赤ちゃんの断乳はいつから?断乳のコツとおっぱいのケア方法を解説
3,756 View「職場復帰や健康上の理由などで断乳をしたいけれど、断乳の時期や進め方などをどうすればいいのか?」と悩みを抱えるママもいらっしゃるのではないでしょうか。また、断乳するといつからおっぱいが出なくなるのかや断乳時のおっぱいのケアなども気になることはたくさんありますよね。今回は、赤ちゃんの断乳の時期や進め方、断乳時におけるママのケアについて解説します。
よく聞く断乳と卒乳の違いはなに?
断乳という言葉と同時によく耳にする「卒乳」。
断乳と卒乳の違いはなにか疑問に感じたことはありませんか?
断乳とは、ママの都合で授乳をやめることです。
それに対して、卒乳は赤ちゃんが母乳を欲しがらなくなって授乳をやめることを指します。
断乳と卒乳ともに「授乳をやめる」という意味では同じです。
ただし、「ママが職場復帰する」「赤ちゃんがおっぱいを欲しがらなくなる」など、誰が授乳をやめるきっかけになるのかという点に違いがあります。
現在では、無理に断乳せずに赤ちゃんが自然とおっぱいを卒業するのを待つ「卒乳」が主流となりつつあります。
一方で、職場復帰やママの健康上の理由などで断乳を進めるケースが多く見受けられるのも事実です。
「断乳するのは気が引ける」と感じるパパママもいらっしゃるかもしれませんが、「授乳時期は長ければ長いほど良い」という明確な根拠はありません。
家族にとってベストなタイミングを見つけてみましょう。
断乳はいつからがいいの?
断乳の時期はいつからでなくてはならないといった明確な指標はありません。
WHOでは、2歳までは食事とともに母乳での育児を続けることを推奨しています。
一方、国内では厚生労働省が「授乳・離乳の支援ガイド」を提示していますが、ガイドラインにはいつまでに断乳・卒乳すべきかは明記されていません。
あくまでもパパママの考え方が尊重される進め方をするように書かれています。
つまり「いつから断乳をしないといけないのか」と考える必要はありません。
また、状況が許す限り赤ちゃんが自然とおっぱいを離れていくまで、待ってみるのも1つの手。
いずれにしても、周囲の意見に流されず、家庭のタイミングに合った断乳の計画を立ててみましょう。
赤ちゃんの断乳を考える目安は?
断乳を進めるためには、パパママの事情だけでなく、赤ちゃんの状態に目を配ることも大切です。
離乳食を始める前の赤ちゃんであれば、哺乳瓶を使ってミルクが飲めるかどうかをチェックしてみましょう。
問題なく母乳を飲んでいる赤ちゃんでも、哺乳瓶でミルクを飲めないこともあります。
断乳時にミルクが飲めないと赤ちゃんが栄養を摂れませんので、注意が必要です。
離乳食を始めた後であれば、離乳食で栄養を摂れているかどうか、母乳以外で水分補給ができているかどうかを確認しておくといいですね。
断乳の進め方をチェック!
断乳には、短期集中型で授乳をやめる方法と、1ヶ月ほどかけてゆっくりと授乳をやめる方法の2種類があります。
家庭の状況を考えながら、どちらの方法で断乳するかをパパママで話し合って決めましょう。
短期集中型で断乳する方法
まずは、3日間で断乳を進めるスケジュールを説明します。
断乳初日では、赤ちゃんがママのおっぱいを欲しがるようなしぐさを見せます。
赤ちゃんによっては、なかなか寝つけないかもしれませんが、就寝前にはお茶を飲ませるだけにとどめておきましょう。
なお、授乳をやめると、乳房がカチカチになって痛みを感じることもあります。
乳房の痛みを感じたら、無理をせずに少々搾乳をするようにしましょう。
断乳2日目では、赤ちゃんがおっぱいを飲めないことから激しく泣くこともあります。
少しでも赤ちゃんの気を紛らわせるために、家族でお散歩へ行ったり祖父母と遊んだりするなど、周囲の協力を得ながら乗り越えていけるといいでしょう。
断乳3日目になると、赤ちゃんの様子が徐々に落ち着いてきます。
食事を食べるようになったり、寝つきが良くなったりするようになり、断乳が完了へと近づいていくでしょう。
1ヶ月ほどかけてゆっくり断乳する方法
1ヶ月~1ヶ月半程度で徐々に授乳回数を減らしていく断乳方法もあります。
断乳を急いでいない家庭では、ゆっくりと断乳を進めていることが多いようです。
まずは、1回の食事量を増やしていくとともに食後の授乳をやめます。
もし、赤ちゃんがおっぱいを欲しがったら、少しだけ授乳しましょう。
ただし、毎回のように赤ちゃんの希望をかなえているといつまでも断乳が進みません。
お出かけしたりおもちゃで遊んだりして、おっぱいのことから気を紛らすような工夫が大切です。
ママと赤ちゃんのストレスがかからないように、じっくりと時間をかけて授乳回数を減らしていきましょう。
