現在、昼間のみの仕事をしながら4歳と3歳の娘たちの子育て真っ最中。
上の娘が発達障害なこともあって、なかなかオムツが手放せずトイトレに時間がかかったり、意思疎通が難しい為に分かりやすい言葉をチョイスする他に絵カード提示等が必要だったり。
健常児に比べもっと努力が必要な育児で、盛りだくさんの試行錯誤な毎日。
その上での、年子の二女の世話。助けは期待できない遠くに住む両親達。
出張も多く、日の出前に出勤し夜遅くに帰ってくる夫な為にほぼワンオペ育児。
二女の要求と長女の癇癪、進まない家事に心の限界がくることもしばしば。
大概は「一人で無理だし!」と洗濯や食事(冷凍かコンビニごはんへ変更)など投げられることは投げてしまうのですが…。
子どもの前でパニック状態に…ひとめ見て、すべてを察してくれた夫。<第四回投稿コンテストNO.74>
28,111 View手のかかる子ども達、進まない家事。ある日心が決壊してしまった…。たまたまそこへ帰宅した夫の行動は、イヌさんを決して追い詰めることなく、お見事だったそうです。
この日は運が悪いことにやっと治りかけた鬱病がひょっこりと顔を出してしまった。
上がりかけのお風呂の最中、理由の分からない癇癪で泣き叫び、何をしても嫌がる長女。
そんな長女を尻目にもっと遊びたいと強請って腕を引っ張り、泣き声に負けじと大声で話しかけてくる二女。
早く食事の支度もしないとだし、洗濯物も片付けてない、明日の幼稚園の準備して早く寝かしつけしないと明日また「眠い」ってぐずられてお弁当の準備もままならないし…と上手く事が運ばずに全てに嫌気がさし、裸のまま涙腺崩壊で「~~~っもう!!なんで!?お母さんをそんなに困らせて楽しいっ!?お母さん嫌いなの!?もうやだ!なんなの!」と泣き叫んでしまったのです。
癇癪で更に大声で泣き叫ぶ長女。
泣くのを我慢して黙ってしまった二女。
そんな滅茶苦茶な状態でも頭のどこかは冷静で。
(そんなこと言っても仕方ない。誰も助けてくれないんだし。早く目の前の事やっていかないと)
(急いで身体拭いてあげなきゃ風邪ひいちゃう。なにやってるんだろ。子どもを怯えさせて時間くうだけの無駄な行為なのに)
(どうしょう、このままじゃ虐待しちゃうかもしれない。保健師さん?児童相談所に電話した方がいいかもしれないっ)と、矢継ぎ早に考えが巡りました。
――その時。
たまたま夫が早帰りで帰宅したのです。
ドアを開ける音を聞いて、私の心は安堵ではなく、[どうしょう。どうしたの?叩いたの?と絶対聞かれる。何て答えよう。裸のまま泣いてる娘を見てきっと怒られる。もうやだ。なんで私ばっかり。消えたい!]とグチャグチャ考えてる私を尻目に。
普段と同じように笑顔で「ただいま~。パパおかえり~だよ~。ほらほら、泣いてないでおいで~。身体拭かせてよ~」とニコニコと言い、泣き叫ぶ長女を抱いて別室に行ってしまったのです。
泣き声が遠く聞こえなくなったことで冷静を取り戻した私は、二女を「ごめんね…」と抱きしめてお風呂から出ました。
居た堪れない私に何を言うでもなく、二人のお風呂上りのお世話をしてくれる夫。
子ども達に改めて謝ったあと、夫から「…大変なのも分かるけど、子ども達を裸で泣かせてるのはどうかと思う」とか言われるのを覚悟していたのに。
出てきた一言は…「今日も大変だったね。イヌさんは頑張ってるね。ごめんね、いつも任せっきりで」という労いと謝罪。
夫は一目で状況をすぐに理解して、敢えて長女だけを連れていったそうです。
「どうした?」と私に聞いたらすぐに罪悪感でパニックになるだろうから聞かず、叩いたかどうかも裸だったし聞かなくても身体見れば分かるだろうし、と思っていたとも。
すぐに私が冷静になれるとも分かっていたし、二人っきりにすれば二女が私を慰めてくれると踏んでいたそうで。
実際、泣いてる私を二女が一生懸命頭を撫でて慰めてくれ、すぐに冷静になりました。
私自身の思考パターンを理解し、常識を盾に諫める存在じゃなく、敢えて何も言わずにアシストしてくれるパートナー。
どうしても子育ては母親に負担がかかりがち。
それは仕方のないこと。
分かってはいるけど、子育てほぼ母親まかせなのに偉そうに他の家族引き合いにしてお説教されても「あなたは四六時中この子達育ててないじゃない!?」としたくもない喧嘩腰になっちゃう。
それすらも見越して言いたいことをグッと我慢してもらえるのも夫の「ナイス!」な育児です。
でもどんなに甲斐甲斐しく世話しても結局「ママがいい~!ママがいいの~!!」と娘たちにフラれてますが。
「分かるけど!お父さん泣けてくる!」と、そんな項垂れてる夫。
「だって日々こまごまと世話して頑張ってるのはお母さんだからね!」と優越感に浸らせてもらえる。
そんな存在でいてくれることにも感謝してます(笑)
そして。
いつもストレスで胃痛を起こし、横になって転がってる私へ「何かあったかい物淹れようか?」と背中マッサージしながら毎度毎度聞いてくる夫。
この事件の後、やはり罪悪感からの胃痛でうつ伏せに転がってる私へ二女が近づいてきて、おもむろに小さな手で力任せに背中を叩いてきたと思ったら一言「なにかあったかいもの、のむ?」と。
倒れてた私も、その間洗い物をしてくれてた夫も噴き出しました。
夫が「娘」にではなく「私」に対して向けてくれる優しさ。
それを見てる娘に、その優しさはちゃんと伝わって育ってました。
直接育児に携われなくても、そういう風に育てられるのかーと再度夫の行動に感謝した出来事でした。
(ライター:イヌ)
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