開始時期としては、5~6ヶ月とされていることが多いのですが、これはあくまで目安。
赤ちゃんの体が離乳のための準備ができているか、まずはチェックしてみましょう。
首がしっかり座っている、お座りができる、食べ物に興味がある(親の食べる様子を見ているなど)、スプーンを口に入れても押し出すことが少ない…などが離乳食を始める目安です。
また、以前は離乳食の前に果汁などを与えていた時代もあり、祖母世代からアドバイスをされることもあるかもしれませんが、今では必要ないとされています。
離乳食はいつから?初期の進め方からおすすめレシピ・役立ちグッズまで紹介
5,850 View母乳やミルクしか口にできなかった赤ちゃんが、少しずつ“ごはん”を食べるようになる離乳食。楽しみでもあり不安でもあり…というママは多いのではないでしょうか。特に最初は分からないことだらけ!離乳食の初期を中心に、いつから始めるのか、進め方や代表的なレシピ、おすすめグッズなどをご紹介します。
離乳食はいつから始める?
まずは飲み込む練習を
離乳食初期は、まず「舌を使って食べ物を飲み込む」ことに慣れるための時期です。
赤ちゃんを抱っこし、ポタージュ状の離乳食を下唇にのせ、自分から口を閉じるのを待ちます。
これで“ゴックン”ができたら大丈夫です。
なおこの時期は、栄養のほとんどを母乳・ミルクで摂取します。
母乳・ミルク80~90%、離乳食10~20%が目安です。
授乳は今まで通り行いましょう。
離乳食初期の進め方
それでは、離乳食初期の進め方を詳しく解説していきます。
最初の1ヶ月間は1日1回食
最初は、健康状態に問題がなく、機嫌のよい時にスタートしましょう。
初めてあげるのは、1日1品、1さじから。
あげるのは午前中にしてください。
これは、もしアレルギーなどのトラブルがあった場合に、その原因が分かるようにするためと、病院にすぐに行けるようにするためです。
また、授乳前のお腹がすいているタイミングにしましょう。
このころ口にするのは、なめらかにすりつぶした、トロトロの状態のもの。
つぶしたおかゆから始めて、次にペースト状にすりつぶした野菜。
その後、豆腐、白身魚、卵黄と順に進めていきます。
必要な道具としては、すりつぶせるもの、裏ごしができるものがマスト。
離乳食用のものも売られていますが、それぞれ「すり鉢」や「茶こし」でも代用できます。
そのほか、「計量カップ」などがあればとりあえずは離乳食がスタートできるでしょう。
何が必要か迷ってしまう、買い足すのが面倒という場合は、一式そろった離乳食セットを準備しても。
目の細かいおろし器や小さなざるなど、離乳食用のアイテムがそろっています。
また、まとめてつくって冷凍保存しておくと手間が省けるので、「製氷皿など小分けに冷凍できる保存容器」があると便利。
柔らかい素材のものなら、使う分だけ1つずつ取り出せるのでおすすめです。
離乳食が終わったあとも、製氷はもちろん、お弁当のおかずの作り置き、薬味の保存などに利用できます。
開始1ヶ月を過ぎたころから1日2回食へ
離乳食スタートから1ヶ月くらいで、2回食に増やしてみましょう。
新しい食品は午前中に与えるようにし、慣れた食品なら午後にあげて構いません。
どの食材を与えたことがあるか、メモしておくといいでしょう。
量は、2回目は1回食の3分の1くらいから始めて、少しずつ増やします。
食べることに慣れてきたなと感じたら、食材のすりつぶし方を少し粗くしたり、水分量を減らしたりしていろいろ試すのもおすすめ。
なめらかなトロトロ状態 (ポタージュ状)から、少し粒の残ったぽってり状態(ヨーグルト状)くらいへと移行していきましょう。
離乳食初期の1食の量は?
