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公開 2020年02月11日  

「何だか家族になったね」自分ファーストだった私が母になった瞬間<第三回投稿コンテスト NO.120>

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生きがいは自分で稼いだお金で遊ぶこと。独身時代はそんな風に過ごしてきたという、まくらこさん。親子3人の何気ない時間に「母親になれた」と実感したといいます。



子どもができて、母親になったと実感できる瞬間はいつでしょうか。

できた瞬間から母性が溢れて「ああ、自分は母親なんだ…」なんて実感できたら素晴らしい!

…のかもしれませんが、私の場合はそうではありませんでした。(今は当初には想像できないくらい親バカになっていますが…。)

それまでの私の生きがいは自分で働いたお金を使って遊ぶこと。


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この可愛い赤ちゃんを、まだ自分の子どもだと実感できない自分がいました。

こんな私が赤ちゃんを育てる立派な母親になんかなれるのか?

そう思ってしまう自分が不思議で、そして悲しかったのですが、そんな事に悩んでいる間もなく息子は保育器に連れて行かれました。

低体重児でした。

また、たて続けに黄疸が出てしまいました。

そこから急に忙しくなりました。


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その後、ようやく息子も退院できました。

しかしその数日後の夜中に大泣きをしました。

念のために夜間の救急病院へ連れて行くと、そこでまだ黄疸の数値が高いという事で再度入院。

長引く入院生活に、ひとりでは限界が来そうでした。

そんな時に心の支えになってくれたのは、夫です。


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やっと落ち着いてほっとする事ができたのは生後1ヶ月の頃です。

ある休みの日に「一緒におでかけしよう」と夫に声をかけました。

行く場所は近くのスーパーへでしたが、初めて親子3人で外に出かけることにしました。

初めてつける抱っこ紐に悪戦苦闘しながら、いざ出陣。

何気ない会話をしていたらふと、自分の口から

「なんだか、家族になったね」

自然に口からこぼれた一言に、自分で少し驚き、噛み締めました。

親子三人、昼過ぎの歩道を歩く私たちの姿は、まごう事なき家族になっていました。

そして、息子の顔色を見ながら恐る恐る一歩ずつ踏み締めていた私は、いつの間にか母親になっていました。

必死に過ごし、息子と、夫と、向き合ってきた日々が、時間が、絆が、私を母親にしてくれました。

まだまだ未熟で、完璧とは言い難いですが、これからも一歩ずつ母親として歩んでいきたいな、と思います。


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(ライター:まくらこ)


※ この記事は2024年10月26日に再公開された記事です。

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