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公開 2020年04月16日  

産後5ヶ月の海外ロケ、寂しすぎて号泣!芸人×母、森三中・大島さんの奮闘

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放送作家の夫・鈴木おさむさんとの間に、2015年に息子の笑福(えふ)くんをもうけた森三中の大島美幸さん。出産してからこれまでの苦労や、我が子への思い、母としての切なさや揺れる心を語っていただきました。インタビュー前編をお届けします。


出産して5ヶ月後の海外ロケで…


―― 産後どのくらいで、お仕事に復帰されたんでしょうか?

2015年6月に息子の笑福(えふ)を出産して、その年の12月に撮影、翌年1月の放映というスケジュールだったので、実質産後5ヶ月くらいでの仕事復帰になりました。

復帰第一弾は「イッテQ」の撮影で、オーストラリアで5日間のロケでした。


―― 復帰していきなり海外ロケだったんですか!

当時は「大丈夫かな」とものすごく不安でした。

ロケに出かけるとき、集合場所まで夫と息子が見送りに来てくれたのですが、息子はまったく泣いていないのに、私が号泣してしまって。

それまで5日間も息子と離れたことはなかったので、「寂しいよ~!」と大泣きしてしまいました。


離れている間も息子がどうやって過ごしているだろうかとずっと気がかりで、実はロケのことをあまり覚えていないんです。

どうやらバンジージャンプをしたらしいのですが(笑)。


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―― 出張中はどなたが息子さんのお世話をされていたんですか?

栃木県の実家から母に来てもらって、夫と母に息子を見てもらいました。

でも、それまで完全母乳で育てていたため、全然ミルクを飲んでくれなかったんです。

帰ってきてから「すごく大変だった」という話を夫と母から聞き、本当に申し訳なかったと思いました。


完母(完全母乳)で育てることは、出産前からの私の夢だったんです。

周りから「完母は無理なのでは」と言われたこともあったのですが、「いや、できるよ!」と、少し意地になっていた部分もあったかもしれません。

先輩ママである相方の村上も「完母でもいけるよ」というので「よし、いこう!」と思ったんですが、「あちゃー」と。


息子が生まれて、幸いにも望んだとおり完母で育てることができたのですが、仕事復帰にあたってはそれが仇となってしまいました。


家族や相方と乗り切った仕事復帰


―― ご主人とお母さまはどうやって乗り切ったんでしょうか?

とにかくほ乳瓶を受け付けてくれなかったんです。

なので、ミルクを少し温めて、スープのようにスプーンで少しずつ飲ませたと聞きました。

あとは重湯のような、初期の離乳食を作って食べさせたり。

食べるというより飲む感じですね。

そうやっていろいろな方法を試しながら乗り切ってくれました。



―― それは大変だったでしょうね。

それまで寝かしつけもずっと添い乳だったんですよ。

最初は、抱っこして授乳しながら息子がウトウトするのを待っていたのですが、胸をはだけたまま私も寝てしまうことが続いて。


そんなとき「添い乳なら布団をかぶったままできるよ」という話を聞いてやってみたら、暖かいし楽だし、もう「添い乳最高!」と思いました。

でも、そのせいで息子は添い乳でしか寝付かなくなってしまって。

私がいない間、寝かしつけがすごく大変だったと、夫と母から怒られました。


母乳を飲む息子の姿はとてもかわいかったし、赤ちゃん時代の良い思い出になっています。

でも、その私のわがままのせいで、夫と母には本当に苦労をかけてしまいました。

今思い返してもとても申し訳ないです。


―― 一方で、急に断乳するような形になって、ご自身の体調は大丈夫でしたか?

おっぱいが岩のようにガチガチに固く張ってしまいました。

そんな経験も初めてだったので、本当にビックリしましたね。


楽になるには母乳を出すしかないので、ロケ先の海外のホテルで毎晩搾乳して。

痛さに加えて、「本当ならこの母乳を息子に飲ませてあげられたのに」と思ったら悲しくて、泣きながら搾っていました。


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ホテルが同室だった村上が、見かねて「手伝おうか?」と言ってくれて。

右は自分で、左は村上にお願いして、ひたすら搾乳していました。

毎晩搾乳していたから寝る時間も短くて、あのときは本当にきつかったです。


離れているときは今でも寂しい


―― 現在は海外ロケなどのとき、息子さんにはどのようにお話しているんですか?

そのまま伝えています。

出演しているテレビ番組を見せて、「今度飛行機に乗って、外国に行って、こういうお仕事をしなきゃいけないんだ」「だから笑福は、おじいちゃんとおばあちゃんのお家に行って、5回寝てから帰ってくるんだよ」って。


「いやだ、寂しい。ママと一緒がいい」と言うので「じゃあママと一緒に飛行機で外国に行く?」と聞くと、「それはイヤ」。

「だったら、おじいちゃんとおばあちゃんのところに行くんだよ」と言うと、「うーん……」。

「とうと(お父さん)は?」と聞かれて、「とうとがずっとお家にいられたらいいんだけど、とうともお仕事でいないんだ。ごめんね」って。


ロケに出かける2週間くらい前から何度もそういう話をして、息子に理解してもらってから実家に預けるようにしています。


でも、今でも息子と離れるのはすごく寂しいです。

産後最初のロケで号泣してしまったときと同じ気持ち。

ずっと「寂しいなぁ」と思っています。



―― 息子さんも、ママの思いを理解してくれているのかもしれませんね。

息子がまだおしゃべりができない1歳ごろから、仕事で実家などに預けるときは、同じように話をしてきました。

「どうしてママがいないのか絶対知っていた方がいいだろうな」「まだ言葉はしゃべれなくても、しっかり話せば伝わるんじゃないかな」と思って。


以前、同じようにお仕事をされているママさんにその話をしたところ、「そうか、うちの子はなんで預けるときにいつも泣くんだろうって思ってたけど、きっとちゃんと仕事のことを伝えていなかったからだ」と言われました。

