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公開 2020年11月18日  

2歳前後の幼児に起こる反抗期はどうして?疲れた時の切り替え方や対処法などを紹介

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"魔の2歳児"や、"イヤイヤ期"なんていう呼び方もある、2歳前後の幼児の反抗期。ちょっとしたことで不機嫌になったり泣きわめいたりして、対応に困っている方も多いでしょう。子育てと反抗期は切っても切れないものとはいえ、時にはイライラしたり、疲れてしまったりすることも。そんな反抗期をどのように捉え、どんな風に対処していけば良いかをまとめました!


自我が芽生え、子どもが自分自身と向き合い始める時期

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2歳前後の子どもは、自分と他人が違うことを意識し始め、自我が芽生え始める時期です。

色々なことに興味を持ち、好奇心旺盛で、何でも自分でやってみて達成感を味わいたい年頃。

あれもこれもやりたいと手を出し、お友達や兄弟と遊んでいる場合にはすぐにケンカになることもしばしばです。

自分で全てやってみたいのにうまくいかない、うまくできないことでフラストレーションを感じ、不機嫌になりやすい時期でもあります。

これは自己主張ができるようになってきたことで、自分という存在を認めて欲しい、どんな自分も受け入れてほしい、という正常な発達の過程です。

自分という存在に向き合っている状態でもあり、それが”イヤイヤ”という形で現れてくるのでしょうね。

その状態は大人の目に、"反抗している”、"反抗期”と映ってしまうのかもしれません。


毎日のイヤイヤに疲れてついイライラ、どうしたらいい?

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反抗を目的としてイヤイヤしているわけではないとはいえ、毎日続くとイライラして怒ってしまうことも。

時には自己嫌悪に陥ってしまうかもしれませんね。けれども、このような感情を抱くのは親として自然なことです。

イヤイヤしている我が子に対し怒りの感情が湧くのは、親としてしっかり子どもと向き合っているからであって、決して自分を責める必要はありません。

そして何より親子の信頼関係が成り立っているからこそ、子どもは親に全力でイヤイヤできるのだそうです。

まずは、イライラしてしまう自分を認めてあげましょう。時には一緒になって泣いてしまった方がスッキリできてよいかもしれません。

そして、家の中であれば、別の部屋で少しの時間だけ一人になってみるのも良いでしょう。

外であれば、初めから無理な予定は組まずに、「大泣きしたら帰ろう」くらいの気持ちでいれば心が軽くなりそうです。

お互いにつらくならないように、工夫できるといいですね。

また、反抗期の子どもと毎日向き合っていると、良い面が見えづらくなってくることもあります。

子どもとふたりきりで過ごすのではなく、地域の子育て支援センターや児童館などに行って、環境を変えてみましょう。

心にゆとりがあれば、子どもの成長を感じたり、これまで気づかなかった良い面を見られたりすることもあります。



イヤイヤに根気よく寄り添い、言葉にしてあげる

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2歳前後の子どもは人との関わりの土台ができていく大事な時期でもあります。

周りの人との関わり合いや、反抗したときにどう対応してくれたのかによって他人へ対する「信頼感」ができていくのだそう。

なので、大人の都合や考えを押し付けることはやめましょう。

忙しい時や気持ちに余裕がない時は難しいですが、なるべく寄り添い、どうして欲しいのか、いま何がしたいのか、分かってあげようとする姿勢を見せることができると良いですね。

それでもイヤイヤの原因が分からなかったときは、子どもを抱きしめてあげたり、一緒に泣いたりしてもよいでしょう。

親子がお互いに分かり合おうと努力することが、反抗期を抜け出す近道になるかもしれません。

また、何でもすぐに手を出し、手伝ってしまうのではなく、「ボールがほしかったのね」「これをこうしたかったのね」と言葉にしてあげると、「分かってもらえた」「認めてくれた」と自己肯定感が育まれ、「自分はこうしたかったんだ」と自分の気持ちを認識することができるようになるそう。

こうしたやり取りを積み重ねることで、気持ちを言葉にする練習にもなります。

意思疎通の訓練という面でも、この頃の子どもの反抗期はとても大切な成長の過程といえるでしょう。



イヤイヤ行動の時、頭の中では何が起きているの?

