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公開 2020年02月26日  

我が家のモーニングルーティーン。末っ子のカレーうどんリクエストにより、場が荒れる。

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なんてことない、とある朝の風景です。
とりあえずいつも悶着してる。


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なんてことない朝の風景。


今朝のこと。

6時20分にアラームが鳴って、布団から這い出る。

私は就寝が早いので(主に寝かしつけからの寝落ちによる)、スマホをチェックして、夜のうちに届いたメールやSNSの通知を確認。

ブルーライトで眼が冴えたら、一階に降りて、家事の帳尻を合わせる。


昨日の夜、やり残した家事を、ちょこちょこ後始末。

食器を水切りかごから食器棚に戻したり、食洗器から食器を出したり。

どうかすると、食器洗いさえ終わらないまま寝落ちすることだって珍しくないから、そういう時はもう、急ピッチで茶碗を食洗器に放り込む。これもよくある朝の風景。



6時40分、寝室に戻って、長女を起こす。

もっと早く起こすべきなんだろうな、と思うのだけど、よく寝ている子どもを起こすのって、いつだって忍びない。

長女を産んでから約8年、寝てるところを幾度となく起こされてきた身としては、実感を伴って辛い作業。

下のふたりを起こさないように、長女をそーっと起こす。

胸のあたりをトントンして、小さな声で「朝だよ、起きよう」と声をかける。

なかなか目が開かない。

もう一度「朝だよ、起きて。ほら、おんぶしよう」

ようやく身体を動かして起きる気配。

ずるんと布団から引っ張り出すと、軟体動物のよう。

「くらげみたい」と言うと、目をほとんどつぶったまま「うへへ」と笑いがこぼれた。

よいしょと19kgを背中に背負って、階下へ。

長女が、のそのそと着替える横で、朝食の支度をする。

我が家は前の晩に、翌朝の分も見越した量で、お味噌汁を仕込んでおく。

今日は、長ネギと、じゃが芋と椎茸のお味噌汁。



「昨日、ほら、なんだっけ、朝ごはんのリクエストしてたよね」

と、訊ねると、「ああ、ツナマヨおにぎり」と返ってきた。

そうでしたそうでした。

昨日の朝食でツナマヨおにぎりをつくったら、いたく感動して、「明日もこれにしてね」と言われたのだった。

お味噌汁をあたためながら、ツナマヨおにぎりを握る。

「おかずは卵焼くのと、昨日の夕飯の鶏肉どっちがいい?」

「とりにく」

たいていは卵を焼くのだけど、今日は昨夜の夕飯で出した鶏肉のおかずをチョイス。

なんだ、残り物ばっかだな、と思いつつ、お腹いっぱい食べられるほうが大事だよね、と鶏肉をサーブ。


長女は学校が遠いので、朝食も必然的に少し早い。

給食までにひもじくならないように、満腹で学校へ行ってほしい。

朝食を食べる長女の髪の毛を結って、ごちそうさまをしたら、コートを羽織って、「行ってらっしゃい!!」


よしよし、ひとり完了。



ここからは波乱の時間。

2歳児含む、幼稚園チームが起きてくる。


2階でごそごそ音がしたら深呼吸。


「ママー!!!!!」

起きたらとりあえず呼ぶスタイル。

つよい。生きものとしてつよい。

「はーい」とお返事をして、しばらく待っていたら、何かしらの喧嘩が始まったらしく、末っ子が泣いた。

しばらく静観。

朝の母は忙しいのだ。

お味噌汁を再度あたためたり、水筒の用意をして、お耳だけで様子見。

しばらくしたら、お迎えに行かなくてもすんなり降りてきてくれた。よい幸先。

寝起きが悪いとそうはいかない。

まずベッドにママがいないことで憤怒したりする。

憤怒して、しばらくぐずぐずを引きずって面倒が拡大したりもする。


