我が家の長女は、3歳2ヶ月の時に発達検査を受け、確定診断には至らなかったものの「ADHD(注意欠陥多動性障害)の傾向・疑いあり」との見解を専門医よりいただきました。
思い返せば、赤ちゃんの頃から発達の凸凹が激しかった長女。
癇癪が強く、言葉の発達も比較的ゆっくりで、育児書や同世代のよその子と比べてはいけないと頭ではわかっていましたが、あれができていない、これが遅いとやきもきしてばかりの3年間でした。
そんな私の姿を間近で見ていた夫は、仕事が自営業ということもあり、自宅にいることが多いため、長女の様子もよく見てくれていたのだと思います。
ある時期を境に、私がいつものように
「もうとっくに○○ができるようになっていい時期なのに……いつになったらできるようになるのだろう……」
と不安を口にすると、こんなことを言うようになりました。
「お母さんがそうやって心配し始めてから数ヶ月後にはいつも長女はできるようになるから、大丈夫だと思うよ」
最初は、夫からそのように声をかけられることに対し、正直言ってあまりいい気がしていませんでした。
確かに、振り返ってみればいつの間にか長女のできることは増えていて、私の心配はほとんどが杞憂に終わっていたかもしれません。
でも、そうは言っても心配なものは心配だし、もしかしたら私の育て方が悪いのかもしれないし、そもそもしつけも何かを教えるのも基本的に私がやっているじゃない……
と関係ないことまで悪い方向に考えてしまって、つい言い返してしまうこともありました。
当時の私には、夫の言葉が安っぽい気休めのように聞こえてしまっていたのです。
しかし、ある日彼の言葉を素直に受け止められるようになる出来事が起こりました。
「大丈夫だよ」って簡単に言わないで!そう思った過去を反省した日<第四回投稿コンテスト NO.29>
11,896 Viewあまねさんは、長女の発達に不安を抱え、落ち込んでしまう日があったそうです。そんな時、夫の「大丈夫だよ」という言葉が気休めのように感じ、いい気もちがしなかったそうなのですが…
実は、3歳を過ぎてもこちらの問いかけに対して
「うん」「そうだよ」
という返事ができていなかった長女。
「違う!」
という否定の主張は一人前なのですが、肯定の返事はできず、否定されなければ合っているんだな、とこちらが解釈するようなコミュニケーションの取り方をずっとしてきていました。
私は例のごとく
「いつになったら肯定の返事ができるようになるんだろう……」
とぼやいていましたが、長女が3歳4ヶ月になった頃、その瞬間は突然訪れました。
いつもと変わらぬ食事の時間、いつものように私は長女に尋ねました。
「ごはん、おいしい?」
「うん、おいしい!」
……あれ?
今、「うん」って言った?
初めは驚いて頭がフリーズしてしまいましたが、少し時間が経って落ち着いた頃、私は自然とこう口にしていました。
「お返事ができないって悩んでたのが、ちょうど3ヶ月前くらいだったな……」
この気付きによって、それまでの自分は目の前の「できていないこと」にばかり囚われすぎて、いざ長女が何かできるようになっても、また別の「できていないこと」に注目して「できたこと」を軽視していたのだと反省しました。
赤ちゃんの頃は、ちょっとした成功にでも喜び、成長を噛み締めていたというのに……
そのことに自分で気付けたことによって、ようやく私は夫の言っていたことが気休めではなく、ちゃんと長女のことを見てくれていたからこそ出た発言なのだと心から思うことができたのです。
最近では「お母さんにばかりしつけや嫌われ役を押し付けるのはよくないなと思った」と、以前よりも積極的に長女のしつけに関わってくれるようになった夫。
それに伴い長女からの「お父さんバイバイ!(あっち行けの意)」を食らうことが増えて若干落ち込んでいるようですが、それでもめげずに長女と向き合い続けてくれています。
そうやって子どもたちと向き合える、しっかり子どもたちのことを観察してくれる夫だからこそ、私の狭くなっていた視野を広げることができたのだと思います。
「できないこと」にばかり注目して、時には厳しい言葉をかけてしまった長女には申し訳ない気持ちでいっぱいですが、今からでも「そのうちできるようになる」という前向きな心で接していこうと決意しました。
そして、つい心配しすぎてしまう私を前向きな方向に引っ張ってくれる夫を、これからも信頼し、大事にしていきたいと強く思いました。
「長女はできるようになるから、大丈夫」
この言葉が、我が家のパートナーのナイス育児語録です。
(ライター:あまね)
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