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産まれたばかりの人間の脳は、非常に未熟で小さな状態です。

そこから10年以上の歳月をかけてゆっくりと成長していきます。その過程でイヤイヤ反抗期や夜泣きなどが起きてくるのだそう。

脳の表層にある前頭前野と呼ばれる部分が衝動的な欲求を抑える役割を担っているのですが、子どもの未発達な脳では、中心付近から湧いてくる本能的な欲求を抑えることがまだまだできないとされています。

人間の脳の構造上から見ても、反抗期というのは脳が発達していく上で避けては通れない道なのかもしれません。

「前頭前野が順調に成長し始めているんだ!」と、受け止めてあげたいものですね。



時には毅然とした態度も必要

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こうしたらお母さんがこうしてくれるだろう、こうすればお父さんはこうしてくれるだろう、と、親を信頼しているからこそ思う存分イヤイヤできる反抗期ですが、全てを受け入れてあげるわけにはいきませんよね。

反抗する子どもに寄り添うのは、子どもの自立心を育むうえで大切な事ですが、時には毅然とした態度も必要です。

それは、自分や他人を傷つけた時、または傷つけようとした時です。

当然、自分や他人を傷つけるようなことをしてはいけません。

たとえ反抗期の大変な時期であっても、自分を守るため、他人を守るために、このことはしっかり伝えておきたいものです。

制限がなく「なんでも好きにしていいよ」と言われると、大人でさえ「え、どうしよう」と不安になって動けなくなってしまいませんか?

子どもも同じで、ある程度制限してくれるのを待っている場合もあるようです。

「どこまでやったらお母さんは止めてくれるかな?」と親の反応をうかがっている場合もあるでしょう。

その行動が時に危険なことだったり、自分や他人を傷つけるようなことへつながる場合は厳しく伝え、たとえ泣いても反抗されてもその行動を止める必要があります。

子どもは親のことをよく見ており、気持ちもよく分かっているので、厳しい時があってもちゃんと分かってくれます。

そして、厳しくしすぎたかなという場合には、あとからフォローしてあげられると良いですね。

例えば下の子がいてなかなかフォローできない場合は、家族に下の子を少し見ていてもらい、上の子と二人きりで過ごしてみるなど、工夫してあげたいですね。


周りと連携しながら"共育"の子育てを楽しもう!

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反抗期の子どもに対して意識しておきたいことは、子どもの様子(表情や行動など)をよく見てあげること。

そして、子どもの気持ちを考え受け止めて、子どもの気持ちを汲んで言葉にしてあげること。

親の気持ちや都合を伝えて、どうすればいいか、どうしたいのかを一緒に考えてあげることも重要です。

「一緒に考える」という視点を、最も大切にしていきたいですね。

とはいえ毎日のことで、子どもとの関わりには様々なことが起こり不安や悩みが尽きることはありません。

「大変だけど楽しい子育て」という気持ちをもって過ごしたいものです。

次世代を育むという大きな役割を担う親世代と、反抗しながらも一生懸命自分を表現しようとする子どもとともに成長していく「共育」「共発達」ということを意識し、子どもと対等な関係でともに育っていけると良いですね。

子育ては自分一人でできるものではありません。

外に出るのが億劫な日や、人と会いたくない日などももちろんあって当然です。

一方で、人と会い、少しでも会話をすることで溜まっていたものがフッと軽くなることもありますよね。

子どもの健やかな成長のため、自分自身が心地よく子育てをしていくために、周りとの連携も意識してみましょう。

少しでもスムーズに反抗期を乗り越えていけたら良いですね。


※ この記事は2024年10月10日に再公開された記事です。

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