階段を降りかけた、長男(5)が「うどんの匂いがする!なんで??!!」と禁断の台詞をぶっ放した。

「うーんと…お味噌汁をあたためなおしてるから…お出汁の匂いじゃないかな…?」

胸中、ハラハラが止まらない。

2歳児を前に「うどん」なんて言っちゃいけない。

そんなの、ハイエナの群れに、子羊を放り込むようなものではないの。

うどんなんて…うどんなんて…うどんなんて…。


「うどん????!!!!」


ほら来た、2歳。


「うどん食べたい!!!!」


ほら、ほら、ほらね。


長女を送り出した、あのおだやかな朝はもう帰ってこない。

波乱のドアをノックしてしまった。


「うどんがいい!!!うどん!!!」


いつかのニシハラハコさんの記事にもありましたね。

幼児はうどんを感知したら、うどんを食べないと気がすまない生き物です。


「そりゃね、うどんがあればつくってあげたいのはやまやまなんだけど、うどんがないんだよ」


もう、ツナマヨおにぎりだってつくってしまった。

諦めてほしい。ツナマヨおにぎりを食べるんだ。


「じゃあ、みちぇて!!」


果敢に、踏み台を持ち出して、冷蔵庫を開ける2歳。でも、やっぱりうどんはない。ほらね。ないんだよ。

「うどんはないの。今度またつくってあげるから」

けれど、そんなことは聞くはずもない。泣きはしないけれど、うどんうどんと、ぶつぶつぐずぐず言い続けている。

そして、そのうち、うどんうどん、がなぜかカレーうどんに変化して、気がついたら末っ子は「カレーうどんが食べたいよう」と、ぐずぐず言っていた。

要求が、知らないうちに、面倒の階段を駆け上っていた。まじかよ。



見かねた長男が「ほんとうに、うどんないの?」と、末っ子に聞こえるように訊いてきた。

そこで、「ほんとうに、ないのよ」という会話を展開して、末っ子にうどんは叶わないことを知らせようと、機転を利かせてくれたのだ。

頭ごなしにダメダメ言っても、2歳が聞きはしないこと、彼はよく知っていて、こういう機転の利かせ方をたびたびしてくれる。

5歳なのにすごいな、と感心する。


「ほんとうにないのよ」

と、言いながら、リアリティを追及して、冷凍庫を開けるしぐさを付け加えたら、冷凍庫の中のうどんと目が合ってしまった。

思わず「あった」と声が出た。

しまった、と思ったときにはもう遅く、「うどん????!!!!」と感極まった末っ子の声。


「え、あったの…?」


拍子抜けする長男の声。ごめん、大人が茶番を無駄にして。使えない大人だな、ほんと。


もうここからはやるしかないので、急ピッチでカレーうどんをつくる。

前述のお味噌汁、を確認。

長ネギ、イケる。じゃが芋、イケる。椎茸、うーん…セーフ。

カレーうどんに不似合いな具がないことを確認して、汁を少し水で伸ばしてカレールーをイン。

冷凍うどんを、その間にレンジでチン。

3分ほどでカレーうどんが出来上がった。

悶着していた時間を思えば、一瞬の出来事だった。


大喜びでカレーうどんをすする子どもたちを見ながら、こういうのは甘いのかなぁ、と思ったりも当然する。

「もう用意したんだから、あるものを食べなさい!」と言えない自分が、情けなくもある。


でも、いったんくっきりとイメージしたものを覆せない気持ちって、困ったことにわかってしまう。よくよくわかってしまう。

諦める癖は、大人になってからいくらでもつけられるけれど、イメージをリアルに手に入れる体感って、今のうちに身につけないと、大人になってからって、なかなかどうしてできないから。

だから、叶えることができる範囲なら、なるべく叶えてあげたらいいんじゃないかな、なんてうまいことこじつけて、自分を納得させる朝だった。


※ この記事は2024年08月27日に再公開された記事です。

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