多くの女性は、妊娠初期につわりの症状を感じるようになります。
症状の種類も強さもそれぞれの体質によって変わるため、人によってはかなりひどいつわりの症状に悩まされる場合もあるかもしれません。
あまりにつわりの症状がひどいと、食べることや飲むこともままならなくなってしまうこともあります。
また、会社勤めの妊婦さんの場合には、つわりがつらい中で毎日の通勤や仕事もしなければならず、大変な思いをする場合もあるでしょう。
つわりは妊娠週数が進むにつれて軽減していくことがほとんどです。
しかし、症状が出ている時期は日によって程度の差はあったとしても、常につらい症状を感じることになります。
もしも毎日つわりがつらくて悩んでいるのであれば、つわりの軽減に役立つ対策を試してみるのも一つの手段です。
つわりの対策はいろいろありますが、種類によって合うものもあれば合わないものもあるでしょう。
どの対策が合うかは人によって全く異なります。
まずはいろいろな対策を試してみるのがおすすめです。
つわりの時期に多い症状の一つは、「気持ちが悪い」と感じる悪心(おしん)です。
悪心だけが症状として現れる妊婦さんがいる一方で、気持ち悪さから嘔吐を繰り返してしまう方もいます。
唾液の量がつわり によって多くなる「よだれつわり」の症状が出る場合もあります。
常に眠くて仕方なく、朝起きることや、日中起きていることが辛くなってしまう場合もあるかもしれません。
また、妊娠中は体温が高くなっていることが多いため、体がほてったように感じるのも症状の一つです。
つわりの時期に食べ物の好みが変わる場合もあります。
今まで嫌いだったはずのものが美味しく感じたり、逆に妊娠前まで好きだったものを味覚的に受け付けなくなったりする場合もあるでしょう。
つわりの症状は、朝の時間帯が一番ひどいと感じる妊婦さんが多い傾向にあります。
ただし、日中仕事に出なければいけない方の場合には、疲れが溜まった夕方ごろにひどくなる場合もあるでしょう。
つわりの症状は実にさまざまで、つらい症状が出る妊婦さんもいれば、一つも症状が出ない妊婦さんもいます。
つわりで悪心や嘔吐の症状がひどいと、何も食べる気がなくなってしまう場合もあるかもしれません。
もしもつわりで食べることが苦痛なのであれば、食べ方を工夫してみるのがおすすめです。
つわりはお腹がすきすぎると症状が強くなる場合があります。
朝起きた時の空腹を防ぐために、夜中におにぎりを一口か二口程度お腹に入れることで、朝のつわりが軽減する場合もあるでしょう。
また、一日三食にこだわらず、こまめに食事を取るのもおすすめの対策です。
こまめに食事を取ることで、空腹の時間を減らすことができます。
また、妊娠中は栄養やカロリーが気になってしまうかもしれませんが、つわりの時期には「食べられるものを食べる」ことも大切です。
特につわりで嘔吐してしまうような場合には、無理なく食べられるものを口にすると良いでしょう。
つわりの時期は匂いに敏感になる妊婦さんも多くいます。もしも匂いに敏感になって食べ物を受け付けないのであれば、冷ました状態で食事をするのも一つの手段です。
温かい状態に比較すると匂いが気にならなくなるため、食べやすくなる場合があります。
つわりは空腹になって血糖値が下がると症状が出やすくなる場合があります。
そのため、つわりを軽減させるためには血糖値を下げないようにすることが大切です。
こまめに食事を取ることがつわりの軽減に有効な場合がありますが、仕事の都合などでなかなか食事を取れない場合もあるでしょう。
そのような場合には塩飴をポケットに入れて持ち歩くのがおすすめです。
こまめに塩飴を舐めることで血糖値が下がるのを防ぐことができます。
そのほかにも、やわらかい梅干しを持ち歩くのもおすすめです。
梅干しの酸味がつわり軽減に役立つ場合があります。
また、つわりの時にはご飯が食べられなくなる妊婦さんも多いものです。
ご飯が食べられない場合には、かわりにパンを試してみるのも良いでしょう。
パンは持ち歩きにも便利なので、血糖値が下がるのを防ぐために何回かに分けて食べるのもおすすめです。
他にも、ビタミンKを多く含むバナナやトマト・メロン・スイカ・ジャガイモなどの食材のほか、βアミラーゼを含むニンジン・キャベツ・山芋・蕪・大根を生で食べるのも良いでしょう。
つわりは飲み物によっても軽減する場合があります。
逆につわりを悪化させがちな飲み物もあるので、妊娠中のつわりに悩んでいる場合には飲み物の種類にも注意が必要です。
つわりがつらい時におすすめの飲み物は冷えた炭酸水です。
妊娠中は甘いものを避けた方がよいと思う場合もあるかもしれませんが、甘い方が飲みやすい場合には甘い炭酸水でも構いません。
妊婦さんによってはレモンを加えた方が飲みやすくなる場合もあるでしょう。
一度に飲む量もつわり対策の上では大切になります。
一度に飲む量は150ml程度がおすすめです。
飲みやすいからといってたくさんの量を一気飲みしてしまうと、逆効果になってしまう場合があります。
また、つわりがひどい時には緑茶や牛乳・真水は避けた方が無難だとされています。
これらはつわりの症状を悪化させてしまう可能性もあるといいます。
いずれにしても、つわりの時には「自分が飲めるものを飲む」ことが原則です。
もちろんアルコールのように妊娠中は禁忌の飲み物もありますが、身体に影響のない範囲で飲めるものを適量飲むことを心がけましょう。
つわりがひどい時には、普段の生活習慣を少し変えることで症状が軽減する場合もあります。
たとえば、普段湯船につかって入浴する習慣がある場合には、つわりの症状があるうちはシャワーに変えてみるのもおすすめです。
また、つわりの症状がある間は歯磨きも辛く感じる場合があるかもしれません。
もしも歯磨きがつらいのであれば、歯ブラシを小さめのものに変えてみることで症状が和らぐ場合があります。
ほかにも、おなかを冷やさないことも大切です。
腹巻きをしたり、妊娠中でも使える温湿布を活用するのも良いでしょう。
つわりの症状がある時は、匂いで気持ち悪くなってしまう場合も多くあります。
匂いで症状が悪化する妊婦さんの場合にはマスクを着用するのもおすすめです。
マスクを着用する際には、1%クエン酸で湿らせたガーゼをマスクにはさむことで消臭効果が期待できます。
妊娠中のつわり対策について紹介しました。
つわりの症状の強さは妊婦さんによって個人差がありますが、症状が強い場合には全く食べ物も飲み物も受け付けない状態に陥る場合があります。
また、つわりがひどいと仕事や家事もままならない場合もあるかもしれません。
あまりにつわりがひどい場合には周りの人に頼ったり、時には意識的に休みを取ることも大切です。
また、食べ物も飲み物も全く受け付けないような場合には、我慢しすぎず病院に相談してみると良いでしょう。
つわりを経た妊婦さんには、出産という大仕事が待っています。
そのための体力を温存するためにも、つわりの時期は無理をせずにゆったりとした過ごし方を心がけましょう。