をしたときの写真。

最近ではあまり見かけませんが、ン十年前は新郎新婦の姪や甥が、結婚おめでとうの花束を渡す演出がよく行われていて、私も3歳くらいのときにその演出に参加させてもらったのです。

まったく記憶にはないけれど、そのときの写真を見る度に、『私も娘が出来たら花束贈呈させたいな〜』と思っていました。

そんなこんなで、私にも娘が産まれ、娘が1歳半になったくらいの頃、義妹の結婚が決まりました。

そして図らずも義妹から、「ゆーちゃん(娘)にリングガールやってほしいな〜」と打診されたのです。

結婚式の頃には2歳になっている娘。

色々検索してみると、リングガールをやる目安は3歳くらいからとのこと。

ちょっと早いけど…まぁ、なんとかなるんじゃない?!

と、娘がかわいく頑張る姿を見たい私と夫は、義妹の打診を快諾。


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でも、甘かった。

私も夫もなかなか小さな子供と触れ合う機会がなく、2歳児がどんな風なのか知らなかったのです。

1歳半にもなると、なんとなく会話が成り立ったりして、聞き分けもわりと良く、このまま2歳まで成長すればリングガールもできちゃうんじゃない?と安易に考えていました。

が、2歳に近づくにつれ、段々と芽生えてくる自我。

ちょっと気に入らないことがあると、ひっくり返って泣く。

自分が今遊んでるおもちゃは絶対に渡さない。

取られそうになると力ずくで奪い取る。

なかなかの暴君に成長しています。

2歳になる頃にはリングガールが出来るくらい聞き分けの良い子になってるはずだったんだけど。

とまあそんな調子で、結婚式が近づくにつれ、どんどんリングガールができる子のイメージから遠ざかっていきます。

本番1週間前くらいに、義妹に「リングガールは無理だと思う」と一報を入れたほど。

ただ、リングガールにもやり方が色々あって、バージンロードを歩いて指輪を届けるのが本来のやり方で、それが無理なら参列者の一番前の席に座って指輪交換の前に神父さまに指輪を届けるというもの。

後者ならだいぶハードルが低くなります。

前者は絶対に無理!ということだけ伝えて、あとは当日リハーサルしてみて考えるということになりました。


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そして迎えた当日。

この日のために準備したドレスは、買った当初から「かわいいー」と娘もお気に入りでした。

ほら、かわいいのに着替えるよーと着替えさせようとすると、「いや!」と拒否。

おおぉぉまじか。

ここから勝負がはじまるのか。

10分くらい拒否され続けたものの、なんとか言いくるめてドレスを着せ、冬だったので暖かいフワフワした羽織ものも着せようとしたけれどこれまた拒否。

そしてかわいい靴も拒否。

とりあえず会場に向かおうと、いつものジャンパー、いつものスニーカーで出発。

会場に着いて、親族控え室で試合再開。

まずは靴だ。

とりあえず床に置いてみる。

これ履いたら絶対かわいいよー!これ履いたらジュースあげる!とあの手この手で履かせようとするも、あえなく惨敗。

羽織もの然り。

もう、最後は力ずくで泣かれながらフワフワの羽織ものと靴を履かせて、なんとかなだめすかして、いざリハーサルへ!


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式場の一番前の席にスタンバイすると、係の人が脇の通路から指輪が載ったリングピローを娘に渡しに来てくれます。

すると、娘、リングピローを受け取ることを拒否。

(あぁ…)

知らない人から手渡されるのがダメなのかもと、私がまず受け取ってから娘に渡すと、受け取ってくれた。

今度は、2mくらい先にいる神父さまの元へ歩いてと言うも、拒否。

(これダメなやつや…)

ちょっと難しいかもしれないですねという空気になり、リハーサル終了。

じゃあリングピロー返してと言うと、それも拒否。

(や、やばい、ひっくり返らないで…!)


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リハーサルが終わり、無理そうと思った私は、係の人に「いざというときは私が神父さまに渡しても大丈夫ですよね」と聞くと、「大丈夫ですよ」と笑いながら答えてくれた。

大事な結婚式を台無しにすることだけは避けねばなりません。

そしてあっという間に本番。

厳かな雰囲気の中、式が進行していきます。

娘もいつもと違う空気を感じたのか、騒がずに静かにしています。

いよいよリングガールの出番。

係の人がリングピローを持ってきます。

娘に耳元で「これもらって、あの人(神父さま)にどうぞしてきて」と囁きました。

すると、娘はリングピローを受け取り、とてとてと2mの距離を小走りに進み、神父さまにリングピローを渡すことが出来たのです!

本当に一瞬の出来事で、私も夫も何が起こったかわからないくらいに驚きました。

ただ、その瞬間が納められた写真を見ると、私も夫もとても良い顔で笑っていました。

娘は両手でしっかりとリングピローを持ち、神父さまに届けていました。

今でもそのときの写真を見返すと涙が出てきます。

こうやって段々出来ることが増えていって、段々私たちの手を離れていくのかな。

私の母も、こんな気持ちだったのかな。

娘の成長を通して、母に思いを馳せるのでした。


(ライター:hana)


※ この記事は2024年10月18日に再公開された記事です。

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