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公開 2020年05月23日  

理解できない夫の行動…ある一言から学んだ、子育てに大切なこと<第四回投稿コンテスト NO.24>

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普段から行動様式が異なっているというYukiさんご夫婦。子育てにおいても意見の異なる夫に、イライラすることも…。しかし、夫のある行動が、夫なりの子育て方法を見直すキッカケとなったようです。



私と夫は、基本的に、行動理念が全く合わない。

取りあえずやってみる、私。
先にリスクを検討する、夫。

出かけるのが好きな、私。
ステイホーム大好きな、夫。

テレビと会話が同時に処理できない、私。
テレビ、パソコン、会話の同時進行をしたい、夫。etc.etc...

なんで結婚した!?と言われそうなものだが、人生本当に何があるかわからない。


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そんな二人なものだから、当然、子育てにおいても意見の食い違いが多発する。

例えば休みの日。

お天気が良い日は、私は、外に出かけたい気持ちになる。

特に、春先で、気候もちょうどよい時期なんて、外に行かない選択肢はない!

子どもだって、家でテレビを見るより、外で遊ばせた方が良いと思う。

だから私は、息子を着替えさせて、自分も着替えて、外遊びの道具をもって、公園へ連れ出す。

ところが、夫は、まず息子に尋ねるのだ。

「お外行く?」

と。

すると、テレビでお気に入りの電車の動画を見ていた息子は答える。

「やーだー」

息子がそう答えると、夫は

「いやなんだって」

と言って、どれだけ天気が良かろうと、風が気持ちよかろうと、外へ行こうとはしない。

たとえ出るときに「いや」と言っていても、公園に行ってしまえば、息子は、お気に入りのシャボン玉を吹きまくって「じょーずー!」と自画自賛し、ひとりで「よーい、ドン!」と言って駆け回り、すべり台を滑って、ご機嫌に遊ぶのに、だ。

いや、外に行こうよ。

健康と、夜のスムーズな就寝のために、と思う。


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寝かしつけでもそうだ。

寝室に連れていき、添い寝をしてトントンをしていても、素直に眠ってくれない時はある。

そこそこある。

私は、就寝時間を守って眠ってほしいので、息子が寝室から出たがって泣いても、なるべく寝室から出さない。

出したとしても、電気をつけずに抱っこして、寝るまでゆらゆらしたりしている。


しかし夫は、息子が泣いてリビングに行きたいというと、すぐにリビングに連れて行ってしまう。

そして、息子の言うまま、電気をつけて、テレビをつけて、おもちゃを出す。

そうなると、息子は、遊びに夢中になって、寝ない。

深夜の12時を過ぎても寝ない。

「だって寝ないんだから、仕方ないじゃん」と言って、遊びに付き合っている。

もう少し、寝かす努力をしようよ、と思う。


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さらに、入浴。

息子はお風呂が嫌になる時期が、何ヶ月かに一時期、気まぐれにやってくる。

とはいえ、お風呂に入れないわけにはいかないので、私は、泣こうが喚こうが、脱衣所に連れていき、号泣する息子の服を脱がせてお風呂に入れる。

まだまだ泣くようなら、おもちゃなどでなんとかご機嫌を取って、入浴を済ます。

夫はというと、息子が、泣かずに脱衣所に来れるまで、または、脱衣所で泣き出した息子が、素直に服を脱いでくれるまで

「ほらー、入ろうよ~」

などと呑気に声をかけ、いつまでたってもお風呂に入れない。

(また、就寝の時間が、遅くなるじゃないか!!)

私は正直、この対応にイライラしていた。


ところが、お風呂イヤイヤ絶頂期のある日、なぜか泣かずに夫とお風呂に入れたのだ。

お風呂に行く前は、ぐずぐず言っていたのに、脱衣所で泣き出すことなく、お風呂に入っていた。

夫に訊くと

「脱衣所から出たがったから、ドアを開けといたんだよ」

と。

私と入る時にも、息子は脱衣所のドアに縋り付いて出て行きたがったが、私は「逃がすわけにいかない!」と思い、決してドアを開けなかった。

ところが、この時、夫が脱衣所のドアを開けてあげると、それで気が済んだのか、逃げ出すこともなく、泣かずにお風呂にも入れたのだ、という。

開けたら逃げると思っていた、と言った私に、夫は

「逃げ道を用意してあげないと」

と言った。

私にはない観点だった。

そうか。

「逃げ道がある」と思うだけで、安心できることもあるのか。


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夫が私と別の人間で、行動理念が合わないように、息子もまた、私とは別の人間だ。

私の思う「楽しい」が、息子にとっての「楽しい」ではない。

それは分っていたつもりだったけれど、こんな小さな違いでも、安心出来たり出来なかったりするのか、と、改めて思い知らされた。


私は、割と強引な性格で、やればなんとかなるんじゃないか、とか、頑張ればできるだろう、と思いがちだ。

だから、つい、周りの人間にも「やればいいのに」や「頑張ればできるよ」という思いで、色々なことを強要してしまう。

けれど、今回の息子のように――ドアを開けるだけで安心できるように――少しだけ、逃げ道を残してあげるような、柔らかい対応の仕方もあるのかもしれない。


今後も、夫とは、息子への対応の違いで苛立つこともあるだろう。

けれど、「息子にとって」は、どんな対応が「ベスト」なのか。

息子の反応を見ながら、夫の育児も参考にしていきたいと思う。


ちなみに、翌日は、脱衣所のドアを開けてみても、ギャン泣きでお風呂を嫌がった。

残念。

同じことをしても「ベストプレー」にはならないのが、育児の難しさ。

息子の本当の意思がはっきりわかるのは、きっとまだまだ先のことなんだろう。


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おまけのベストプレー

この春に私の育休が終わり、職場復帰するにあたって、家庭内で家事の分担を考え直した。

いろいろな事情を加味した結果、夫が食事の担当になった。

結婚してから5年。

一度も包丁を握ったことのなかった、夫が、だ。


そんな夫の、記念すべき、初・晩御飯担当の夜。

夫は、アプリを使って献立を決めたので、食卓に並んだものは、初めてのメニューばかり。

普段からあまり食事に意欲を見せない息子が、一口食べて発したのは

「おいしー!」

まさかの。
 
私もあまり聞いたことがない。

「おいしー!」

そして、完食。

そりゃもう、夫はご機嫌ですよ、ね。

えぇ。(本人は、隠そうとしてましたけど)


ナイス育児!ならぬ、ナイス育父!!
 
ほめて育てる息子のベストプレー。
 
育児はチームプレー。

息子もチームの一員だったのです。

私も見習わねばと思った夜でした。



(ライター:Yuki)


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※ この記事は2024年11月01日に再公開された記事です。

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