1歳児に読んであげたい絵本をセレクト!ロングセラーからしかけ絵本まで
4,122 View1歳の子どもは、絵本に興味を持つ子もいれば、あまり興味を示さない子もいるでしょう。けれど、繰り返し絵本を読む時間を持つことで、次第に絵本に興味が出てくることもよくあるものです。この記事では1歳の子どもが興味を持ちやすく、絵本育児の導入にしやすい本をご紹介していきます。ぜひ、お気に入りの1冊をさがしてみてください。
文字が読めなくても楽しめるのが絵本
幼いころ、誰かに絵本を読んでもらった記憶はありますか?もし覚えていたとしても、多くの場合は、幼稚園や保育園のころに読んでもらった物語絵本の記憶がほとんどでしょう。
自分が1歳児のころに読んでもらって面白かった絵本の記憶がないぶん、1歳児の絵本選びは迷うことが多いものです。
絵が大きく文字が少ない1歳児向けの絵本は、ストーリー性も少なく、大人目線では面白味がよくわからないこともあるでしょう。
本は年齢があがるほど一人で楽しむ機会が多くなっていきますが、1歳児にとっての絵本は一人で読むものではなく読み手とのやりとりを楽しむもの。
そんな視点で絵本を見ると、1歳児向けの絵本の見方も変わってくるかもしれません。
ここからは、何十年にもわたって、愛され続ける絵本から、色や音やしかけで子どもたちの興味を引く絵本まで紹介していきます。
くだもの (幼児絵本シリーズ)
1歳は、簡単な単語を覚えて話し始める子も多くなってくる時期です。
指をさしながら、そのものの名前を一生懸命繰り返し話す姿は微笑ましいものですね。
たった一語の「わんわん」の中にも、いろいろ言いたいことが詰まっていることでしょう。
そんな、言葉を覚え始めた子どもたちにおすすめなのは、身近なものを分かりやすく描いた絵本です。
大人の感覚では絵じてんのように情報量の多い方が、盛りだくさんでいいような気もしますが、1歳の子どもにとっては、1ページにひとつのものが大きく描かれている方がよりインパクトがあり、次に何がでてくるかというワクワク感も持てるようです。
例えば、福音館書店の幼児絵本シリーズ『くだもの』(平山和子著)。
この本は、1981年に発行されたロングセラー本です。
見開きの左ページにはまるごとのくだものとその名前があり、右ページは食べやすくカットされたり、皮がむかれたりした状態のくだものを「はい、どうぞ」と差し出される絵になっています。
本物そっくりの、それでいて写真にはない温かみを感じられる絵で身近なくだものが描かれているのもおすすめのポイント。
子どもがくだものの名前を言えるようになってきたら、「これはなに?」とあてっこ遊びをするのも楽しいですよ。
息子が1歳の時に購入し、3歳の今でもお気に入りです。
くだものの絵がとてもおいしそうで、子どもの食いつきがすごかったです。
あまりに絵が美味しそうだったからか、この本を読んだ時に初めて、おままごとのように食べるフリをしていました。
ふわふわわんちゃん (パペットしかけえほん)
絵本が好きな子になってくれるといいな、という気持ちで読み聞かせを始めるひとは多いでしょう。
けれど、こちらの思いとは裏腹に、絵本をめくるのは楽しくても内容には興味がわかないという1歳児は意外と多いかもしれません。
まずは絵本に興味を持ってもらいたいなら、仕掛け絵本がおすすめです。
仕掛け絵本には、絵が飛びたすもの、一部が動かせるもの、においや音がするものなどいろいろな種類がありますが、1歳ではまだうまく力加減ができないので、複雑なしかけや壊れやすいものは避けた方が無難です。
おすすめは、大日本絵画のパペット仕掛け絵本シリーズ。
絵本にパペットが合体したようなつくりの絵本で、片手でパペットを動かしながらページをめくっていきます。
最初はパペットにしか興味がないかもしれませんが、これで絵本は楽しいものだと思ってくれたらしめたもの。
パペットはわんちゃん、くまちゃんなどから、スヌーピー、ピーターラビットなどのキャラクター、なかにはちょっとこわもてで「何でもたべちゃうぞ。がお?」と言ってくる「いばりんぼかいぶつシド」などもあるので、子どもの好きなものに合わせて選べるのもうれしいところです。
とっても可愛くてふわふわでした!うさちゃんの絵本も書店で購入しましたが、個人的にはわんちゃんの方が絵本の内容もパペットも好きです。一歳の娘も気に入ってくれました(*^^*)
もいもい
「赤ちゃん学」という学問を知っていますか?