断乳を上手に進めるには
授乳をやめるという行為は、赤ちゃんやママにとって少なからずストレスがかかってしまいます。
断乳をスムーズに進めていくためには、いくつかの点に注意しましょう。
スケジュールに余裕を持たせよう
断乳をする時には、ママのスケジュールに余裕がある日程を選んだ方が良いでしょう。
赤ちゃんにとっての授乳は栄養を摂るだけでなく、ママとのスキンシップとして心の栄養補給にもなっています。
断乳をして寂しいと感じる赤ちゃんの気持ちに寄り添って見守ってあげることが大切です。
働いているママであれば、仕事がお休みの時と重なりママが赤ちゃんとゆったり過ごせるスケジュールを組める日を選ぶと良いでしょう。
ゴールデンウイークや3連休などまとまった休日がある時期がおすすめです。
パパや家族にも協力してもらおう
母乳育児の場合は、パパにも協力をしてもらいましょう。
目の前におっぱいがあると、余計におっぱいが欲しくて泣いたり寝つけなかったりするかもしれません。
そんな時には、パパが赤ちゃんにミルクをあげてもらうようにすると良いでしょう。
お風呂や寝かしつけ、抱っこなどは、できる限りパパや家族に頼んで、協力しながら断乳を乗り切れるといいですね。
赤ちゃんとママがお風呂に入らなければならない時は、おっぱいが見えないように水着やブラジャーなどを着用したまま入浴するのも1つの手です。
なお、授乳回数を減らしたことによって乳房トラブルが起こる可能性も考えておかなければいけません。
時には、乳腺炎や乳房潰瘍などを引き起こして医療機関の介入が必要になるケースもあります。
断乳時には、ママだけでなくパパや家族の誰かが赤ちゃんの世話をできる環境が整っていると安心できます。
赤ちゃんの栄養を補うのを忘れないようにしよう
断乳を進める時には、今まで母乳で摂っていた栄養面を補うのも忘れないようにしましょう。
離乳食が始まっていない赤ちゃんは、1日に必要なミルクの量が足りているかメモをつけておくといいかもしれません。
離乳食が始まっている赤ちゃんは、ミルクや離乳食で栄養を必要量摂っているのかを確認しながら断乳を進めていきましょう。
断乳時におけるおっぱいのケアについて
断乳は赤ちゃんだけでなくママにも負担がかかります。
断乳を進めていると、つい赤ちゃん視点で物事を考えてしまいがちですが、おっぱいのケアも大切です。
断乳時はおっぱいのケアをして乳腺炎に気をつけよう
授乳をやめたり授乳回数が減ったりすると、乳房内に乳汁がたまってしまいます。
結果として、おっぱいが張ってしまうと感じるママが多いようです。
おっぱいが張ってしまったら我慢をしないで、軽く搾乳をしましょう。
また、断乳開始から2~3日目にしっかりと搾りきるとおっぱいの張りが軽減します。
なお、1日も待たずにおっぱいが張ってしまったら、再度軽く搾乳しましょう。
指の腹で乳輪を支え、指の腹と腹を合わせて乳首を絞るように意識すると上手に搾乳できます。
自分では搾乳がうまくできないと感じたら、出産した病院や助産院、母乳外来などで相談してみても良いでしょう。
なお、おっぱいが張ってしまうピークは、断乳開始から2日目といわれています。
3日目以降からは、痛みが少なくなっていくようです。
搾乳をしないと乳房内で乳汁が固まり、痛みや違和感が残ってしまいます。
悪化すると、乳腺炎や乳腺潰瘍など医療機関への介入が必要になるケースも。
さらに、次に出産する時に母乳がつまりやすいといったトラブルが起きることもあります。
断乳からしばらくたって搾乳しようとしても乳汁がうまく出せない可能性もありますので、断乳時にしっかりと搾乳することが大切です。
ブラジャーや下着のサイズに気をつけよう
断乳をする時には乳房内に乳汁がたまってしまい、普段よりもおっぱいのサイズが大きくなることもあります。
普段は問題ないブラジャーでもサイズが合わなくなってしまうかもしれません。
きついブラジャーや下着をつけていると血液の循環が悪くなってしまいますので、ワイヤーが入っていないブラジャーや締めつけるタイプの下着は着用を控えるようにしましょう。
断乳開始の時期は家族と相談して決めよう
断乳のベストな時期についての明確な決まりはありません。
「授乳期間が長ければ長いほど良い」といったこともありませんので、断乳のタイミングはあくまでもパパママや赤ちゃんの意思を尊重することが重要です。
ただし、赤ちゃんが母乳以外で栄養が摂れない場合は、断乳開始は見送りましょう。
パパママのスケジュールや赤ちゃんの様子などを総合的に判断しながら、家族にとってぴったりな断乳のタイミングを見計らうことが大切です。
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