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公開 2020年05月22日  

夫の「適当にやっとく〜!」が、なんだか頼もしく感じた日<第四回投稿コンテストNO.22>

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第2子妊娠中、夫が長男と2人で過ごすことができるか、不安で仕方なかったというにじいろさん。産後、夫の一言にハッとしたといいます。



第2子の妊娠が発覚した時、私はとても困惑していました。

えっ、無理じゃない!?と、かなり悲観的でした。

いえいえ、最初にお断りしておきますが、我が家は全くワンオペではありません。

職場が近くおまけに車通勤の夫は遅くとも19時30分には帰宅し、毎日家族揃って夕食を囲みます。

育児にもしっかり関心があって、日々長男と遊んでくれ、食事の介助もオムツ替えもできる。

お風呂上がりの着替えだって、パジャマの用意からドライヤーまで任せられる、かなり良いお父さんです。

だけど当時1歳3ヶ月になったばかりの長男は、生後1ヶ月頃からフライング気味に片鱗を見せ始めた人見知りが、絶賛大爆発中のスーパーダメボーイ。

夫のことはずっと好きでしたが、とにかく私の姿が見えなければ不安な様子で、夫と2人で私のお風呂を待つ間中泣き叫ぶような日も多々ありました。


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そんな長男を相手に少々怖気づいた夫は、溺愛しているし育児にも関わってくれるけれど、基本的に私が育児をして、そのサポートに徹するような役割分担が出来上がっていました。

もちろん通常はそれで良いのです。

私が専業主婦という事もあり、我が家はそれでバランスが取れていました。

でも第2子の出産となればそうもいきません。

分娩~入院の間、母不在の時間を過ごしてもらわねばなりません。

お風呂にも入れてもらわねばなりませんし、寝かしつけてもらわねばなりません。

ウンチのオムツだって、「できたら替えたくないな~」なんて言っている暇なく替えてもらわねばならんのです。

ハラハラヒヤヒヤ、気持ちが上がらない私に対して、夫は素直に第2子の妊娠を喜んでくれましたが、

「よし!じゃあこれからお父さんとお風呂に入ろう!練習やー!」

とか、

「よし!週末はお父さんが寝かしつけするぞ!練習やー!!」

とか言ってくれるわけではなく、そんな様子に私はどうしてもっと考えてくれないんだろう…自分の子どものことなのに…と、不安と、もどかしさと、いらだちを募らせていました。


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気持ちがすっきりしないままに妊娠生活をおくり、後1週間で正期産。

予定日の9月末からの気候に合わせて、里帰りの荷物も一通りまとめられたかしら…という8月末頃。

朝方4時頃に「お腹が張るあなぁ…」と気付いたところから始まり、数時間後の朝9時48分、36週0日の早産で第二子である次男が誕生しました。

幸い早産でありつつも体重は2300gを超えていて自発呼吸もしっかりしており、健康そのもの。

ただ…。

「お腹が張るなぁ」から出産までわずか5時間。

私、超絶スピード出産体質なんです!

それ自体は楽で良いのですが(医学的にどうかは知りませんが)、問題は9月末からの気候に合わせて準備した里帰り用の荷物。

いや、今まだ真夏やないか…

もし、陣痛が進まず自宅で様子を見る数時間などがあれば、夫にあれこれ伝えられたのかもしれません。

でも残念ながら、息つく暇もなく出産まで走り抜けてしまった私は、産後病室のベッドでその事実に気付く羽目になったわけです。

さて困りました。

私はもう家には帰れない。

退院の日に、新生児を抱えて一旦自宅に戻り、荷造りしなおしてから実家に…とか、しんどすぎる。

これは夫に頑張ってもらうしかない…。

思いがけない早産やら出産の興奮やらで、テンパりながら

「あのな、いつも長男の服を入れてるケースの下の段にな、里帰り用の荷造りしてあるねんけどな、9月末のつもりやったから秋服が入っててな…」

と早口でまくしたてる私。

そんな私に、夫は落ち着いた様子で言ったのです。


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「あ~、なるほど。わかった、適当になんとかしとくわ!」

その言葉に、私はハタと我に返りました。

そうか、この人、「適当に」なんとかできるんだ…。

夫は、長男の服がどこにしまわれているのか知っています。

今の季節にどんな格好をしていて、次の季節にはどんな格好になるのかも知っています。

服のサイズもオムツのサイズも知っています。

夫はスポーツカー好きになって欲しいけれど、長男は電車の方が好きだと知っていますし、絵本以上に図鑑が好きだとも知っています。

好きな食べ物も、毎日何時頃起きてどんな一日を過ごし、何時頃寝るのかも知っているのです。

ああ、一緒に子育てをするってこうゆうことかもしれない…。

自分で連れて行ったことは無くても、かかりつけの小児科を知っているし、次がいつなのかを知らなくても、これまでに何度も予防接種を受けてまだ続くと知っている。

子育てのほぼすべてのことを、「だいたい」知っている。

これって素晴らしいことだと気付きました。

夫は長男をよく見てくれていたし、私の話にもしっかり耳を傾け、興味を持って聞いてくれていました。

何をあんなに不安がっていたんだろう。

たとえすごく長男が荒れたとしても、夫は絶対投げ出さないし、愚痴ぐらいはこぼすかもしれないけれど、誰を責めるでもなく頑張ってくれるに違いない。
長男のことは夫に任せておけば大丈夫だ…。

改めてそう感じ、とても安心したことを覚えています。

今では長男は4歳6ヶ月、バタバタで生まれた次男も2歳8ヶ月。

相変わらず子どものことはだいたいなんでもわかる夫と私は、甘えたな息子二人にまとわりつかれ、私はすっかり信頼している夫に「よろしく~」と丸投げし、夫からは「やっぱりお母さんが一番やな!」とおだてて投げ返され、お互いにやっぱり寂しくなって息子にちょっかいをかけ、そんな風に日々を過ごしています。

息子たちを取り合ったり押し付けあったり、やっぱり取り合ったりしながら、今日もこれからも、私たちは一緒に子育てをしていくのだと思います。

ありがとう、これからもよろしくね。






(ライター:にじいろ)




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※ この記事は2024年10月31日に再公開された記事です。

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