【医師監修】新生児に必要なミルクの量はどれくらい?混合の場合の飲ませ方も解説
7,184 View赤ちゃんが生まれたその日から始まる、おっぱい、ミルク。今回は新生児を中心に、12ヶ月の赤ちゃんまで、ミルクの量や飲ませ方、足りているかどうかの見分け方などをご紹介します。<監修: すずきこどもクリニック 鈴木 幹啓院長>
新生児のミルクの量と間隔、回数は?月齢別にご紹介
赤ちゃんが生まれたらすぐにおっぱいやミルクをあげる生活が始まります。
でも新生児はまだまだ上手に飲めない子も多いもの。「量が足りているかな?」「飲みすぎていないかな?」というのは、多くの新米ママにとっての心配ごとです。
赤ちゃんの哺乳量は、赤ちゃんの月齢や体重によって変わってきますし、もちろん、あかちゃんによっての個人差も。
粉ミルクのメーカーによっても目安が多少異なっていますが厳密にまもらないといけないことではありません。
続いて、月齢と体重に応じたミルクの量の目安をご紹介します。
ミルクの量:明治「ほほえみ」の場合
・月齢0~1/2か月(標準体重3.0kg):
キューブの場合…2個(でき上がり80ml)
顆粒の場合…4さじ(でき上がり80ml)
1日あたりの授乳回数…7回
・月齢1/2か月~1(標準体重3.8kg):
キューブの場合…2~3個(でき上がり80~120ml)
顆粒の場合…4~6さじ(でき上がり80~120ml)
1日あたりの授乳回数…7回
・月齢1~2(標準体重4.8kg):
キューブの場合…3~4個(でき上がり120~160ml)
顆粒の場合…6~8さじ(でき上がり120~160ml)
1日あたりの授乳回数…6回
・月齢2~3(標準体重5.8kg):
キューブの場合…3~4個(でき上がり120~160ml)
顆粒の場合…6~8さじ(でき上がり120~160ml)
1日あたりの授乳回数…6回
・月齢3~5(標準体重6.8kg):
キューブの場合…5個(でき上がり200ml)
顆粒の場合…10さじ(でき上がり200ml)
1日あたりの授乳回数…5回
・月齢5~7(標準体重7.7kg):
キューブの場合…5個(でき上がり200ml)
顆粒の場合…10さじ(でき上がり200ml)
1日あたりの授乳回数…5回
1日あたりの離乳食…1回
・月齢7~9(標準体重8.3kg):
キューブの場合…5個(でき上がり200ml)
顆粒の場合…10さじ(でき上がり200ml)
1日あたりの授乳回数…5回
1日あたりの離乳食…2回
・月齢9~12(標準体重8.8kg):
キューブの場合…5個(でき上がり200ml)
顆粒の場合…10さじ(でき上がり200ml)
1日あたりの授乳回数…5回
1日あたりの離乳食…3回
新生児のミルクの量
明治「ほほえみ」を元に、もう少し詳しくご説明しましょう。
生まれたばかりの赤ちゃんで、体重が3.0kgの場合なら、ミルクの必要量は、1回あたり80ml、回数は1日7回が目安です。
半月ほど経って体重が3.8kgほどになった子の場合は、様子を見ながら80~120ml程度まで増やしてみましょう。回数は、同じく1日7回です。
ただし、新生児は1回に多くの量を飲めなかったり、授乳の途中で寝てしまったりということもしばしば。
「絶対に飲ませなきゃ」と思わなくても大丈夫です。
赤ちゃんが元気か、体重が順調に増えているか、脱水症状になっていないかに留意してあげてください。
その見分け方は、後ほど詳しくご紹介します。
なお、必要なミルクの目安量は、出生時の体重によっても変わってきますので、低体重で生まれた赤ちゃんの場合などは、医師や助産師に相談しましょう。
生後1ヶ月~離乳食開始前のミルクの量
以下は、生後1ヶ月から離乳食開始前の赤ちゃんのミルクの量の目安です。
赤ちゃんの発育状態や個人差によって、量を加減してください。
・1~2ヶ月(基準体重4.8kgの場合)
1回あたりの量:120~160ml
1日あたりの回数:6回
・2~3ヶ月(基準体重5.8kgの場合)
1回あたりの量:120~160ml
1日あたりの回数:6回
・3~5ヶ月(基準体重6.8kgの場合)
1回あたりの量:200ml
1日あたりの回数:5回
離乳食開始後~12ヶ月のミルクの量
5~6ヶ月ごろからスタートする離乳食ですが、どのくらい食べてくれるかは、個人差が大きいもの。
以下を目安に、赤ちゃんの様子を見ながら調整しましょう。
・5~7ヶ月(基準体重7.7kgの場合)
1回あたりの量:200ml
1日あたりの回数:5回+離乳食1回
・7~9ヶ月(基準体重8.3kgの場合)
1回あたりの量:200ml
1日あたりの回数:5回+離乳食2回
・9~12ヶ月(基準体重8.8kgの場合)
1回あたりの量:200ml
1日あたりの回数:5回+離乳食3回
母乳と粉ミルクを混合する場合の目安量は?