その後、お子さんにママがいない理由をしっかり話すようにしたら、預けるときにも泣かなくなったそうです。


それを聞いて「どんなに小さくても、やっぱり話せば伝わるんだな」と思いました。

大人は「赤ちゃんだから言っても分からないだろう」と思ってしまいがちですが、そんなことないんですね。


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―― 離れている間寂しい分、ママが戻ってきたら息子さんも喜ぶでしょうね。

それが最近は、長期ロケから帰ってきても反応が素っ気ないんですよ。

2、3歳のころは「ママ~!!」って大喜びで迎えてくれたのに。

今はちらっとこっちを見て「ふーん、帰ってきたの」みたいな(笑)。

これから大きくなって、小学生くらいになったら、また反応も変わっていくかもしれませんね。


自分の仕事が与える影響を考えるように


―― お子さんが生まれてから、お仕事への取り組み方は変わりましたか?

何をするにしても、まず「子どもが見る」ということを意識するようになりました。

今は時代の流れもあって、そもそも子どもに見せられない番組というのもあまりないんですけど、それでも「これは子どもに見せても大丈夫だろうか」ということをまず考えますね。

子どもも大人も楽しくて安心して見られる仕事がいいな、と思っています。



―― 確かに、テレビのお仕事はお子さんの目に触れる機会が多いですよね。

あるバラエティ番組の企画で、私が「バカヤロー!」って言うコーナーがあるんですよ。

あるとき息子がたまたま見てしまい、「バカヤローって言っちゃいけないんだよ」と叱られました。

そのときは「そうだよね。でも、これはお仕事だから言わなきゃいけないんだよ」と説明したら納得してくれたのですが、それから「バカヤロー」が息子の口癖のようになってしまって。

何かあるとすぐ「これバカヤローだな」などと言うようになってしまったんです。


子どもへの伝え方は本当に難しいですね。

そういう番組を見せないようにするのが一番いいのかもしれませんが、どうしても見てしまうときもあるので。

今後の課題として、どうしたものかと悩み中です。


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―― お子さんの年齢によっても、きっととらえ方は違いますよね。

この先息子が思春期になったら、「お母さん、テレビであんなことやらないでよ」と言われてしまうかもしれませんね。

今はまだ4歳ですけど、やっぱりいろいろ考えてしまいます。

息子に嫌われたらイヤだな、とか、友達に「お母さんこんなことやってたよ」って言われて口きいてくれなくなったらどうしよう、とか。


3歳をすぎた頃から強くなった息子


―― 息子さんの病気のときなど、お仕事との両立はどうやって乗り切ってこられたんですか?

まずは夫と、実家の母を頼りました。

あと、近くに住んでいる子育て経験のある友人に「こういうことがあるかもしれないけれど、そのときは息子を預かってもらえますか」と、あらかじめ相談とお願いをしておきました。

それでもやっぱり1~2歳くらいのうちは頻繁に熱を出したりして、保育園からの呼び出しも多かったです。

どうしても仕事が休めず、預ける人もいないときは、現場でマネージャーさんに面倒を見てもらったこともありました。

保育士の資格を持ったマネージャーさんがいたので、現場で息子を抱っこしてもらって。

本当に周りのみんなに助けてもらいました。


―― 赤ちゃんのうちは体調を崩すことも多いですよね。

1歳過ぎのころ、海外ロケに行ってる間に、息子が突発性発疹にかかったことがありました。

あのときも夫と母に大変な思いをさせてしまいましたね。

熱があってずっと泣いていて、飲み物も飲まずご飯も食べなかったそうです。


私が帰ってきたときにはすっかり元気になっていたのですが、やっぱり、子どもが病気のときに近くにいてあげることができないのはつらいですね。


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―― 息子さんが大きくなるにつれて、少し楽にはなりましたか?

3歳くらいから病気がぐっと減りました。

昔は冬になるといつも鼻水をたらしていたのに、今年はまだ一度も風邪をひいていません。

保育園からの呼び出しも、ほとんどなくなりました。


まだ息子が赤ちゃんのころ、先輩ママから「子どもが3歳くらいから病気にかからなくなるよ」と聞いていたんですよ。

そのときは「本当かな?」と半信半疑だったのですが、本当でした。

3歳から全然病気をしなくなって、ビックリしています。


昔は保育園に行くときもエンエン泣いていたのに、今はそんなことも全くないですし。

「いいよ、ママは行きな」「僕は戦うんだ!」って、何と戦うのか分かりませんけど(笑)。

日々見えない敵と戦っていますよ。


「本当に強くなったなぁ」と、すごく頼もしく感じています。


プロフィール
大島美幸

1980年生まれ、栃木県出身。吉本興業所属。お笑いトリオ・森三中のボケ担当。1998年に黒沢かずこ、村上知子と森三中を結成。2002年に放送作家の鈴木おさむさんと結婚し、2015年に長男の笑福(えふ)くんを出産。芸人としての活動のほか、森三中として多数の映画にも出演。現在はテレビのバラエティ番組を中心に活躍中。

衣装協力:キャンディキャンディ

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後編はこちら

※ この記事は2024年10月30日に再公開された記事です。

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