最初は、小さじ1杯から始めましょう。
計量スプーンの小さじ=5gが目安です。
ゆっくり進めるなら、さらにその半分から始めてもかまいません。
小さじ1杯を数日続けたら2杯にし、3杯にし…と、少しずつ増やします。
1ヶ月後には、おかゆ・すりつぶした野菜・豆腐などで合計30~45g程度になるのが目安です。
離乳食初期のおすすめレシピ7選
おかゆや野菜のペーストから始まる離乳食初期ですが、慣れてきたらほかの食べさせ方もしてみましょう。
だしをとる、とろみをつけるなど、離乳食の基本的なテクニックをマスターできるレシピをご紹介します。
とろーりうどん
ゆでたうどん10gを刻み、だし汁1/2を加えて弱火で煮て、とろとろになるまですりつぶします。
濃い味を使わない離乳食は、だしが重要。このころ使用する“だし”は、植物性の昆布だし。
かつおや煮干しは動物性のものなので、7~8ヶ月ごろから使用するようにしましょう。
まとめてつくって冷凍しておくと便利です。
人参のとろ煮
ゆでて裏ごしした人参に、だし汁、水溶き片栗粉を混ぜます。
ふんわりとラップをして電子レンジで30秒加熱し、さらに混ぜます。
とろとろとして食べやすく、初期に限らず中期以降も、体調の悪い時などに使えるレシピです。
人参と豆腐のトロトロ
豆腐20gと水(大さじ1)を混ぜ、ふんわりラップをして電子レンジで30秒加熱。
水けをきってすりつぶします。
そこに、ゆでた人参をうらごしして10g取り分けて混ぜます。
人参に豆腐をプラスしてみましょう。
豆腐は、離乳食の初期から使えるたんぱく源として重宝します。
豆腐は必ず加熱してから使うようにしましょう。
トロトロ豆腐
絹豆腐をゆでてすりつぶし、野菜の煮汁に加えてひと煮たちさせるだけの簡単レシピです。
野菜の煮汁は、キャベツや人参、玉ねぎなどの野菜(アクがなく甘みのあるもの)をコトコト煮込んだもの。
脂を含む市販のコンソメの代わりに、自家製の「野菜だし」として初期から使えます。
こちらも、だし汁同様、冷凍保存しておくと便利です。
残った野菜も細かく刻んだり裏ごししたりして離乳食に使いましょう。
おいものおかゆ
さつまいもは皮をむき、ゆでて小さく切っておきます。お鍋に10倍がゆとさつまいもを加えて1~2分加熱し、7~8分蒸らしてすりつぶします。
さつまいもは炭水化物を含み、主食として使える食材。食物繊維を含むので、便秘の時にもおすすめです。
すりつぶししらすのおかゆ
しらす5g(食塩不使用のもの)に水小さじ1を混ぜ、ふんわりラップをして電子レンジで30秒加熱しすりつぶします。これを10倍がゆにのせて完成です。
少量ずつ使えて便利なしらすは、離乳食で重宝する食材の一つ。食塩不使用のものが手に入らないようなら、茹でこぼす、熱湯を注いでから数分待って水けをきるなどして、塩抜きして使用しましょう。
とろーりバナナ
バナナ20gをすりつぶして水大さじ1でのばし、ひと煮たちさせれば完成です。
やわらかく甘いので、赤ちゃんも大好きなバナナ。後期以降は、カットしてそのまま与えれば手づかみ食べの練習にも使いやすい食材です。
離乳食を上手に進める方法
ここまで初期の離乳食についてご紹介してきました。
続いて、中期から完了期の大まかな流れについて解説していきます。
ただし、進み方には個人差がありますので、この通りでなくてもかまいません。
7~8ヶ月「モグモグ期(中期)」は1日2食でいろんな味を試す
5~6ヶ月と同様、下唇にスプーンを置いて食べさせますが、7~8ヶ月頃には「口の中で食べ物をつぶす」段階にステップアップしていきましょう。
かたさの目安は、指でつぶれる豆腐程度。
舌を上下に動かし、口全体をモグモグさせます。
また、1日2回食になり、そろそろ食事のリズムをつけていきたいところです。
魚やお肉など食べられる食材も増えるので、いろいろな味のものを試してみましょう。
9~11ヶ月「カミカミ期(後期)」は3回食に
9~11ヶ月になると、徐々に形のあるものへ移行していきます。
形のある食べ物を、「歯ぐきでかむ」練習をしましょう。
硬さの目安は、少し力を入れたらつぶれる、バナナ程度。
たとえば人参などの野菜なら5~8㎜角に切ってやわらかく茹でた程度、おかゆなら5分がゆから軟飯くらいの硬さです。
3回食になり、食事のリズムも大人に近づきます。
一緒に食事をして、「ごはんって楽しいね」という雰囲気づくりもしていきましょう。
形のあるものになってきた分、ポロポロと食べこぼすことも増えてきますので、食べこぼしをキャッチするポケットのついたエプロンがあると便利。
新聞紙やレジャーシートなどを敷いておくと、掃除も楽です。
12~18ヶ月「パクパク期(完了期)」は自分で食べる手助けを
12~18ヶ月になると、ほとんど大人と同じものが食べられるようになります。
ただし、塩分や脂分が多いものは避けた方が良いので、初めての食材が離乳食に適しているかどうかのチェックは、引き続き行いましょう。
硬さの目安は、歯ぐきでつぶせる肉だんご程度。
自分で食べられるようになってくるので、手づかみ食べをしやすいように、おにぎりやスティック状にしたもの(カットした食パンや人参など)を用意してあげましょう。
使いやすい食器、食べやすい高さのテーブルや椅子も準備を。
また、調理の途中で大人用から取り分けるということも増えてきますので、赤ちゃんの分だけさっと食材を刻めるフードカッターがあると便利です。
このころには、母乳・ミルクは20%以下、離乳食が80%以上と、必要な栄養のほとんどを食事からとれるようになってきます。
1日1~2回の補食(おやつ)もスタートしてもいいでしょう。
まずは赤ちゃんに食事の楽しさを感じてもらおう
特に離乳食を始めたばかりのころは、思うように食べてくれず心配になることもあるでしょう。
“食べる”という初めての経験に戸惑う赤ちゃんもいますので、少しずつゆっくりと進めてください。
また離乳食は、だしを多めにつくって冷凍させておくなどして、上手に手間を省くことも大事です。
食べてくれないこともよくあるので、頑張りすぎないようにしましょう。
便利なグッズや下ごしらえ済みの食材、時にはレトルトの助けも借りながら、赤ちゃんとの食事の時間を楽しみましょう。
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