夫は1人で子守りが出来なかった。
子育てに協力的では無いのとは少し違って、言えば出来る事はやってくれるけど、覚える気が無く、一から全ての説明をしてやってもらう形になる。
時には「紙に書いておいて」と説明さえ聞いてもらえない時もある。
一度教えた事も次にお願いする時には忘れている。
また一から説明する羽目になる。
よく話に聞くあれだ。
子どもを見ていてとお願いしたら、本当にただ見ているだけのあれだ。
オムツ替えのタイミングやミルクや寝かしつけ、いつ、どんな時にやれば良いのか、これらのタイミングを普段から子育てを自分の担当と思っていない人に教えるのは難しい。
説明が大変だからいいや…と私も自分でなんとかしてきてしまったのも原因であろう。
しかし夫に対して初めから「子どもを頼むのは大変だから…」と思っていたわけではない。
そう思わされる出来事があったのだ。
夫に子どもは任せられない。そんな思いが消えた、1人っきりの外出<第四回投稿コンテスト NO.63>
18,381 Viewおだんごさんは第1子の子育て中、ある出来事をきっかけに「子どものことは、夫に頼まず自分で!」と思うようになったそう。しかし、第2子、第3子と子どもが増えていく中で、夫が成長していることに気がつきます…
それは長男が産まれて間もない頃、頼る人は無くワンオペ育児で疲れきっていた。
夫にもそう見えたのであろう。
「昼間、俺が子ども見てるから気分転換にどこかに出かけてきたら?」
そう提案された。
たしかに子どもが産まれてからは、スーパーに行くくらいでどこにもでかけていなかった。
外出先で子どもが泣いたり、周りに迷惑をかけたらどうしようとあまり外出できずにいた。
本当は行くあてもなく出かけるのが得意ではなく、出掛けるくらいなら寝不足を解消したい気持ちもあった。
しかしせっかくの夫の優しさを無駄にしてはいけないと、なぜかその時は思ってしまった。
そしてありがたく出かけてみる事にしたのだ。
とりあえずオムツ、そして着替え、ミルクの用意と、最低限の準備をして出かけた。
「ゆっくりしておいで」と送り出してくれた。
しばらくドライブしてカフェでのんびり過ごした。
久しぶりにゆっくり座ってお茶ができた。
でもすぐに
泣いていないかな?
お腹空いてないかな?
と子どもの事ばかり考えてしまう。
1人でいても、結局のところ休まるどころか、心配で頭の中は子どもでいっぱいになってしまった。
そして家に帰ると、なんとお義母さんが来ていて一緒に子どもの世話をしてくれていたのだ。
出産したばかりで情緒が不安定だったのもあるのだろう。
勝手にお義母さんを呼んだ事にも良い気はしないし、なんだか私だけ追い出されたみたいに思って悲しくなってしまったのだが、夫も初めての育児だったため、1人で世話が出来るか心配になりお義母さんを呼び出したんだろう。
しかし、そんな夫だって少しずつ成長していたのである。
私はつわりがとても酷く、何も食べられなくなって寝たきりに近い状態になってしまうのだか、長男妊娠中はただひたすら体調の悪さを我慢すれば良かった。
しかし次男妊娠中は長男がいる。
ひたすら体調の悪さを我慢していられる状況では無かった。
平日はお義母さんに来てもらい長男の世話をしてもらっていたのだが、土日は夫が長男の世話をする事になった。
当時2歳の長男はイヤイヤ期真っ只中で1人で育児出来ない夫はかなり大変だったと思う。
土日の2日間世話しただけで何度も怒鳴っていた。
怒鳴ると言っても「もう!どうすれば良いんだよ!」と、愚痴の独り言で、聞いているこっちはハラハラしてしまう。
少しでも育児がうまく行くように子どもが好きな遊びを教えたり、好きなキャラクターの絵本やDVDを一緒に見たらどうかな?とアドバイスしてみたり、パパと遊ぶの楽しいんだって!とヨイショしたり(笑)
そうやってなんとか土日を乗り切って、と言うような事を数ヶ月過ごし、ようやく私のつわりがあけた。
夫は「大変だったよー」と言っていたが、少しは父親としての自覚が芽生え初めたんじゃないかと思う。
長男が「パパすきー」って言ってるよと夫に報告した時は「へぇー」とクールに返事していたけど、絶対嬉しかったと思う。
そして次男が産まれ、しばらく外出できなかったので、夫が長男を連れて公園に行ってくれたり、散歩したり夫と長男と2人での行動も増えてきた。
それから数年後、三男妊娠中もやはりつわりがひどく寝たきりに…。
「子ども達がいるとゆっくり休めないでしょ」と自ら長男と次男を連れて公園に行ってくれる事も。
長男もすっかりお兄ちゃんになっていて夫と一緒に次男の面倒を見てくれるようになった事もあるのだが、夫と子ども達だけで過ごせるようになってきた。
三男が卒乳してからしばらくして、私は急用で夕方から夜まで家をあけることになった。
それまで夜までの長時間、子ども達を夫に任せた事はなく、心配はあったが、夫に子ども達を頼み出かけた。
そして夜、帰宅。
家に入ると部屋の電気はついているけどとても静かだった。
そっと覗いてみると、おもちゃだらけのとんでもなく散らかった部屋と4人でバラバラの方向向いて寝ている姿。
寝かしつけ相当苦労したんだろうと想像できる。
子ども3人に夕飯を食べさせ、お風呂に入れてちゃんと寝かしつけられたんだなー。
何とかなるもんなんだ。
そうか!子ども達が夫を成長させてくれてるんだ。
夫は毎日少しずつ子どもと一緒に成長していた。
私だけ成長してなかった。
夫に子ども達を頼む事を諦めていたから。
もっと夫に頼っていたら、いろいろ我慢もしなくて済んだのかな…。
急用ができたおかげで、夫に任せても大丈夫だとわかったし、きっと夫も自信がついたんじゃ無いかなと思う。
これからはお互い助け合いもっと頼りにしていこうと思った出来事だった。
私の場合、ワンオペ育児で苦しい時もあったが、それは自分が勝手に背負ってしまっていただけなのかもしれない。
夫に着替えや食事、その他…(覚えてくれないので)その都度説明するのが大変だから、また勝手にお義母さんに手伝いに来てもらおうとするかもしれないから、と自分の中で夫に子ども達を任せる事を面倒に思って諦めてしまっていた。
面倒に思わずに時々子ども達をお願いしていたら、もっと早く気づけたかもしれない。
すぐ近くに頼れる人がいたのだから。
少し気持ちが楽になれた。
(ライター:おだんご)
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