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公開 2020年06月19日  

人一倍こわがりな娘が、とうとう笑顔でアレを克服!<第四回投稿コンテストNO.90>

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鼻風邪をひいてしまった娘。おうちでの鼻水ケアに、むじきさん夫婦は大苦戦したそうです。



我が家には人一倍こわがりな2歳7ヶ月の娘がいる。

どれほどこわがりかというと、まずロボット掃除機が怖い。

7ヶ月の弟の泣き声にもビビるし、台所のディスポーザーの音も駄目。

公園に行くと犬が怖い。

でも興味はあって遠いところから「わんわんいるねぇ」と嬉しそうに指さす。

でも、ちょっとでも犬が吠えればかなり距離が離れていても警戒して歩く。


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そんな娘が風邪を引いた。

熱はなく、咳と痰、そして鼻水だけの軽い風邪だ。

それは世間では新型ウイルスが話題になってきた2月のことだった。

新型ウイルスもそうだが、まだインフルエンザも流行っていたので、病院には行かずにしばらく様子を見ていたが一向に良くなる兆しがない。


ちょうど弟が予防接種で病院に行くので、ついでに娘の風邪も診てもらうことにした。

ちなみにこの時も病院の前で号泣して歩道に亀の状態で動かなくなり、下の子を抱っこしながら娘も担いで病院に入るという状況だった。

弟が予防接種を受ける時もなぜか娘が泣く。

看護師さんたちの優しい対応でなんとか予防接種も診察も終えることができ、予想通りの風邪の診断が下された。

先生が言うには、「鼻水が落ちてきて痰になる。だからこまめに鼻水を吸いなさい」とのこと。

鼻水を吸う・・・

これがどれだけ大変なことか、世のお母さんたちはきっと賛同してくれるだろう。

嫌がって暴れる子どもを押さえつけ、なんとか鼻の穴にノズルを突っ込みそして吸う。

たったこれだけのことなのに終わった後は2人とも汗だく、娘の頬には涙の後、それなのに吸えた鼻水はわずかばかりあれば良い方で、まったく取れないこともよくあった。そう、我が家には電動の鼻吸い器がなかったのだ。


ここで私はママ友の助言の元、電動鼻吸い器の購入を決断する。

夫からも二つ返事でOKをもらった。

早速どのメーカーがいいのか調べ、ネットで購入し、頼もしい相棒を手に入れた。

さて、問題はここからだ。


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夫が娘と寝室で絵本を読んでいる隙に隣の部屋で説明書を読みながら使い方をマスターする。

寝室に入ってコンセントをさし、娘に見せたところ、案の定警戒しまくっている表情だった。


大丈夫、まずは私がやってみせるから。

ほら、よくママを見ててね。

そしてスイッチをオンにしたその瞬間、予想よりはるかに大きい電動音に「まずい」と思った時にはもう、娘は泣き出していた。

泣いている娘の前で、「大丈夫、怖くないよ」と私の鼻に突っ込んで鼻水を吸うところを見せた。

そして笑顔で「あー、スッキリした!」と伝えるも、何も届いてない様子。

しょうがないので夫と2人がかりでなんとか押さえつけながら、鼻水を吸ってみた。

病院で吸ってもらったほどではないが、鼻水がズルズルと出てきて、吸っているこっちが気持ちいい。

電動ってすごい。

問題は娘が暴れてなかなか吸えないことだった。


それでもなんとか毎日毎日娘を無理矢理連行し、泣き叫び、暴れるところ文字通り全身を使って押さえ込み鼻水を吸っていた。

しかし、娘の涙もむなしくなかなか症状が良くならない。

良くならないからいつまでも鼻水を吸わないといけない。

病院でもらった薬は飲みきったからまた病院に行く。

この風邪で5回も病院に通い、最後の1回は倍の期間分の薬をもらったが、それでもまだ完治はしなかった。


いつからか、鼻水を吸うのを夫がやることが多くなった。

在宅勤務が続き、毎日子どもたちをお風呂に入れてくれる流れで、私が下の子に授乳をしている間に鼻水を吸ってくれるのだ。

そしていつも私は授乳をしながら寝室から届く泣き声を聞きながら夫に対して「ごめんね、ありがとう」と思っていた。

毎日続けていると娘は成長するもので、鼻水を吸い終わった後は鼻が通ってスッキリするのが自分でも分かり、号泣はするけれど終わってしまえば「おはな、すっきりした~」と笑顔で駆け寄ってくるのだった。


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そしてついにその日は訪れた。

娘の泣き声が聞こえてこない。

何をしているんだろう。

泣き声ではなく笑い声が響いている。

まさか、ついに放棄して遊ぶことにしたのか?

しばらくすると娘は笑顔で戻ってきた。

なんと、夫が鼻吸い器の恐怖を克服してくれていた。

「なんで?どうやって?」驚いている私に夫が説明する。

まずはスイッチを入れた後、夫が吸込み口を自分の手やほっぺたにくっつけて怖くないことを見せた。

すると娘が自分もやると言い出し、同じように自分の手やほっぺたにくっつけたところ楽しかったらしく、爆笑しだした。

この何ヶ月か怖いものだったそれは、面白いものと娘の中で上書きされ、なんと自分で鼻の中に入れて鼻水を吸ったという。


私はこわがりな娘だから、何をしても無駄だろうと諦め、泣き叫ぶ娘を押さえつけることしか頭になかった。

それなのに夫は娘の恐怖を取り除くことをしてくれた。

怖くないことが理解できればお互いにとって良いことしかない。娘は楽しい気持ちで鼻水を吸い、スッキリすることができる。

こちらは今までの苦労を思うと拍子抜けするくらい楽にミッションを終えることができる。

夫をちょっと見直した出来事だった。


2歳イヤイヤ期真っ盛りな娘だが、こちらがきちんと説明するとちゃんと理解してくれることも多い。

これからは夫を見習って娘が怖がっていること、嫌がっていることも工夫して別の視点から見せてあげようと思う。



(ライター:むじき)


※ この記事は2024年11月28日に再公開された記事です。

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