赤ちゃんの発達の課程を科学的に調査、分析していく学問で、東京大学をはじめとするいくつかの大学で研究が進められています。
研究の中で、大人が考える「赤ちゃんの興味のありそうなもの」と実際に赤ちゃんが興味を抱くものには違いがあるということがわかってきたそうです。
世の中にある多くの絵本は、当然ながら大人が子どもの喜びそうなものをと考えて描いたものがほとんどです。
言葉の理解も進むころには、絵本にはストーリーを楽しむという要素も出てきますが、1歳児の関心はほぼ絵だと言えるでしょう。
そんな絵が、もし、子どもの興味のないものだったとしたら、絵本に興味を持てなくてもしかたないかもしれませんね。
ディスカヴァー・トゥエンティワンの「あかちゃん学絵本シリーズ」は赤ちゃんと一緒に作った絵本シリーズです。
その中のひとつ『もいもい』(市原淳(作)/開一夫(監修))は、「もいもい」という音をきいて赤ちゃんが選んだキャラクターが主人公の絵本で、もいもいという言葉でお話しが続いていきます。
子どもにも好みがあるでしょうから、すべての子どもの感性にピッタリと来るかはわからないところではありますが、ぜひ読んであげたい絵本です。
図書館で見かけて、子どもが気に入ったようなので購入。
もいもいから目を離さず、じーっと見つめています。
特にストーリーは無いですが、もいもいの言葉のリズムに惹かれます。
もこ もこもこ
理解できる言葉がまだ少ない1歳児にとっては、難しいストーリーより、擬音の方がすんなりと耳に入ってくることもあるでしょう。
次にご紹介するのは擬音でのみ構成されたちょっと不思議な作品です。
長い間、多くの人たちに読み継がれてきた1977年発行のロングセラー『もこもこもこ』(谷川俊太郎作 / 元永定正絵)。
子どものころに読んだ記憶があるというひともいるのではないでしょうか?
ページいっぱいに広がる不思議な世界に、「もこ」「にょき」などの擬音が言葉少なに載せられています。
この絵本の世界観は読み方で大きく変わるのも不思議なところで、読み聞かせ向けの一冊とも言えるでしょう。
大人が読むと意味不明で、購入を躊躇されている方は、作者である谷川俊太郎さんの読み聞かせをYouTubeで見てみてください。6ヶ月の息子はもちろん、私たち夫婦も笑ってしまいました。そしてすぐに購入!
読み聞かせって、こうするもんなんだと、勉強にもなりました。
おやすみなさい
絵本を寝る前の習慣にしたいと考えているひとも多いのではないでしょうか?
ただ、これから眠りにつこうというときに、刺激の強い絵本では目が冴えてしまいます。
そんな時におすすめなのが、優しいストーリー絵本です。
日中は他のことに興味を奪われ、すぐにいなくなってしまう子どもでも、寝る前ならばなんとなく聞いてくれるかもしれません。
アノニマ・スタジオの『おやすみなさい』作:V.アラジディ C.ペリシェ/絵:E.チュクリエール/訳:カヒミ カリィ)は絵もストーリーもお休み前にぴったりの1冊と言えるでしょう。
この1冊で物足りない子どもには、他に読んだ後、最後にこの本を読んであげることを習慣づけると心地よく眠りについてくれるかもしれませんね。
図書館で借りてきましたが、色使いの鮮やかさな文章の優しさが好きで手元に置いておきたくて購入しました。
小さ声で囁くように伝えたい文章は寝る前に読み聞かせるのにピッタリです。
親子でお気に入りの1冊を見つけよう!
絵本の読み聞かせのメリットなどが取り上げられるのを見て、読み聞かせをしてあげようと意気込んではみたものの、子どもがすぐに他のことに気を取られてきちんと聞いてくれない、1歳児にはよくあることかもしれません。
でも、何かのきっかけで、お気に入りの1冊を見つけられたら、今までが嘘のように繰り返し読んでとせがむのも1歳児です。
絵本を読み聞かせるということは、子どもと時間を共有するということ。ぜひ、いろいろな本の中からお気に入りにの1冊を見つけて、素敵な時間を共有してください。
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