ここまで、ミルクの目安の量をご紹介してきましたが、困ってしまうのが母乳とミルクの混合の場合、適切な量の計算方法です。
母乳の出方によって、ミルクを足す量が変わってくるからです。
母乳の出に特に問題がなく、ちょっと心配な時にミルクを足すだけというママもいれば、あまり母乳が出なくて、ミルクの比率が高いというママもいるでしょう。
まずは、母乳優先で、母乳を10分程度は飲ませた後、先ほどご紹介した月齢ごとの量を与えてみましょう。
あくまで目安の計算ではありますが、作ったミルクの量から飲んだ量を引いた残りが、だいたいの母乳の量と考えられます。
また、母乳とミルクを別々の時間に与える場合は、ミルクは、月齢ごとの目安量を参考に飲ませてみます。
母乳とミルクの混合といっても、おっぱいのハリ具合などによって、やり方は変わってきます。
・毎回の母乳の後ミルクを与える
・母乳とミルクを交互に与える(例:朝6時に母乳を与えたら、次の9時はミルクなど)
・夕方にミルクを足す(一般的に夕方は出にくくなると言われているため)
…など、ママと赤ちゃんに合ったやり方を探してみましょう。
ミルクが足りない時のサイン
赤ちゃんが飲むミルクの量は、目安はあるものの、もちろん個人差があります。
2~3ヶ月になるころには、赤ちゃん自身で飲む量を調整できるようになるので、いったん欲しがる量を与えて様子を見てもいいでしょう。
ミルクが足りないサインとしては、以下のようなものが考えられます。
体重が増えない
特に新生児の場合は、生後数日の生理的体重減少(一時的に出生時よりも体重が減る現象)を除けば、日ごとに体重が増えていきます。
体重をこまめにチェックして、ミルクが足りているかの参考にしましょう。
飲む量が少ないかな?と思っても、体重が増えているなら問題はありません。
おしっこが少ない
水分の摂取が少なければ、当然出るものも少なくなります。
新生児の場合、おしっこは1日に7~8回程度が目安とされているので、参考にしてみてください。
また、便秘の場合も、哺乳量の不足が疑われます。
毎日出なくても、たとえば2~3日に1回定期的にスムーズに便が出ているようならいいのですが、ウンチがなかなか出ない(硬い)、ウンチの時に苦しそうということであれば、便秘といえます。
授乳の量や回数を見直すほか、他の原因がないか医師に相談しましょう。
ぐずる、元気がない
ミルクが不足して空腹だと、赤ちゃんはぐずりやすくなります。
いつも機嫌が悪い、授乳の後もすぐ泣くなどの場合は、いつもより少し多めに与えてみましょう。
元気がない、顔色が悪いなどの場合も、ミルクが不足している可能性がありますが、場合によっては病気など他の原因も考えられます。
おかしいと感じたら医療機関での受診をおすすめします。
足りていないのに飲んでくれない!?
これまでご紹介したような状況が見られ、「どうやらミルクが不足している」「病院で病気ではないと言われた」
なのに、赤ちゃんが飲んでくれないということもあります。
病気などでないのなら、何か赤ちゃんにとって不快なことがあるのかもしれません。
ミルクの温度が適温か、哺乳瓶を嫌がっていないかなどをチェックしてみてください。
乳首の素材や形状はメーカーによって違いがあるので、変えてみてもいいでしょう。
ミルクを飲みすぎた時のサイン
ミルクが足りていないのも心配ですが、逆に、飲みすぎもいけません。
特に新生児はまだ自分に必要な量が分かっておらず、口に乳首や指が触れると反射的に吸ってしまいます(吸啜反射 きゅうてつはんしゃ、といいます)。
母乳の場合は赤ちゃんが欲しがるだけあげてもいいのですが、ミルクは母乳より消化吸収に必要な時間が長く、毎回欲しがるだけどんどん与えてしまうと赤ちゃんの負担になるので注意しましょう。
・機嫌が悪い
・お腹が張って苦しそう
・下痢などお腹の調子が整わない
・しょっちゅう吐いてしまう
このようなサインが現れた時は、飲みすぎている可能性があります。
体重をチェック
体重の増加が多すぎかも?と心配であれば、健診の機会に相談したり、受診したりして、プロの目でチェックしてもらってもいいでしょう。
ただし、赤ちゃんは成長のスピードやペースに個人差があり、いつも一定のペースで体重が増え続けるわけではありません。
急にミルクの飲みが良くなって、グンと成長することもあります。
しっかり飲んでいるのに泣き止まない…
赤ちゃんが泣いたらまずミルク!と思っていませんか?
でも、赤ちゃんは本当にさまざまな原因で泣くものです。
おむつのチェック、暑かったり寒かったりしないか、その他不快なことはないかなどをチェックして、ゆったり抱っこしてあげてください。
赤ちゃんの様子をしっかり観察しましょう
特に初めての育児だと、分からないことだらけ。
育児書やミルクの説明を見て、「この通りにならない…」と悩むことも少なくありません。
しかし、「目安」や「基準」の通りにいかないのが育児です。
赤ちゃんが元気であるかをしっかり観察することが大切。
そして、判断に迷うなら、医師や助産師、保健師などのプロに相談しましょう。
【監修】鈴木 幹啓先生
<プロフィール>
日本小児科学会認定小児科専門医、すずきこどもクリニック院長を務める。
すずきこどもクリニック(https://www.suzukikodomo.jp/)
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