我が家には、小学校2年生の男女の双子がいます。
今でこそ自分たちのことは自分でできるようになった双子たちですが、小さい頃は双子ゆえ、当たり前のように2倍以上の手がかかる日々でした。
思い返せば、トイレトレーニングも同時進行。
同じような生活リズムで暮らしているせいか、排泄のタイミングも重なることが多かったのです。
子どもたちのペースで無理なく……とは思うものの、当時の私たち夫婦には「早くオムツを卒業したい」という気持ちがありました。
それには、こんな理由があったのです。
我が家では、双子を連れて外出する際、夫婦それぞれが抱っこひもで1人ずつ抱っこするようにしていました。
大人が2人とも抱っこひもを装着しているため、オムツ替えが必要な時には、抱っこしている子をそのままトイレや赤ちゃんルームに連れて行くというスタイル。
でも、双子がまだ幼かった当時、オムツ替えスペースのある男子トイレは限られていました。
それどころか、赤ちゃんルームに連れて行こうと思っても、男性入室禁止の札があるケースも多々あったのです。
1人ずつ抱っこしているので、1人分のオムツ替えは夫に頼まないといけないのですが、夫にとって「外出時のオムツ替え」のハードルはとても高い……。
外出前には必ず、夫がオムツ替えすることができる場所を確認するようにしていましたし、良い設備がある場所は夫婦で共有し合ったりもしていました。
そんなこんなで、我が家にとっては外出前も外出中も、とにかく「双子のオムツ替え」という問題がつきまとうことに。
でも、オムツ替えの必要がなくなれば、こうした負担が減って外出先の選択肢がぐっと広がります。
「双子がトイレに行けるようになれば、外出がかなり楽になる。」
これが私たち夫婦の暗黙の目標となり、夫婦で協力してトイレトレーニングに挑んでいくことになりました。
……と同時に、これは「面倒くさがらずに、トイレトレーニング中の双子と向き合う」という、大人側の試練でもありました。
双子のトイレトレーニングということで、まず「双子が同時にトイレに行きたい場合、どうするか」を考える必要がありました。
そこで我が家で導入したのは「おまる」です。
双子が同時にトイレに行く時は、1人をトイレに座らせ、向かい合わせにおまる置いてもう1人を座らせて、私はその真ん中にいる。
なんともシュールな光景でした。
トイレには、足踏み台を置いて補助便座をつけていたのですが、当時2歳だった双子は「穴が空いている」「水が流れる」と言って怖がっていました。
一方のおまるはサイズ感もちょうどよく、水が流れる心配もないので、安心して使うことができる。
だから「おまるも2つ必要か?」と考えたこともあるのですが、さすがに2つは場所もとるし、片付けも大変。
結局はおまる1つで最後まで乗り切りましたが、トイレもおまるも使っていた身としては、どちらも一長一短だったように思います。
トイレトレーニングを進めていくにあたり、モチベーションアップのための作戦もいろいろと立てました。
トイレトレーニング全体で見ると「双子ならではの工夫」も必要だったのですが、モチベーションアップの基本については、子ども1人の場合と同じです。
まず1つ目は、トイレ壁面にシールを貼って楽しい空間を演出すること。
些細なことではありますが、「トイレに動物がいるから、一緒に探しに行こう!」というような感じで、トイレへの導入として役立ちました。
2つ目は、かわいい下着を選ぶこと。
「トイレに行けるようになれば、こんなお姉さんパンツ、お兄さんパンツがはけるんだよ」と声かけをして、お店で自分たちで選んでもらいました。
この作戦は、我が家では非常に功を奏したように思います。
そして3つ目は、トイレでの排泄に成功したら「できたねシール」を貼ること。
これもモチベーションアップによく使われる方法だと思いますが、ここで“双子ならではの問題”が勃発。
先にトイレに成功した方の子が、「●●の分も貼ってあげるね」と善意の申し出をして、勝手に貼ろうとするのです。
楽しみにしていたシールを勝手に貼られるなんて、ケンカの火種以外の何ものでもありません。
日々無駄な争いが起きてしまうことを避けるため、「シートは1人1枚ずつ」「シールを貼っていいのは、自分の分だけ」のルールを徹底して乗り切りました。
様々な失敗もありましたが、無事にトイレトレーニングが完了。
楽しみにしていた「外出時のトイレ問題」が楽になったかというと……?
やはり、その後もいろいろとありました。
例えば、私1人で2人を連れて外出するとなると、狭い個室に3人ぎゅうぎゅう詰めで入ることに……。
狭い個室に入って鍵をしめると本当にギリギリなので、トイレトレーニングを終えてからも、なるべく「みんなのトイレ」を利用していました。
でも、家族4人での外出は、やはりとても楽になりました。
夫と分担してトイレに行く際も性別ごとにペアを組めますし、ハードルが高かった「オムツ替えスペース付きの男子トイレ」を探さなくても良いのです。
夫婦ともに子連れでトイレに行きやすい環境がどんどん整っていけば……と願う気持ちもありますが、「トイレ問題をクリアして、外出をもっと楽にする」を目標としてがんばってきた我が家のトイレトレーニングも、今となってみれば良い思い出となっています。