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公開 2020年08月17日  

誤解で娘に手をあげてしまった。眠れぬほど反省し、辿り着いた育児スタンスは?

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授乳期の睡眠不足と育児疲れでストレスが限界に達していたとき、娘に手をあげてしまったことがあります。
あの日から数年がたち、今だから思えることがあります。



娘をたたいてしまったことがあります。

まだ1歳になるかならないかのときでした。


生まれたときから他の子に比べて授乳回数が多かった娘。

私の母乳が出づらかったこともあり、おっぱいをあげてもあげても、1時間おきに泣いて目を覚ますのです。

当初は「はじめのうちだけ」「母乳量が増えたら間隔ものびるだろう」と思っていました。


たしかに少しずつ回数は減っていきましたが、同じ月例の子と比べると断然多いままでした。

6ヶ月を過ぎたあたりから周りのママ友たちは、「夜は1回起きるだけ」「朝まで起きなくなった」と、言いはじめました。


けれど娘は3時間に1度、「たいー、たいー」と泣いて目を覚まし続けました。

やっと寝かせたと思ったとたん、泣き声で起こされる日々が1年以上も続きました。


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どうしても授乳がうまく行かなくて…

「卒乳したらいいじゃないの」と、言われたこともありました。

でも、当時「完全母乳で育てる」という頑ななこだわりを持っていた私。

ミルクをたっぷり飲ませて寝かせることに抵抗がありました。



長い間、熟睡できていないことで私の疲労は限界に。

その夜も、いつもの「たいー、たいー」という声で目を覚ました私。

「またか…」

なんとか起きて、娘の口におっぱいをふくませます。

しかしなぜか吸い付かない。

顔をそらし「たいーたいー」と、手足をバタバタさせ泣き喚くのです。

「なんで飲まないの」

おっぱいを飲ませる以外に手早く寝かせる方法を知らず、何度も吸い付かせようとチャレンジします。


拒否しつづける娘。

「どうして?」

私は眠さと蓄積された疲れで、泣き叫びたくなっていました。

…と、その時、娘が私の乳首に力いっぱい噛みついたのです。

「イター!」



激痛に驚いた私は、反射的に「パチンッ!」と、軽くですが娘の顔をはたいてしまいました。

「たいー、たいー、たいー!!!」

さらに大きな声を上げる娘。

言葉は話せないけれど、確実に私に抗議しています。


手足をバタつかせ、パンチやキックを浴びせてきます。

「ごめんね、ごめんね」

ひたすら謝り、娘を抱きしめました。



その夜、結局私は朝まで一睡もできませんでした。

小さな小さな、可愛い可愛い娘に手をあげてしまった罪悪感に、一晩中、苛まれていたのです。


それからもずっとその日のことを後悔していました。

ふと夜中に思いだしては涙することもありました。

授乳回数が減らない意外な理由


いつも起きるたびに「たいー、たいー」と泣いていた娘。

当時は「たいー、たいー」が、何を意味するのかはわかりませんでした。

ただの喃語の一種なのかな、口癖なのかな…くらいに思っていました。

しかし、娘が言葉を話せるようになってわかったのです。


「たいー」は「かゆい」という意味だということを。


娘は生まれつき敏感肌でした。

乳児検診で指摘されたこともあったけれど、見た目はそれほど荒れていないし、当然、娘自身は不快感を訴えないので、通院はしていませんでした。


何より、赤ちゃんのうちから「キツイお薬を塗りたくない」という考えが私にはありました。

だから衣類の素材に気を使ったり、添加物の入ってない保湿クリームをお風呂上りや朝起きたときに塗る…というケアしかしていなかったのです。


成長した娘が、体をかきむしりながら「かゆいー」と目を覚ますようになって、「私はなんて可哀想なことをしていたんだ」と、愕然としました。


赤ちゃんだった娘は、話せないなかで必死に私に訴えていたのです。

「かゆい、かゆい、ママどうにかして…」と。


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育児のこだわりなんて、さっさと捨てればよかった!


「完全母乳で育てる…」だとか、「強い薬を使わない」なんてルール、さっさと捨てればよかった…。

こだわりを貫いたことで、子どもの気持ちに寄り添えなかったことを後悔しました。


たっぷりミルクを与えて、効果的な薬をしっかり塗っておけば、私も娘も毎日ぐっすり眠れていたのかもしれません。


そうすれば娘をひっぱたくこともなかったと思うのです。


5歳になった今、娘は定期的に皮膚科に通っています。

でも、未だに夜「かゆいー」と目を覚ますことがあります。

そんなときは、おっぱいをさわらせながら、かゆい部分をサッサッサッと素早く撫でてやります。

そうすると、かゆみが和らぐようです。


ふたたび眠りに落ちていく娘を見ながら、赤ちゃんのときもこうしてあげられれば良かったな…と、時々思います。


あの日の反省があるからこそ、思える「ま、いっか」


生真面目な性格の私。

自分で決めたルールが、育児を難しくしていたと感じています。


今は、あの日の反省を生かし「ま、いっか精神」で育児を実践しています。

最近になっていっそう実感するのは、子どもが成長すれば、どのみち親のこだわりを貫くなんて無理!ということ。


手作りおやつを食べさせたくても市販のお菓子ばかり食べたがる。

睡眠を十分とらせたくても夜更かししたがる。

習いたいと言うから習わせたピアノの練習も、全然しない。

汗をほとんど吸収しないであろう化繊のピンクの服ばかり着たがる。


本心では「やめとこうね」と、説得したいところだけれど、娘がゴキゲンで私がラクなら「ま、それでいっか」と、目をつむります。


私の小さなこだわりよりも、親子そろってニコニコ、気持ちよく過ごせる時間が多いほうが、大切だなと考えるようになりました。


※ この記事は2024年11月21日に再公開された記事です。

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